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タワーマンションは地震に弱い?タワマンの耐震性や地震対策を解説

2023.07.26

タワーマンションは地震に弱い?タワマンの耐震性や地震対策を解説

タワーマンションは、地震に強い建物です。
万が一、地震で倒壊すると、周囲に大きな被害が出てしまうため、タワーマンションは一般的な建物よりも厳しい基準をクリアし、最新の建築技術を駆使した耐震構造が採用されています。

しかし、高層階だと大きく揺れる、トイレやゴミ捨て場が溢れやすいなど、タワーマンションならではのリスクがあるのも事実です。
今回は、タワーマンションに興味がある方に向けて、タワーマンションの耐震性や地震発生時のリスク、個人でできる地震対策などをご紹介します。

タワーマンションの定義

タワーマンションとは、20階建て以上、高さ60メートルを超える超高層マンションのことです。
日本では、建物の高さが31メートル・60メートル・100メートルを超えるごとに、建築基準法や安全基準が厳しくなっていきます。
高さ31メートル以上のマンションより、高さ60メートル以上のマンションの方が高性能かつ安全なので、高さ60メートルを越えると、高層マンションではなくタワーマンションと呼ばれているのです。

タワーマンションの特徴

タワーマンションの特徴は、戸建てや一般的なマンションに比べて、圧倒的に高層であること。
高さ制限の関係上、住宅街には建てられないため、港湾部や駅前などの中心部に密集しています。
見晴らしが良く、ラウンジ・ゲストルーム・ジムといった共用設備が充実しているのもポイントです。
洗濯物を外に干せない、管理費が高いといったデメリットはありますが、住居としても投資物件としても人気のある物件となっています。

タワーマンションの耐震構造は3種類に分けられる

タワーマンションの耐震構造は、以下3種類のどれかです。

・耐震構造
・制震構造
・免震構造

耐震構造は、建築基準法が求める必要最低限の耐震基準で、「震度6から7の地震が起きても倒壊しない強度」となっています。
制震構造は、耐震構造を守った上で、振動を吸収するダンパーという装置を設置し、建物の揺れを和らげる構造。
免震構造は、さらに一歩進み、マンションの足元に分厚い積層ゴムを設置して、そもそも地面の揺れが建物に伝わらないようにした構造となっています。
基本的には、耐震構造→制震構造→免震構造の順番で地震に強く、価格も高いです。
同じタワーマンションでも、採用されている構造によって地震発生時のリスクが変わるため、タワーマンションを買う時は構造にも注目しましょう。

タワーマンションの地震リスクは?被災時に起きること

タワーマンションは、一般的な戸建てやマンションと同等、またはそれ以上の耐震性を持っているため、大きな地震が来ても建物が倒壊するリスクが低いです。
しかし、建物にしなやかさを持たせ、あえて高層階を大きく揺らして柱などが折れないようにしている耐震構造だと、地震が起きたときゆっくりとした揺れが長時間続きます。

また、タワーマンションの高層階は、物理的に地上まで遠いです。
電気・水道・ガスなどのライフラインが停止すると、生活に大きな影響が出ますし、エレベーターが止まれば若者でも上り下りで体力を使い果たしてしまいます。

建物の構造上、配管が詰まった状態で高層階の住民がトイレを流すと、低層階のトイレが逆流してしまうといったリスクもあるため、タワーマンションに住むなら、地震が起きた時にどうすれば良いのかを知っておくことも大切です。

タワーマンションがクリアしている建築基準

日本では、戸建てやマンションを建てる際、地域の条例や建築基準法をクリアしている必要があります。
ただし、高さ60メートルを超えるタワーマンションは、一般的な建築基準法に加えて、以下のような条件の達成も必要です。

  • 耐震性や安全性をチェックする構造計算やシミュレーションの実施
  • 非常用発電機の設置
  • 非常用エレベーターの設置
  • 緊急時用のヘリポートまたは救助用スペースの確保
  • スプリンクラー・火災報知器の設置
  • 燃えづらい素材の壁・床・天井・カーテン・絨毯の義務化

タワーマンションは、各種基準をクリアし、国土交通大臣の認可を受けた物件なので、安全性に関して心配する必要はありません。

タワーマンションで地震が起きたときに確認すべきこと

●火元・水元・漏電の確認

地震が起きた時、最も恐ろしいのは、二次災害で火事になることです。
タワーマンションの中層階以上だと、戸建てやマンションの低層階と違って、いざとなったら窓から飛び降りるといった対応ができません。
地震の揺れが収まったら、キッチン・浴室・トイレを見て回り、ガスの元栓を閉め、ブレーカーを落として、漏電や漏水が起きていないか確認しましょう。

●出口の確保

地震によってドアが歪んだり、家具が倒れたりすると、避難できなくなる可能性があります。
揺れが落ち着いたらドアが開くかを確かめ、脱出経路を確保しましょう。
また、タワーマンションのエレベーターが停止しているかどうかをチェックすることも重要です。
動きやすい服装や靴を選び、非常階段の位置も確認しておきましょう。

●家具の倒壊や窓ガラスの破損

耐震構造のタワーマンションは、高層階だと部屋全体が大きく揺れます。
固定していない家具や家電が倒壊したり、窓ガラスやコップが割れたりして危険な状態になると場合、大怪我をする可能性があるため、地震の発生後は、身の回りの安全を確保することも大切です。
室内を確認したり、避難したりするときは、室内履きや毛布などを使って手足を保護し、姿勢を低くして転倒を防ぎましょう。

自治体や政府の防災情報も大切

タワーマンションに住む場合、自治体や政府の防災情報を普段からチェックしておくことも重要です。
地域によって避難場所や津波のリスクは異なりますし、タワーマンションは頑丈なので、地震の被害が少ないと在宅避難を推奨される場合もあります。
災害時に役立つアプリをスマートフォンに入れておいたり、防災情報を家族と共有したりして、普段から緊急事態に備えましょう。

タワーマンションに住むならやっておきたい地震対策

●転倒防止器具の設置

タワーマンションの高層階は、地震で倒壊するリスクこそ低いものの、大きく揺れます。
倒壊した家具や家電で怪我をする可能性があるため、転倒防止器具などを使って、家具や家電が倒れないように固定しましょう。
キャスター付きの家具も、キャスターを固定しておくと、安全性が高まります。
また、トイレや室内に閉じ込められるリスクを減らすため、廊下やドアの周辺には家具を置かないようにしましょう。

●災害時用の備蓄や非常用持ち出し袋の用意

タワーマンションは、エレベーターが止まれば買い出しも気軽にできません。
長期間の在宅避難が推奨される状況でも問題なく生活できるように、普段から最低1週間分の水や食料、簡易トイレにモバイルバッテリーといった生活必需品を備蓄しておきましょう。
また、玄関の近くに非常用持ち出し袋を用意することで、避難準備を最短で終わらせられます。
普段から災害時の備蓄を自宅で消費し、定期的に入れ替えれば、賞味期限・消費期限が切れる心配もありません。

●避難場所・避難経路・連絡手段の共有

何かあったときどこに避難するか、どの経路を通れば安全か、スマホが壊れたらどうやって連絡を取り合うかなどを、普段から家族と共有しておきましょう。
特に、タワーマンションの場合、非常階段の位置を把握していないと、エレベーターが止まったときに最短経路で避難できません。
万が一に備えて、家族で避難訓練をするのも効果的です。

地震のリスクがあってもタワーマンションが人気な理由は?

●資産性が高いから

地震のリスクがあってもタワーマンションが人気を集める理由の一つが、資産性の高さ。
タワーマンションは地価の高いエリアにある高額な物件なので、築年数が経過しても、資産価値が下がりづらいという強みを持っています。
需要が大きいため、売りたくなった時に買い主を見つけやすく、立地次第では買ったときより高く売れるため、投資物件としての評価も高いです。
自分達が住む家としての価値はもちろん、数年寝かせてから売却して利ざやを稼いだり、子どもに相続させたりする資産としても注目されています。

●経済的な成功や社会的ステータスの証になるから

タワーマンションは、価格の高さや見た目の豪華さ、共用設備の充実度から、長い間成功者が住む家として評価されている物件です。
「タワマンに住んでいる」こと自体がある種の成功の証であり、社会的ステータスになるため、タワーマンションに住みたいと考える方は少なくありません。
タワーマンションというブランドに価値を感じる方がいる限り、タワーマンションの人気は衰えないでしょう。

●利便性が高く住みやすいから

タワーマンションは、基本的に都市部の駅前や、地価が高く人気のあるエリアに建設されます。
交通の便が良く、買い物やお出かけにも便利で、通勤・通学のストレスを減らせるため、時間効率を重視する層にも人気です。

また、非常に地価が高い土地に、莫大な建設費用をかけて建てられるタワーマンションは、デザイン面も優れていますし、ジムや24時間のゴミステーション、コンシェルジュサービスといった共用設備も充実しています。

タワーマンションは、一般的に高層階になればなるほど価格も上がっていきますが、中低層階でも最上階と同じセキュリティーや共用設備を利用できるため、付帯サービスを重視する層にも人気です。

まとめ

タワーマンションは、一般的な戸建てやマンションよりも厳しい建築基準をクリアしているため、地震が起きても倒壊する心配がありません。
また、好立地で付帯設備も充実しており、社会的ステータスもあるので、住居としてだけてなく、投資物件としても人気です。

ただし、地震が起きたときに揺れやすい、エレベーターが止まると避難が大変、地震の後トイレが詰まりやすいといった、超高層マンションならではのリスクがあるのも間違いありません。

一口にタワーマンションといっても、耐震構造や共用設備、価格帯はそれぞれ違うため、メリットとデメリットを天秤にかけて、買うかどうかを決めましょう。

 

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