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住宅ローンとカーローンは併用できる?複数ローンの影響とは

2021.06.02

住宅ローンとカーローンは併用できる?複数ローンの影響とは

住宅ローンを組む際に、多くの住宅購入者を悩ませるのが、「他のローンを組んでいたらどうなるの?」という疑問です。たとえば、比較的借り入れ額の高いカーローンをすでに組んでいる場合、住宅ローンを利用できなくなったり、借入可能額が減ったりすることはあるのでしょうか。

今回は、住宅ローンにカーローンを組み合わせた場合の影響について解説していきます。

ローンを組む上で重要な返済負担率

●収入の何%を返済にあてているかを示す割合のこと

結論からいうと、住宅ローンとカーローンは併用可能です。ただし、住宅ローンも無制限にお金を借りられるわけではないため、ローンを併用する場合は「自分の年収で総額いくらまで借りられるのか」を考える必要があります。

そこで役立つのが、「返済負担率」という考え方です。返済負担率とは、「年収の何%を返済にあてているのか」を示したパーセンテージのこと。年収400万円の世帯が年間200万円を返済する状態なら、返済負担率は50%になります。収入に対してローンの支払い額が多すぎると、そもそも生活が成り立たなくなり、継続的な返済ができないため、住宅ローンを提供している金融機関では返済負担率に上限を設けているのが一般的です。そして、返済負担率は、住宅ローンに限らずカーローンや消費者金融といった借り入れの返済すべてを含めて計算します。

ローンを併用するなら、「住宅ローンとカーローンを合わせた返済負担率が一定割合以下」になるよう調整する必要があるのです。

●フラット35の返済負担率制限

長期固定金利の住宅ローンとして人気のあるフラット35では、ローンの利用条件として返済負担率を以下のように制限しています。

  • 年収400万円まで:返済負担率30%以下
  • 年収400万円以上:返済負担率35%以下

返済負担率は、

  • 返済負担率=一年間のローン返済総額÷年収×100

という式で計算可能です。上記の式を利用して、年収別に年間・毎月いくら住宅ローン返済にあてられるのかを計算してみましょう。

年収 年間返済額 毎月返済額
400万円 120万円 10万円
500万円 175万円 約14万6,000円
600万円 210万円 17万5,000円
700万円 245万円 約20万円

ご覧の通り、年収が高くなればなるほど返済にあてられる金額に余裕を持てるようになります。ただし、年収がいくらあっても、住宅ローンやカーローンなどを含めた月々・年間のローン支払い額が返済負担率を越えると、住宅ローンを利用できません。

自動車ローンの有無による住宅ローンの借入可能額の違い

住宅ローンとカーローンは併用可能ですが、月々の返済額を返済負担率以下に抑える必要があります。では、すでに自動車ローンを返済している場合、具体的に住宅ローンの借り入れ可能額がどれくらい増減するのかも押さえていきましょう。

例題として利用する住宅ローンの借り入れ条件は、

  • 35年ローン
  • 全期間固定金利1.62%
  • 元利均等返済方式
  • ボーナス返済なし

です。上記の条件で、「カーローンの月々返済額が1万円または4万円の場合、住宅ローンの最大借り入れ額がどうなるのか」を年収別にまとめると、以下のようになります。

○年収400万円

カーローン返済額 住宅ローン借入可能額
0円 3,738万円
1万円 3,417万円
3万円 2,776万円

○年収500万円

カーローン返済額 住宅ローン借入可能額
0円 4,672万円
1万円 4,352万円
3万円 3,711万円

○年収600万円

カーローン返済額 住宅ローン借入可能額
0円 5,607万円
1万円 5,286万円
3万円 5,286万円

○年収700万円

カーローン返済額 住宅ローン借入可能額
0円 6,541万円
1万円 6,221万円
3万円 5,580万円

月々1万円のカーローンを利用しているだけで、借りられる住宅ローンの金額は数百万円小さくなってしまうのです。カーローンの多くは、3~7年程度で完済できるものですが、借り入れの時点でカーローンが残っていると住宅ローンの融資は受けづらくなります。できれば、ローンを併用しないに越したことはありません。

また、返済負担率30%を越える返済額を設定したり、借入可能額の上限に近い額の住宅ローンを組んだりすると、返済が大変です。現実的に考えれば、安定した返済と生活の維持を両立させやすいラインは返済負担率20~25%程度なので、実際の借り入れ額は上限額よりも低く見積もりましょう。

すでにローンを組んでいる場合はどうすればいい?

●自動車ローンを完済してから住宅ローンの申し込みをする

カーローンを組んでしまっている場合、おすすめしたいのは自動車ローンの完済です。住宅ローン以外の借り入れをゼロにしてしまえば、返済負担率や借り入れ上限額に余裕を持てるようになります。3,000万円借りられる状態で2,000万円のローンを組むよりも、3,500万円借りられる状態で2,000万円のローンを組む方が審査に落ちる可能性を下げられるので、ローンを整理してから住宅ローン審査に申し込みましょう。

なお、頭金などで貯蓄に余裕があるなら、手元のお金を使ってカーローンを繰り上げ返済するのもおすすめです。住宅ローンとカーローンを比べた場合、住宅ローンの方が圧倒的に低金利なので、抱えるローンの額が同じなら、住宅ローンの比率を高めた方がお得になります。

●家づくりの予算を抑えて住宅ローン借り入れ額を下げる

手持ちの預貯金に余裕がなく、車を現金で買ったりカーローンを一括完済できなかったりする場合におすすめしたいのが、住宅ローン利用額の調整です。住宅ローンの借り入れ額を当初の想定よりも低く抑えて、返済負担率や借り入れ上限額を下回るように調整すれば、住宅ローンとカーローンを併用できます。

ただし、ローンは併用すればするほど月々の支払い額が大きくなってしまうため、あくまでも生活に支障をきたさない金額に抑えることを意識しましょう。住宅ローンは約30年かけて返済していく長期のローンです。毎月節約しながら何とか返済できる額のローンを組んでしまうと、家を建てても遊びや趣味、家族とのお出かけ等にお金をかける余裕がなくなってしまいます。家を買った後の生活を楽しむためにも、借入総額と返済負担率の調整は必須です。

●使っていないクレジットカードを解約する

もし、作ったのは良いものの現在使っていないクレジットカードを持っているなら、解約してしまいましょう。クレジットカードのショッピング枠やキャッシング枠も、「借り入れ上限額」にカウントされてしまうからです。限度額30万円のクレジットカードを3枚所有していると、それだけでローンの借入可能額が90万円減ってしまいます。場合によっては、過去の利用歴から普段使っていないクレジットカードの利用枠が増額されているケースもあるため、住宅ローンの申し込みをするときは解約できるクレジットカードがないかチェックしましょう。

複数のローンを組むときに覚えておきたいこと

●返済負担率を20~25%に抑える

複数のローンを組む場合、まずは返済負担率を年収の20~25%に抑えることが重要です。住宅ローンの審査基準である「返済負担率30%前後」という数値は、あくまでもどうにか返済していける上限額に近いものなので、安易に返済負担率の高いローンを組むと生活が苦しくなってしまいます。カーローンや教育ローンなど、複数のローンを利用していると、返済負担率が分からなくなってしまいがちなので、住宅ローンを利用するなら家計の収入と支出を細かくまとめて、年収の何%をローン返済に回しているのか計算しましょう。

●ローンを併用しすぎない

住宅ローンを利用する際に、複数のローンを併用しようと考えている場合は、ローンの種類を増やさないようにする必要があります。なぜなら、併用するローンの種類が増えれば増えるほどローン管理の手間が増え、ローンを滞納したときのリスクが大きくなってしまうからです。基本的に、ローンは借り入れなので、滞納すると家を差し押さえられたり金融機関のブラックリスト入りしたりしてしまいます。長く続いていく人生の中で、金融事故を起こして約10年クレジットカードやローンを利用できなくなるのは、無視できない損失といって良いでしょう。それぞれのローンを後何年返済するのか、現在どこまで返済が進んでいるのかを把握しやすくするためにも、併用するローンの種類を抑えましょう。併用しているローンの数が少なければ、将来別のローンを組む際の返済負担率計算も楽になります。

●総借入額を低く抑える

ローンを併用する場合、住宅ローンを含む各種ローンの借り入れ額を低く抑えることも重要です。住宅ローンは一般的に利用できるローンの中でも特に低金利のサービスですが、借り入れ額が1,000万円を越えてくるため、金利の負担も無視できません。借りられるからといって返済能力の上限に近いローンを組み合わせると、生活していくだけで精一杯になってしまうので、新居の予算はなるべく抑えましょう。

ただし、ローンの負担を減らすために、新居の住み心地を妥協しては本末転倒です。重要なのは家を買って快適な生活を送ることなので、不動産業者と相談して無理のない範囲でのコストカットを図りましょう。

すべてのローンをまとめる方法はある?

住宅ローンとカーローンは、それぞれあくまでも「家を買うためのローン」と「車を買うためのローン」です。そのため、「住宅ローンにカーローンの残債を上乗せして借りる」といった方法は取れません。住宅ローンとして借りたお金で車を買うと、ローンの規約違反となり、ローン残債の一括完済等を求められてしまうため、住宅ローンは住宅ローン、カーローンはカーローンとして利用しましょう。

まとめ

住宅ローンとカーローンは、返済負担率が30%から35%以下に収まっていれば併用可能です。

ただし、カーローンがあると借入可能額の上限が下がってしまいますし、住宅ローンとカーローンの両方を返済していくのは大変なので、基本的にはおすすめできません。カードローンを併用するなら、住宅ローンの審査前にカーローンを完済したり、住宅用の頭金を使って車を現金で購入したりする方がお得です。借りすぎに気をつけて、無理なく返せるローンを組みましょう。

 

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