column 602. 暮らす

これから紫陽花(あじさい)の季節

2019.06.13

これから紫陽花(あじさい)の季節

「紫陽花や 藪(やぶ)を小庭の 別座敷。」

これは誰もが知る有名な俳人、松尾芭蕉が知り合いのお宅を訪問した時に歌った一句です。
「この離れ座敷の庭は、藪をそのまま眺めとして取り入れた質素な小庭だが、
折から紫陽花の青い花が咲いて、いかにも趣きがある。」と言う意味だそうです。

「紫陽花(あじさい)」という花の特徴

あじさいの原産地は日本。
あれほど美しくキレイな花を生んだのが日本と聞くとちょっと嬉しい気がしますよね。

あじさいはもともとあずさいと呼ばれていたといわれています。
「あず」は「集まる」、「さい」は「真の藍色」という意味合いを持っています。
つまり「真の藍色が集まっている花」ということ。
このあずさいがいつしかあじさいと呼ばれるようになりました。

あじさいはとても歴史のある花

あじさいは日本に現存する最古の歌集、万葉集にも登場しています。
日本最古の歌集に登場する程に歴史の古い花なのです。

梅雨から夏にかけて咲くあじさいは、
七変化と言われるように咲いているうちにだんだん色が変化していきます。
そのためか花言葉は「移り気」だそうです。

あじさいの色

あじさいについてよく言われる話ですが、あじさいは土壌が酸性だと青くなり、アルカリ性だと赤くなります。
もともと日本の土壌は酸性なので、日本古来のあじさいは青色をしています。

幕末から明治にかけて来日したヨーロッパの人々が、
冒頭の松尾芭蕉のように初めて見る美しいあじさいに心を奪われ、
このあじさいを持ち帰り、青色以外の花を作り出したのです。

まず日本の土壌と違ってヨーロッパの土壌はアルカリ性のため、
日本では青かった花が自然と赤っぽい花になりました。
元来華やかな花を好む欧米人は、この日本古来の青とヨーロッパの赤を改良して様々な色を作り上げます。

こうしてあじさいはヨーロッパで色とりどりの西洋アジサイ(ハイドランジア)に変化を遂げました。
そして見事な変化を成し遂げた西洋アジサイ(ハイドランジア)は、
日本へ逆輸入され、日本各地で人気を博すことになったのです。

梅雨と聞くとちょっと気分が落ち込みますが、
雨がしたたる色とりどりの華やかなあじさいに出会えると思えば楽しいですよね。
しとしと降る雨の中で輝くあじさい。
そんな梅雨の時期にしか見られない情緒ある風景を探しに行ってみてはいかがでしょうか。

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