column 767. 買う&売る

どれがおすすめ?一般・専任・専属専任媒介契約の違いと選び方

2021.10.11

どれがおすすめ?一般・専任・専属専任媒介契約の違いと選び方

不動産を売るときに、売り主が不動産業者と交わす契約のことを、「媒介契約」と呼びます。

媒介契約は、1種類ではありません。
契約内容や縛りの多さによって、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類に分かれています。

それぞれ特徴やメリット・デメリットが違うため、不動産業者と契約するときは、「自分の不動産はどの媒介契約で売り出したほうが良いのか」を考えることが重要です。

今回は、一般・専任・専属専任媒介契約の違いと、どの媒介契約を選べば良いのかを解説します。

媒介契約とは?

媒介契約とは、不動産を売るときに不動産業者と交わす契約のことです。
多くの方にとって聞き馴染みのない名称ですが、媒介とは「仲介」のことを意味します。
簡単にいうと、不動産を売るために必要な宣伝広告等、契約のサポートを不動産業者へお願いする代わりに、仲介手数料を支払うという契約です。
不動産を業者経由で売却する場合、必ず締結する契約なので、不動産を売るなら媒介契約の中身を押知っておく必要があります。

一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違い

●一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違い

媒介契約の中身は、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類です。
各媒介契約の違いをまとめると、以下のようになります。

一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
他社との同時契約 あり なし なし
自分で買い主を見つける OK OK NG
レインズへの登録義務 なし あり(7日以内) あり(5日以内)
売り主への定期報告義務 なし あり(2週間に1回以上) あり(1週間に1回以上)
契約期間 自由 最長3ヵ月 最長3ヵ月

●一般媒介契約の特徴

一般媒介契約は、媒介契約の中で、最も売り主・不動産業者双方の縛りがゆるい契約形態です。
不動産業界において、取引の仲介で報酬を得られるのは、「買い主を見つけてきた不動産業者」だけ。
仲介手数料自体、買い主を見つけた後に支払う成功報酬なので、不動産業者Aがいくら物件の宣伝広告にお金を注ぎ込んでも、競合他社のB社経由で買い主が見つかった場合、不動産業者Aは1円も得られません。
そのため、不動産業者と交わす媒介契約は、「同時に契約するのは1社だけ」という条件になっているのが一般的です。

しかし、一般媒介契約には、「ほかの業者と同時並行的に媒介契約を結ばないでください」という条件がありません。
売り主が自分で買い主を見つけてきても構いませんし、他社と一般媒介契約を結んでも良いという内容になっています。
その代わり、不動産業者専用の物件情報データベース、レインズへ物件情報を登録する義務がなく、「前回からこういう方法で不動産を売るための活動をしています」と売り主に報告する義務もないのです。
また、一般媒介契約は、契約期限の上限もありません。

●専任媒介契約の特徴

専任媒介契約は、一般媒介契約の制限を少し強めた内容となっています。
契約内容の特徴は、以下の通りです。

  • 一度に契約できるのは1社だけ
  • 売り主が自分で買い主を見つけてきても良い
  • 不動産業者は媒介契約の締結後、7日以内に物件情報をレインズに登録する義務を負う
  • 不動産の売却活動について、売り主へ2週間に1回以上報告する義務を負う

特定の業者経由で買い主を見つけると約束する代わりに、レインズへの登録義務や定期的な報告義務を業者側が負ってくれます。

レインズへの登録や売り主への定期報告は、宅地建物取引業法で定められたルールです。
専任媒介契約を交わした後、業者側が義務を果たしていなかった場合、業者を訴えたり媒介契約の解除を求めたりできます。
こうした義務があるのは、不動産売却について、業者と一般人である売り主の間に、知識や経験の差があるからです。
法律で業者側に枷をかけることで、知識のない不動産の売り主や買い主がだまされないよう、保護しています。

また、不当な契約内容を結んでしまっても逃げられるように、専任媒介以上の媒介契約は、契約期間が最長3ヵ月と決められている点も、特徴です。
3ヵ月で契約が終了するので、仮に悪徳業者にだまされて媒介契約を結んでしまっても、再契約さえしなければ、悪徳業者との関わりを断てます。
専任媒介や専属専任媒介契約を継続したい場合、3ヵ月ごとの再契約が必要です。

●専属専任媒介契約の特徴

専属専任媒介契約は、媒介契約の中で、最も売り主・業者の双方が重い義務を負う契約内容となっています。

  • 他社とは媒介契約を結べない
  • レインズへの登録義務がある
  • 売り主への定期報告義務がある

という点では、専任媒介契約と同じですが、

  • レインズへの物件情報登録は、契約締結後5日以内
  • 売り主への定期報告は1週間に1回以上

ことが大きな違いです。

また、一般媒介・専任媒介では認められていた、「売り主が自分で買い主を見つけてくる」という行動も、専属専任媒介契約では認められません。
制限が厳しい分、より手厚い不動産売却のサポートを受けられるようになっています。

一般媒介のメリット・デメリット

●一般媒介契約のメリット

一般媒介契約のメリットは、一度に複数の業者へ買い主探しを依頼できることです。
仲介の報酬である仲介手数料を手にするのは、買い主を見つけてきた業者だけなので、売り出す物件によっては各業者が競い合い、より良い条件の良い買い主を探してくれます。
各業者が見つけてきた買い主の中から、気に入る買い主を選べるので、人気のある不動産を売るときに効果的です。

●一般媒介契約のデメリット

一般媒介契約のデメリットは、レインズへの登録や定期報告義務がないこと。
他社経由で買い主が見つかった場合、不動産業者は仲介手数料を得られないので、一般媒介だと物件の宣伝広告を後回しにされる可能性があります。
また、同時に複数の不動産業者と契約するため、各業者とのやり取りや情報の管理も大変です。
定期報告の義務がなく、本当に売却のサポートをしてくれているのか、確認するのが難しいという問題も無視できません。

専任媒介のメリット・デメリット

●専任媒介契約のメリット

専任媒介のメリットは、一般媒介契約よりも積極的に物件の売却活動をしてもらえることです。
契約した業者が必ず仲介手数料を得るため、一般媒介契約よりも宣伝広告に力を入れてもらえます。
一定期間内にレインズへ物件情報が登録されるので、「実は不動産の広告自体がそもそもされていなかった」という心配もなく、定期報告義務があるので、買い主探しが順調かどうかを自分で聞きに行く必要もありません。

●専任媒介契約のデメリット

専任媒介のデメリットは、1社に売却を任せる関係上、契約した業者の実力が不足していると、不動産がなかなか売れないことです。
不動産業者にも得意不得意があるため、扱いの苦手な不動産の売却を任せた場合、売れ残ったり売却価格が下がったりすることも十分に考えられます。
また、他社で買い主を探せないことを逆手に取って、売り主・買い主の両方から仲介手数料を取るために、他社経由の問い合わせを断る悪質な行為、「囲い込み」の被害に遭うリスクもあります。

専属専任媒介のメリット・デメリット

●専属専任媒介契約のメリット

専属専任媒介のメリットは、契約した不動産業者から全力で売却をサポートしてもらえることです。
専属専任媒介契約は、契約後5日以内にレインズへ登録する義務があり、売り主への定期報告も1週間に1回以上と決まっています。
スタッフ側の負担が重い分、優先的に売却活動を進めてもらえるのです。
また、こまめに売却活動の進捗を知らせてもらえるため、売却に関して気になることをいつでも質問・相談できるというメリットもあります。

●専属専任媒介契約のデメリット

専属専任媒介のデメリットは、契約する不動産業者の実力任せになってしまうこと。
もし、契約した業者に十分な営業力がなければ、専属専任媒介契約を交わしても不動産を良い条件で売れません。

また、売り主がたまたま自分で買い主を見つけても、専属専任媒介を交わした業者経由で売買契約を結び、仲介手数料を支払うことになります。
売り主側の自由が一部制限されてしまうという点では、注意が必要です。

媒介契約はどれを選ぶべき?

●好立地・好条件の物件は一般媒介

駅前や都心部、人気のある住宅地などの不動産は、一般媒介契約が向いています。
需要のある不動産は、一般媒介で複数の不動産業者に広告してもらった方が、より早く・より高く売れる可能性が高いからです。
また、一つの業者に縛られないので、仮に営業力の低い業者と契約しても、ほかの業者経由で買い主を見つけられるというメリットもあります。

●こだわりがなければ専任媒介

不動産売却に「不動産業者を競わせて高く売りたいから一般媒介」「こまめに報告して欲しいので専属専任媒介」といったこだわりがなければ、専任媒介契約を交わしましょう。

一般媒介より自由はなくなりますが、自分で買い主を探せますし、売り主への定期報告義務もあり、レインズにも物件情報を登録してもらえます。
契約する業者を絞る分、十分な売却のサポートを受けられるため、迷ったときは専任媒介契約がおすすめです。

●不動産業者の手厚いサポートが必要なら専属専任媒介

不動産売却を手厚くサポートして欲しい、忙しいので不動産売却を全面的に任せたい、自分で買い主を見つけてくる予定がないという方には、専属専任媒介契約をおすすめします。

また、専属専任媒介だと、不動産業者が本腰を入れて売却活動をしてくれるため、築古や郊外の物件といった、売却難易度の高い不動産も売却しやすいです。

まとめ

媒介契約には、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類があり、それぞれ役立つシチュエーションが違います。

ただし、媒介契約を結ぶ不動産業者の実力が低いと、どの媒介契約を結んでも満足の行く売却結果になりません。
不動産売却で重要なのは、信頼でき、売却を任せたいと思う業者と契約することです。
不動産を売るときは、複数の業者から見積もりを取り、対応や実績を比較した上で、業者と媒介契約を決めましょう。

 

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