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住まなくなった空き家は売るべきか貸すべきか?それぞれのメリット・デメリット・注意点を解説

2021.12.29

住まなくなった空き家は売るべきか貸すべきか?それぞれのメリット・デメリット・注意点を解説

住まなくなった空き家は、維持費が出ていく一方の不動産です。
基本的には持ち続けてもお金が出ていくだけなので、住む予定がなくなった時点で売るか貸すかを決めましょう。

ただ、どちらの方がお得なのかを知らないと、売却・賃貸を選べません。
この記事では、空き家の売却と賃貸それぞれのメリット・デメリットや注意点などを解説します。

空き家を「売る」か「貸す」か、どう判断するべき?

●ポイント①将来空き家に戻りたいかどうか

空き家を売るか貸すか悩んだとき、一つの指標になるのが将来空き家に戻ろうと考えているかどうかです。
不動産は一期一会の資産なので、売ってしまうとほとんどの場合、全く同じものを入手できません。
数年後、または十数年後に空き家へ戻ってきて暮らしたい、家を建て替えて移住したいと考えているなら、不動産を売却せず賃貸に出して維持すると良いでしょう。

●ポイント②賃貸の需要を満たせる物件かどうか

二つ目のポイントは、そもそも賃貸向きの物件かどうかです。
賃貸に出したいと考えても、客観的に見て借りたいと考える人の少ない立地や間取り、エリアだと入居者を確保できません。
また、老朽化の激しい築古物件なら、リフォームや修繕工事で数百万円規模の投資が必要になってきます。
貸し出したとしても入居者を確保できなかったり、地域の家賃相場が安いため初期投資を回収できる見込みがなかったりする場合は、思い切って売却しましょう。

●ポイント③賃貸物件経営に興味があるかどうか

最後のポイントは、そもそも賃貸物件経営に興味を持っているかどうかです。
空き家を貸す場合、不動産のオーナーとして大家業をすることになります。
実務を管理会社等に委託するとしても、お金を投資して家賃収入を得ようとする以上、投資や税に関する勉強が必要不可欠です。
数百万円かけて空き家を貸し出し、1年2年と空き室が続けば損失も大きなものになってしまうため、賃貸物件経営に割く時間ややる気があるかも良く考えましょう。

空き家を貸すメリット

●入居者さえいれば家賃収入を得られる

空き家を貸すメリットは、何といっても家賃収入です。
家賃は家計の中で毎月発生する固定費なので、入居者さえ確保できれば毎月一定額のお金が入ってきます。
設備の故障が続くなど、トラブルがなければ何もしなくても副収入が増えるのは大きなメリットといって良いでしょう。
月々数万円の余裕ができれば、家計も楽になります。

●住宅の劣化を防げる

空き家を空き家のまま所有している場合、人の出入りがないため住宅の劣化が進んでしまいます。
そのため、空き家を持っておくなら定期的な換気や清掃が必要不可欠です。
しかし、空き家を貸してしまえば、住人が生活の中で換気をしたり部屋の中を掃除したりしてくれるので、住宅の劣化をある程度抑えられます。
遠方の物件だと、維持管理をしてくれる存在がいるかどうかで維持管理の労力が大違いです。

空き家を貸すデメリット

●入居者探しや対応が必須となる

空き家を第三者に貸すためには、当然入居者を探す必要があります。
個人のツテで入居者を見つけて賃貸借契約を結ぶのは現実的ではないため、空き家を貸す場合は諸々の実務を任せられる不動産業者との契約が必要になるでしょう。
ただし、不動産業者によってどの程度の営業力があるのか、地域の賃貸事情にどの程度詳しいのか等が違います。
不動産業者や管理会社の見極め、入居者からの問い合わせ等に対応する手間がかかるのは、賃貸運用における無視できないデメリットです。

●設備の修繕費や管理費等が必要になる

空き家を他人に貸す場合、設備の修理や交換費用に固定資産税等の維持費は不動産所有者が負担します。
大家業をしていると、給湯器が壊れたなど日常的なトラブルが起きる度に実費でこれらの修理費用を支払うことになるという点にも注意が必要です。
また、入居者が退去した場合、次の入居者を迎えるためのクリーニングや壁紙の貼り直しといった内装の手直しにもお金をかけることになります。

空き家を貸す場合の注意点

●空き室リスクに要注意

空き家を貸す場合の最大の注意点は、空き室リスクです。
不動産の賃貸経営は、基本的に家賃以外のお金が入ってきません。
賃貸の募集を出してから長く入居者ゼロの状態が続けば、当然維持費だけが出ていってしまうため、家を貸すならどうやって入居者を見つけるかまで考えておく必要があります。
また、入居者は不定期で入れ替わるものです。一度、入居者を確保できれば永遠に家賃収入を得られるわけではないので、常日頃から地域の賃貸動向をチェックしておきましょう。

●売り時を逃すと不動産の売却難易度が上がってしまう

貸していた家を自分で使う場合は別ですが、いずれ空き家を売却したいと考えている場合、賃貸として運用する期間が長くなればなるほど売りづらい物件になってしまうため注意が必要です。
不動産は築年数が古くなるごとに売却価格が下がっていきます。
老朽化で近々建て替えが必要になるまで運用された物件は、買い取っても賃貸やマイホームとして利用できないため、売却相手が見つからなくなってしまうのです。
一戸建てなら解体して建て替える、更地にしてから売却するという手も取れますが、集合住宅だと解体等を選べないため維持費の負担が増えてしまいます。
今後も住む予定がないなら、いつ売却するかという出口戦略も検討しておきましょう。

●毎年確定申告をする必要がある

空き家を貸して家賃収入を得ると、毎年確定申告という手続きが必要です。
売上によっては所得税等の納税が必要ですし、確定申告や日々の経理などを税理士に頼むと料金がかかります。
年度によって税制が変わったり利用できる税の特例が増えたり減ったりするので、空き家を貸す場合は本格的な副業を始めるくらいの心づもりでいたほうが良いでしょう。

空き家を売るメリット

●売却代金として現金を手にできる

空き家を売るメリットは、多額の現金を得られることです。
物件によっては数千万円のお金が口座に入ってきます。
お金に余裕があれば、家を買ったり投資を始めたり、家族との時間やお子さんの教育、趣味等でもできることが増えるため、まとまったお金が欲しい方は売却がおすすめです。
マイホームや亡くなった親の実家などの売却であれば、税の特例を使った大幅な節税もできます。

●維持・管理の手間や支払いから解放される

家を手放してしまえば、定期的に空き家へ通って掃除をしたり、災害が訪れる度に様子を見に行ったりする必要がありません。
また、固定資産税や住宅の修繕費といった維持管理費用の負担も不要です。
もちろん売却手続きにも時間はかかりますが、金銭的にも手間という面でも負担から解放されるのは大きなメリットといって良いでしょう。

空き家を売るデメリット

空き家を売るデメリットは、同じ住まいや同じ土地を手に入れるのが難しいことです。
もし将来買い戻したいと思っても、他の所有者が家を建てていたり事業に利用されていたり、区画整理等でそもそも土地がなくなっていたりする場合もあります。
一度、手放した不動産は二度と手に入らないケースが多いので、空き家を売る場合は本当に売って良かったと数十年後も思えるかどうかを考えた上で手続きを進めましょう。

空き家を売る場合の注意点

空き家を売る場合の注意点は、不動産業者次第で売却結果が変わってしまうこと。
不動産業者にも経験や売却実績の差がありますし、営業マンとの相性によっては期待した金額で売れずに不満を抱えてしまうため、不動産売却ではとにかく信頼できて実績のある業者を見つけることが重要です。
相見積もりを取ったり、不動産業者の見分け方を調べたりして、相性の良い不動産業者を見つけましょう。

空き家のまま保有する選択肢はアリなのか?

空き家のまま、売ったり貸したりせずに家を保有し続けるのも、選択肢としては十分アリです。
空き家のままにしておけば好きなタイミングで好きなように利用できますし、地元の拠点として使ったり、趣味に打ち込む空間としてリフォームしたりしても良いでしょう。
ただし、定期的な管理や清掃は必須になりますし、家を持っている以上固定資産税などの維持費がかかるため、維持費や清掃の負担をどこまで我慢できるかで結果が変わってきます。

空き家を売る場合と貸す場合のシミュレーションの比較

仮に、ローンなしの物件を2,500万円で売却した場合、大まかな収支は以下の通りです。

  • 不動産売却代金:2,500万円
  • 仲介手数料:81万円
  • 印紙税:1万円
  • 登記の手数料:1万円

実際には司法書士の依頼料を払ったり、ローンがあると繰り上げ返済手数料を負担したりするため人それぞれですが、大まかに計算すると2,417万円手元に入ってくることになります。

一方、同じ物件を200万円でリフォームし、家賃10万円で10年運用した場合の収支を考えてみましょう。
修繕費や管理費といった各種維持費は家賃の2割、空き室リスクなどを考えて、年間の2割程度は空き室が出るとします。
また、10年後の不動産売却価格は2,000万円です。

  • 家賃収入:960万円
  • リフォーム費用:200万円
  • 維持費:240万円
  • 不動産売却代金:2,000万円
  • 仲介手数料:66万円
  • 印紙税:1万円
  • 登記の手数料:1万円

差し引きすると、10年後の利益は2,452万円です。
家賃が高かったり、賃貸として運用する期間が長かったりすれば利益も増えていきます。
賃貸運用は長い時間をかけて黒字を目指すビジネスなので、10年20年と長期で住まいとして使える物件かどうかも判断の目安にすると良いでしょう。

まとめ

住まない不動産を売るべきか貸すべきかについては、「運用して利益を出せるのか」「売りたくない事情があるのか」などで変わってきます。
売った場合と貸した場合どちらがお得かを判断するためには、適正な賃料や売却価格の査定を受けるのが一番です。
不動産業者の査定は無料で受けられますし、どちらの選択をするにしろ業者の協力が不可欠です。
まずは不動産業者を探して空き家の査定を受けましょう。

 

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