column 827. 買う&売る

セットバックって何?セットバックが必要な不動産を買うときの注意点

2023.01.12

セットバック

市場で販売されている不動産の中には、「要セットバック」と記載されているものがあります。注意事項や備考が記載されている不動産は、一般的な不動産とは扱い方が違うため、「安くてお得!」と飛びついてしまうと、後悔する可能性が高いです。

今回は、セットバックとは何なのか、セットバックが必要な不動産を買うときはどういった点に注意すれば良いのかなどをお伝えします。

セットバックとは?

セットバックとは、土地の境界線を後退させて、前面道路の幅を広げる工事のことです。 住宅前の道路が狭すぎると、救急車や消防車といった緊急車両が入れないため、日本では建築基準法で「幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していないと、家を建ててはいけない」というルール(接道義務)が規定されています。

ただし、建築基準法ができたのは1950年。 それ以前に整備された宅地の中には、接道義務をクリアしていないものも多数存在するため、「接道義務を果たしていない土地は、建て替えたり新築したりするときにセットバックする」という決まりになっています。

セットバックに必要な幅の計算方法

●道路の向かい側に家がある場合

道路の向かい側に宅地や他人の家がある場合、接道義務を50%ずつ負担するため、「道路の中心から2メートル」がセットバックの必要距離です。 もし、道路の中心から自分の敷地まで、現在の幅が1.7メートルであれば、30センチ境界線を後退させればセットバックしたことになります。

ただ、一点注意しておきたいのが、「向かい側の住宅がセットバック済かどうか」です。 向かい側の宅地がセットバックしている場合、道路の中心がずれるので、役所に確認して正確なセットバックの幅を見極める必要があります。

道路の向かい側に宅地がない場合

道路の向かい側が川・がけ・線路などで、宅地がない場合、セットバック幅は最大4メートルです。 仮に、前面道路の幅が2メートルしかない場合、要セットバック不動産を買うと自分の土地を2メートルセットバックする必要があります。向かい側に宅地がないと、セットバックの負担が大幅に増えるので、要セットバックと書いてある土地を買うときは、向かい側がどうなっているのかも確認しましょう。

セットバックが必要な不動産の注意点

●建て替えたりリフォームしたりするときセットバックが必要

要セットバック物件の最も大きな注意点は、家を新築したり建て替えたり、大規模なリフォームをしたりする場合、セットバックが必要になることです。 住宅を増改築するときは、建築確認といって、最寄りの市町村に「工事内容は建築基準法等を守っているか」を確認してもらう必要があります。 セットバックせずに要セットバック物件の建築確認を受けると、工事の許可をもらえません。

●セットバックしない場合は道路が狭くて出入りしづらい

「家を建て替えないし、リフォームもしない」という場合、セットバックをしなくても要セットバック物件を利用できます。 ただし、セットバックが必要な土地を買ってセットバックしないということは、前面道路が法律の基準よりも狭い状態で暮らすということです。自分の土地に出入りするための道路が狭いと、車の出し入れも大変ですし、車のすれ違いなどもしづらくなります。

●「セットバックした部分」は自分で使えない

セットバックをした部分に関しては、自分の土地でも私的利用できません。 なぜなら、セットバックした部分は、公共の財産である「道路」になるからです。 道路は皆のものなので、セットバックした部分にフェンスや塀を立てたり、花壇を置いたり、車を停めたりすると罰せられてしまいます。100平方メートルの土地を買っても、20平方メートルのセットバックが必要だと、最大で80平方メートルしか自分のために使えないのです。建ぺい率や容積率も、セットバック後の面積を基準に計算するため、要セットバック物件を買うときは、工事後も十分な広さがあるか計算しておく必要があります。

●セットバックの工事費用は自己負担

セットバックの工事費用は、基本的に自己負担です。 単に境界線を引き直したり、玄関前のポーチから敷地境界線までの距離を短縮したりするだけなら、工事費用は数十万円ですみますが、建物の解体が必要だと100万円以上の費用がかかります。 自治体によっては、セットバックに助成金を出してくれる場合があるものの、全額補助してもらえるわけではありません。 要セットバック物件は、「セットバックにいくらかかるのか」を考えた上で購入を検討する必要があります。

セットバック物件を買っても損しないのはどんなとき?

●セットバック費用を考慮しても割安なとき

セットバックに必要な費用を手出ししても、周辺地域の相場より安く宅地を手に入れられる場合、要セットバック物件はお買い得です。セットバックが必要な物件は、購入後家を建てたり建て替えたりする際に、セットバック費用がかかるため、基本的に売却価格が安くなっています。セットバックの必要経費よりも値引き額の方が大きければ、「少し面倒な作業が必要な、安い土地」なので、購入しても損をすることはないでしょう。

●セットバックしても十分な広さが残るとき

要セットバック物件の問題点は、100平方メートルの土地を買っても、100平方メートル全てを自分のために使えないことです。 新築や建て替えをする場合、建ぺい率や容積率の計算は「セットバック後の土地面積」を基準にするため、場合によっては想定より狭い家を建てることになります。 ただ、理想の家を建てるために80平方メートル必要で、20平方メートルのセットバックが必要な100平方メートルの土地を買う場合は、セットバックをしても建築プランを変える必要がありません。 セットバック後も十分な広さを確保できるのであれば、要セットバック物件は安くてお得な不動産です。

要セットバックの購入後にやるべきこと

●固定資産税や都市計画税の非課税申告

セットバックで後退した部分は、私有地ですが公共のもの、「道路」という扱いになるため、固定資産税や都市計画税を納める必要がありません。ただし、固定資産税や都市計画税の非課税措置を受けるためには、要セットバック物件を買った権利者が役所に届けを出す必要があります。非課税適用申告書のほか、土地の謄本や測量図等が必要なので、要セットバック物件を買ったら非課税申告の準備もセットで進めましょう。

●土地の寄付・買い取りができるかどうかの確認

要セットバック物件を購入したら、セットバック部分を寄付したり買い取ってもらえたりできるのか、役所に確認することをおすすめします。なぜなら、セットバックした部分の管理は、不動産の所有者が行うことになっているからです。 寄付や買い取りを受け付けているかどうかは自治体によりますが、セットバック部分を手放せば、道路の管理を自分でする必要がありません。

まとめ

セットバックとは、緊急車両が通れるように、土地を後退させて道路の幅を広くする工事のことです。 新築・建て替え・リフォームの際必ずセットバックが必要になるため、要セットバック物件には「工事費用が自己負担」「使える土地が狭くなる」といったデメリットがあります。ただ、要セットバック物件は、扱いが面倒な分、安いのも事実です。 注意点を理解していれば必ずしも損をするわけではないので、気になる不動産広告に「要セットバック」と書いてあった場合は、不動産業者と相談して自分にとってお得な物件なのかを検証しましょう。

永大ハウス工業では、仙台・宮城エリアに特化した戸建て、マンション、土地など様々な不動産を取り扱っております。こだわりの物件はコチラから。

人気のこだわり物件

来店予約・見学予約・訪問査定キャンペーン実施中!お近くの店舗はこちら

今週のおすすめ物件

一覧に戻る