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マンションを相続するときの手続きは?流れや費用を分かりやすく解説

2023.07.26

マンションを相続するときの手続きは?流れや費用を分かりやすく解説

親族が亡くなり、マンションを相続することになった場合、「相続」と「相続税の納税」をする必要があります。

ただし、相続関連の手続きは、適切な手順を踏み、各相続人の合意を取って進めないと、トラブルになりやすいです。

ここでは、マンションを相続するときどういった手続きが必要なのか、その流れや費用について解説していきます。

何をすれば良いの?マンションを相続する際の流れ

マンションを相続するときの流れは、以下の通りです。

  • 遺言書を探す
  • 法定相続人を調べる
  • 遺産の総額を調査する
  • 遺産分割協議を行う
  • 相続登記をする

相続手続きを進める際、真っ先に行うべき手続きは、故人の遺言を探すこと。
遺言書がある場合は遺言通りに財産を分け、遺言書がない場合は、遺産分割協議という話し合いで財産の分け方を決めます。
遺言書の有無を確認したら、故人の戸籍を辿って他に相続人がいるのか、家族の知らない財産や借金はないかの調査が必要です。
その後、相続税を計算し、相続税の納税と不動産を自分名義にする手続き、相続登記を行います。

マンションを相続するときにかかる費用とは

●相続税

相続した遺産の総額に対して発生する税金が、相続税です。
現金・マンション・その他金融資産といった正の遺産と、借金など負の遺産を合計した結果、相続額が控除額を越えると相続税がかかります。
逆に、遺産総額が控除を下回る場合、納税の必要はありません。
なお、基礎控除以外の控除を利用するためには、確定申告という手続きが必要です。

●不動産の名義変更をするために必要な登録免許税

不動産の名義は自動更新されないので、マンションを相続した段階だと、物件の名義は故人のものになっています。
そこで必要なのが、不動産の名義変更です。
不動産の所有権は、法務局と呼ばれる機関で管理・保存されているため、マンションの相続を終えたら、法務局で所有者移転登記という名義変更をする必要があります。
名義変更をする際、「不動産の資産価値×0.4%」の登録免許税が必要です。

●その他費用

相続手続きを行う場合、役所で故人の戸籍謄本等を取得したり、法務局で名義変更をするための手数料を支払ったりする必要があります。
これらの諸費用は、相続人の数等にもよりますが、高くても数万円程度です。

ただし、相続登記を司法書士に依頼したり、遺産分割協議で弁護士に仲介をお願いしたり、戸籍の追跡や財産の調査を専門家に頼んだりすると、別途費用がかかります。

マンションの相続時に使える税の控除3種類

●基礎控除

相続税の課税額を計算する際、「3,000万円+相続人の人数×600万円」の基礎控除を利用可能です。
簡単にいうと、遺産総額から上記の基礎控除を差し引き、ゼロまたはマイナスになる場合、相続税を納税する必要がありません。
相続人の人数によって基礎控除の総額は変わるため、マンションを相続するときは必ず故人の戸籍をさかのぼり、知っている家族以外の相続人が存在しないか調べましょう。

●小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは、
・故人が住んでいた
・マンションを相続する者が故人と同居していた
・賃貸物件として運用している
場合、土地の評価額が50~80%安くなるという制度です。
物件の用途によって、評価額が安くなる土地の面積や減額の割合は上下します。

たとえば、土地1,500万円・建物800万円のマンションを相続する場合、本来なら2,300万円に対する相続税の納税が必要です。

しかし、小規模宅地等の特例を利用すると、課税額は土地300万円・建物800万円の合計、1,100万円まで小さくできます。

●配偶者控除

配偶者控除は、相続時に使える控除の中で、最も節税効果の大きな制度です。
故人の配偶者は、1億6,000万円、または法定相続分(配偶者の場合遺産総額の50%)の控除を受けられます。
たとえば、夫婦とお子さんの3人構成で夫が亡くなり、4億円の遺産相続が起きた場合、配偶者である妻の相続額が2億円以下なら、相続税を納める必要がありません。
夫から妻、妻から夫への相続は納税額を大幅に抑えられるので、積極的に活用しましょう。

マンションの価値は時価ではない!相続したマンションの評価方法

●土地の評価

相続税のルールでは、不動産の価値を時価ではなく「評価額」という指標で計算します。
そして、相続するマンションの土地に対する評価額は、国税庁が毎年調査・公表している「路線価」という数値を使うのが一般的です。
路線価は、「道路に面する土地1平方メートルあたりの土地価格(1,000円単位)」を調べたもの。
国税庁のホームページで誰でも検索できるようになっており、相続したマンションが面する道路の路線価に、マンションの専有面積を掛け算すれば正確な評価額がわかります。
大雑把にいうと、路線価は不動産の市場価格、つまり時価の70%から80%ほどです。
1,000万円の土地を相続した場合、相続税の計算上では、700万円から800万円の資産として扱われます。

●建物の評価

マンションの建物部分がいくらの財産なのかを調べるときに利用するのが、「固定資産税評価額」という指標です。
固定資産税評価額は、地方自治体が毎年徴収している固定資産税を計算するために定めた、不動産の評価基準。
評価額は市場価格の60%から70%ほどで、マンションの所有者に毎年送られてくる固定資産税の課税明細書に金額が明記されています。
相続税額の計算をするときは、最新の課税明細書などを参考にしましょう。

マンションの相続に必要な書類は?

●役所で発行してもらう必要のある書類

マンションを相続する場合、役所や法務局で以下の書類を発行する必要があります。

  • 登記簿謄本または登記事項証明書
  • 被相続人の戸籍(除籍)謄本
  • 被相続人の住民票(除票)
  • 各相続人の戸籍謄本
  • 各相続人の住民票
  • 各相続人の印鑑証明書
  • マンションの固定資産評価証明書

不動産の登記を変更できるのは所有者本人だけなので、相続登記で名義人を変えるために、不動産の権利書である登記簿謄本等と、故人・相続人それぞれの戸籍・住民票・印鑑証明書が必要です。

また、登録免許税の納税額を確定させるため、不動産の固定資産税がわかる書類、固定資産評価証明書を取得します。
役所の書類は、インターネットまたは郵送での受け取りが可能なので、故人の本籍地が遠い場合は、請求制度も活用しましょう。

●自分で用意する書類

相続登記をする際、マンションを相続する方は、下記の書類を自分で用意する必要があります。

  • 登記申請書
  • 遺産分割協議書
  • 本人確認書類
  • 委任状
  • 相続関係説明図

登記申請書は、法務局のホームページから無料でダウンロードできる、相続登記の申請書類です。
遺言書がなく、話し合いでマンションの相続を決めた場合、相続人全員の署名と捺印がある遺産分割協議書の提出も求められます。
本人確認書類も必須ですし、親族や司法書士などの手続きをお願いするときは、委任状も添付しましょう。
相続関係説明図は、故人との続柄を分かりやすく伝えるための書類です。
委任状と相続関係説明図に関しては、手書きでもインターネット上にあるテンプレートを利用したものでも構いません。

まとめ

マンションを相続するためには、遺言書の確認や相続人の確定、遺産分割協議に加えて、相続登記と相続税の納税をする必要があります。

ただし、相続税の納税期限は、相続開始から10ヵ月です。
手持ち資金で納税できない場合や、マンションを売ってそのお金を相続人で分ける場合、マンションの売却も期限までに終わらせる必要があるので、相続後は意外と時間の余裕がありません。
手続き全体の流れを知って、スムーズにマンションの相続を進めましょう。

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