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断熱材の種類を知ろう!断熱材の種類や役割とメリット・デメリットをわかりやすく解説

2025.04.17

断熱材の種類を知ろう!断熱材の種類や役割とメリット・デメリットをわかりやすく解説

一年を通して快適な住環境を保つ上で、「断熱材」は重要な建材の一つです。
ただ、一口に断熱材といっても複数の種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
それを理解して適材適所で使うことが、快適な家づくりのポイントになります。

ここでは、断熱材の種類とそれぞれの特徴についてご紹介します。

断熱材とは?断熱材の役目

断熱材とは、熱の伝導や伝達を防ぐ素材のことです。
厳密には、断熱材を施しても時間の経過とともに室内の熱は逃げていきますが、そのスピードを遅らせる効果があり、快適な室温を長時間維持する役割を果たします。

断熱材は主に壁や床、天井などに貼り付けられますが、その形状はさまざまです。
繊維状や板状、泡状のものなどがあります。
そのため、それぞれの工法を熟知した業者に施工してもらうことも、家の断熱性能を高める上で大切なポイントです。

断熱材を適切に施した家は、冷暖房の使用回数が減って光熱費を節約できるほか、ヒートショックの心配も低減。
家計や地球環境、そして身体にも優しい住まいを実現します。

断熱材の特徴比較一覧

断熱材を原料の違いで分類すると、「無機繊維系」「木質繊維系」「天然素材系」「発泡プラスチック系」の4種類に分かれます。
それぞれの特徴をまとめました。

●無機繊維系

断熱性、不燃性、吸音性に優れている。
安価なため、多くの家の部位に使われる。
【主な断熱材】グラスウール、ロックウール

●木質繊維系

防音効果に優れている。結露になりにくい。
価格は比較的、高い。
【主な断熱材】セルロースファイバー

●天然素材系

防虫効果、調湿効果に優れている。
価格は比較的、高い。
【主な断熱材】羊毛(ウールブレス)、炭化コルク

●発泡プラスチック系

断熱性、耐久力、不燃性に優れ、燃えても有毒ガスが発生しづらい。
価格は非常に高い。
【主な断熱材】フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム

無機繊維系断熱材の特徴と種類

ガラスや玄武岩といった鉱物を主原料とした断熱材です。
鉱物を繊維状にして絡み合わせ、そこに空気層を作ることで断熱効果を生み出します。

主な無機繊維系断熱材の特徴を紹介します。

●グラスウールのメリット・デメリット

グラスウールは、主にリサイクルガラスを高温で溶かし、繊維状のしたものを成形した断熱材です。
断熱効果はもとより、熱に強く燃えにくいこと、また吸音性が高く防音効果に優れているといった特徴があります。

価格は比較的に安価で施工費を抑えられるのが、グラスウールを使うメリットです。
このため屋根や天井、床、壁など、さまざまな場所に使用されます。

一方で、湿気に弱いのがデメリット。
大量の水分を吸収すると、重みでグラスウールが潰れて隙間が生じ、本来の断熱性能を発揮しにくくなります。
施工時には防湿シートを施すなど、防湿・結露対策が必要です。

●ロックウールのメリット・デメリット

ロックウールは、玄武岩や鉄鋼スラグといった素材を高熱で溶かし、繊維状にした断熱材です。
日本ではなじみの薄い素材ですが、北欧などの諸外国ではメジャーな断熱材です。

熱に強く燃えにくいのが特徴で、600℃の熱にも耐えられます。
撥水性が高いことも特徴ですが、グラスウールと同様に湿気には弱く、防湿・結露対策をしっかり行う必要があります。

木質繊維系断熱材の特徴と種類

木材や木質繊維を主原料に作られた断熱材。
自然素材ですから、環境にも身体にも優しいとして人気があります。
主な断熱材に、セルロースファイバーがあります。

●セルロースファイバーのメリット・デメリット

セルロースファイバーは、新聞などの古紙を原料にした、綿状の断熱材です。

紙の特徴でもある吸放湿性に優れた素材で、湿気を吸ったり吐いたりして湿度をコントロールしてくれます。
また、火に弱いという紙の弱点を克服するため防火性能を強化。
ほかにも、防音性や防虫効果などの性能にも優れています。

デメリットは、価格が高いこと。
また、施工には手順を踏む必要があるため、他の断熱材と比べて工期が長くなるといった点もデメリットです。

天然素材系断熱材の特徴と種類

羊毛やコルクといった天然素材を主原料に成形した断熱材です。
有害な化学物質やVOC(揮発性有機化合物)を含まないことから、健康住宅にも使われています。

天然素材系の主な断熱材は、以下の通りです。

●羊毛(ウールブレス)のメリット・デメリット

羊毛に防虫処理を施した断熱材です。
羊毛自体が調湿力と断熱性の高い素材ですから、湿気をコントロールしながら快適な室温を保ってくれます。

また、水を弾く薄い膜が表面を覆っており、耐水性に優れている点も特徴。
防湿シートなどの施工は不要です。

デメリットは、価格が高いこと。
また、比較的に新しい素材のため適切に施工できる業者が限られる点もデメリットといえます。

●炭化コルクのメリット・デメリット

ワインの栓などに使用するコルクを粉末にし、高温で炭化させた断熱材です。
簡単にいえば「炭を固めたもの」ですが、炭には多くの気泡があり、それが熱や湿気、音などを吸収。
断熱性、調湿性、吸音性に優れ、結露の発生も防げます。

また、コルク樫にはダニを寄せつけないという効果も。
さらに、臭いやホルムアルデヒドなどのVOCも吸収され、あたかも空気清浄機の役割のような効果が期待できます。

軽量で施工が比較的に容易な点もメリットですが、一方で価格が高いことがデメリットです。

発泡プラスチック系断熱材の特徴と種類

文字通り、プラスチックを主原料とする断熱材です。
プラスチックに発泡剤を混ぜることで細かい気泡が生まれ、そこに空気やガスを閉じ込めることで断熱性能を生み出します。

以下に、発泡プラスチック系断熱材の一例を紹介します。

●フェノールフォームのメリット・デメリット

フェノール樹脂に、発泡剤や硬化剤などを混ぜて作った断熱材です。
フェノール樹脂とは、フライパンなどのグリップ部分にも使われる素材。
熱に強く、防火性に優れている点が特徴です。

また、熱伝導率が約0.020W/(m・K)と、ほかの素材と比べて圧倒的に低いことも、断熱性能の高さを表しています。
耐久性や耐水性にも優れており、外張り断熱の工法でよく使用される断熱材です。

デメリットは、価格が非常に高いことです。

●ポリスチレンフォームのメリット・デメリット

発泡スチロールの原料であるポリスチレン樹脂を使った断熱材です。

ポリスチレンフォームには、大きく二つにわかれます。
一つが、ビーズ状のポリスチレン樹脂を発泡させた「ビーズ法(EPS)」、もう一つが樹脂を発泡させながら押し出して板状に成形した「押出法(XPS)」です。

いずれも水に強く、結露防止に適しています。
また、軽量で加工しやすい点も特徴です。
デメリットは、熱に弱いこと。燃えると有毒ガスが発生することも難点です。

●硬質ウレタンフォームのメリット・デメリット

ポリウレタン樹脂に発泡剤を混ぜて作った断熱材です。
気泡の中には熱伝導率の低いガスが閉じ込められており、これが断熱性を高めてくれます。

湿気や水に強いことから、外張り断熱工法で使用されることが多い断熱材です。
板状の製品もあり、容易に施工できることも硬質ウレタンフォームのメリットでしょう。

デメリットは、熱に弱いこと。燃えるとシアン化水素などの有毒ガスを発生します。

まとめ

断熱材を選ぶときは、熱伝導率などの性能だけではなく、湿気や耐水性、耐熱性や防火性、有毒ガスの発生リスクといった特徴も踏まえ、総合的に判断することが大切です。

その上で、正しく施工できる業者に依頼すること。
施工業者にも得意・不得意がありますし、断熱材の種類によっては対応していない業者もあります。
確かな技術を持った業者に依頼することで、断熱性能を十分に発揮した家を実現できるのです。

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