column 594. 暮らす

鰹(カツオ)の味わい方

2019.05.28

鰹(カツオ)の味わい方

「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」
江戸中期の俳人「山口素堂(やまぐちそどう)」の一句です。
五月、それは「初鰹(はつがつお)」の季節です。
「女房を質に入れても食べたい初鰹」なんて、
全国のお母様方の怒りを買いそうな言葉もあるほど、「初鰹」は初夏の味の代表です。

「鰹(カツオ)」とはどんな愛され方をした魚なのか

「カツオ」は、古事記、日本書紀、万葉集にも登場するほど古くから食用にされてきた魚です。
身質が柔らかく傷みやすい魚のため、生食されるようになったのは鎌倉時代以降と考えられています。
それ以前は、堅くなるまで干してから食べられていました。
そのことから「堅い魚」、「カタウオ(堅魚)」と呼ばれるようになり、そ
れがいつしか「かつお(鰹)」と呼ばれるようになったと言われています。
また、戦国時代から江戸時代にかけての武家社会では、
「勝つ男」と書いて「勝男(カツオ)」に通じることから縁起物とされたそうです。

「季節をめぐる鰹」とは

この「カツオ」という魚は季節とともに海をめぐります。
まずは南の暖かい海で生まれ、約2年間その海で過ごします。
そして2歳の1月ごろにフィリピン沖から黒潮に乗り、日本の九州を北上。
4月には駿河湾沖でイワシを食べて丸々と太ります。
5月になり、ようやく静岡県や千葉県などの漁港に水揚げされます。
この水揚げされるカツオがいわゆる「初鰹」です。

この時期のカツオを「初鰹」と呼び珍重するようになったのは江戸時代。
「初物」ということにこだわっていた江戸っ子たちは「初物を食うと75日長生きする」といって、
ナスやキュウリにいたるまで初物食いに夢中になりました。
初鰹にかぎっては、75日の10倍に当たる750日も長生きできる、ともてはやされたそうです。

初鰹の旬は今

そんな初鰹をおいしく食べられる季節がまさに今。
イワシを食べて丸々と太ったカツオは、言葉にならないほどの美味。

カツオと言えば「鰹のたたき」。
「たたき」はカツオの代表的な料理の一つ。
本場、土佐の名をとって「土佐造り」とも呼ばれます。
カツオの皮は生では堅くて食べにくいのですが、あぶると柔らかくなり、食べやすくなります。
お造りにしたカツオに軽く塩をふって身を引き締め、
土佐名物の「チリ酢(土佐酢)」を振って包丁の腹や手で軽くたたいて味をなじませる。
このことから「たたき」という名が生まれたといわれています。
最後にチリ酢で作ったタレをかけ、味がなじんだところでパクリ。
これが本当に美味しい。
カツオはなんにでも合うので、おろしにんにく、大根おろし、しょうがなど、皆様のお好みでご賞味ください。

今が旬の初鰹、今夜の一品にいかがでしょうか。

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