column 723. 買う&売る

ローコスト住宅のメリット・デメリットや中古リノベとの比較

2020.11.04

ローコスト住宅のメリット・デメリットや中古リノベとの比較

ローコスト住宅のメリットは、戸建てを安く新築できることです。
一方で、ローコスト住宅は、コストを抑えている分、間取りや仕様の自由度が制限されますし、高価格住宅に比べて住宅性能も高くはないなど、デメリットも存在します。

誰もがローコスト住宅で満足できるわけとは限りません。
安さを重視するなら、中古住宅をリノベーションするという手もあります。
今回は、ローコスト住宅の特徴から、メリット・デメリット・中古+リノベ物件のとの比較まで、家を買う前に知っておきたい情報を押さえましょう。

そもそもローコスト住宅の定義とは?

ローコスト住宅の定義は、坪単価30万円前後、1,000万円台で建築できる新築住宅です。
自由度が高い分、価格も高くなりやすい注文住宅よりも安く家を買えるため、若年層や初めてマイホームを買う方を中心に人気を集めています。

ただし、不動産の世界で、ローコスト住宅について明確に定義されているわけではありません。
「ローコスト住宅」を売りにしている工務店やハウスメーカーの中にも、価格帯や住宅性能、こだわりなどに差があるため、各業者の特徴や強みを調べ、比較することが重要です。

ローコスト住宅が他の家よりも安い理由

ローコスト住宅は、以下のような工夫で価格を抑えています。

  • シンプルな間取りを採用して設計費や施工期間を圧縮
  • 同じ仕様の家を大量に建てることで建材を大量発注してコストダウン
  • 口コミなどに頼った営業スタイルで広告費をカット

使いやすく建てやすいシンプルな設計・間取りに統一し、同じ規格の家を大量に建てることで、価格と品質を安定させているケースが多いです。

ローコスト住宅のメリット

●ローンを組みやすく若くてもマイホームを持てる

ローコスト住宅が持つ最大のメリットは、1,000万円台でマイホームを建てられるという圧倒的な安さ。
価格が安いため、高額な住宅ローンを組む必要がなく、借入額が少ないので、ローン審査にも通りやすいです。
また、持ち家の良いところは、賃貸と違って好きにDIYしたりリフォームしたりできること。
上下階の住民に気を使う必要もありませんし、予算次第で駐車場や庭も確保できます。

●新築でも比較的工事期間が短い

ローコスト住宅は、シンプルな設計なので、施工期間が比較的、短いです。
具体的な工事期間は業者や季節などによっても変動しますが、ローコスト住宅なら着工してから2から3ヵ月後には新居が完成します。

一般的な注文住宅だと、仕様を決めるための時間なども必要になるため、引き渡しまで半年以上かかることも珍しくはありません。
工期が短い分、仮住まいの費用も節約できるためお得です。

●本体価格を抑える分、お金をかけたい場所にこだわれる

ローコスト住宅は、お金をかける場所とそうでない場所の切り分けがしやすいというメリットもあります。
たとえば、デザインや間取りをシンプルにする代わりに、ハイグレードのキッチンを導入したり、家で使う家具や家電にお金をかけたりすれば、同じ金額でもより快適な新生活を送れるでしょう。
人それぞれ、家を建てる際にこだわりたいポイントは違います。
予算内で理想の住まいに近づけたい方にとって、ローコスト住宅は魅力的な選択肢です。

●仕様が固まっているため悩まなくて良い

家を建てる場合、デザインや仕様、設備のグレードに壁紙など、さまざまな項目を施主が決める必要があります。

しかし、家についてあれこれ調べ、どれが良いのか決めていくのは、想像以上に大変です。
実は、「マイホームを欲しいとは思っているものの、あまりこだわりはない」という方も少なくありません。
ローコスト住宅なら、ある程度決まった仕様の中から好みのものを選べるため、家作りの手間を省けるというメリットがあります。

●間取りがシンプルで住みやすい

ローコスト住宅は、コンパクトかつシンプルな間取り・仕様が多いので、暮らしやすいです。
面白みがないと感じるかもしれませんが、基本的に家は形や間取りがシンプルな方が、家具も置きやすく、動線も整理しやすくなります。
また、間取りがシンプルだと、リフォームやリノベーションもしやすいため、たとえば家族構成に合わせた間取りの変更なども可能です。

ローコスト住宅のデメリット

●デザインや間取りの選択肢が少ない

ローコスト住宅は、コスト削減のため、ある程度、決まったデザインや仕様の中から選ぶ形になっています。
注文住宅等に比べると、「こういう家にしたい」という希望を通しづらく、カスタマイズできる範囲が限られるため、注意が必要です。
また、デザインなども規格化されている関係上、同じ会社の他の物件と似たような住まいになってしまい、個性を出しづらいというデメリットも存在します。

●耐震性や断熱性といった住宅性能は必要最低限

ローコスト住宅の耐震性・気密性・断熱性・防音性といった住宅性能に関しては、必要最低限です。
建築基準法をクリアしているため、一定以上の快適さは保証されていますが、たとえば断熱性を高めて省エネ住宅にしたいと考えた時に追加で費用がかかったり、そもそも要望を実現できなかったりすることがあります。
高性能住宅向けの節税特例や補助金など、ローコスト住宅だと一部制度を利用できない点も、デメリットです。

●標準仕様で選べる設備のグレードが低い

ローコスト住宅は、標準仕様が安く抑えられている分、オプションが割高になりやすいというデメリットを抱えています。
多くの場合、標準仕様の設備は、必要最低限の機能やデザインです。
設備として問題はありませんが、多くの方は、「せっかくのマイホームだから」と考えるもの。
食洗機やおしゃれなシステムキッチンといったオプションを見ていると、ついオプションを追加したくなってしまいます。
しかし、無計画にオプションを追加すると、簡単に予算オーバーしてしまうので、ローコスト住宅を選ぶ際は、予算と要望のバランスを取ることが大切です。

●原価が安い分劣化も早い

ローコスト住宅は、少しでもコストを抑えるため、安価な建材が使用されています。
安価な建材の問題点は、高耐久である程度価格の高い建材と比べて、劣化しやすいことです。
新築時点ではきれいでも、劣化が早いとメンテナンスの頻度が増えるため、トータルコストは高くなる可能性があります。
ローコスト住宅を買うなら、修繕費用の積み立ても考慮しておきましょう。

ローコスト住宅が向いているのはこんな方

ローコスト住宅は、以下のような方に向いています。

  • 初めてのマイホーム購入で予算を抑えたい
  • 住みやすければデザインや間取りにこだわらない
  • 今住んでいるマンション・アパートよりも広い家に住みたい

基本的に、支払う金額が同じなら、賃貸より持ち家の方が広くて快適広いです。
また、若い間にローコスト住宅を建て、家作りの経験値を積めば、将来建て替えたり別の家を建てたりする時、1棟目で後悔した点を改善できます。

ローコスト住宅以外を選んだほうが良いのはこんな方

一方で、ローコスト住宅以外を選んだ方が良いのは、以下のような方です。

  • デザインや間取りにこだわりがある
  • 家族やライフスタイルに合わせて家をカスタマイズしたい
  • 省エネ住宅など高性能で長持ちする家が欲しい

ローコスト住宅の標準仕様やオプションで、実現できない家を欲しいと考えているなら、ローコスト住宅以外の選択肢を探しましょう。。

ローコスト住宅を選んで後悔しないための注意点

●新居の優先順位を決めておく

ローコスト住宅の満足度を高めるためには、ある程度の取捨選択が不可欠です。
無闇にオプションを付けると予算オーバーしてしまうため、「最低限ここは妥協したくない」というポイントを決めてから、新居のプランを練りましょう。
優先順位を持っていれば、どこにお金をかけるか迷ったとき、より後悔しない判断ができるようになります。

●本体価格ではなく総額を計算する

ローコスト住宅の本体価格は安価ですが、本体価格=支払い総額ではありません。
家を買う際に重要なのは最終的に支払う金額なので、ローコスト住宅を選ぶ際は、土地代や庭・外構等の付帯工事費用、オプション料金などを含めた総額を計算しましょう。
総額を計算する癖を付けていると、「予算2,000万円だったのに、2,500万円必要」といった事態を防げます。

●標準仕様が充実している工務店・ハウスメーカーを選ぶ

ローコスト住宅の仕様は、工務店やハウスメーカーによって千差万別です。
耐震性に力を入れている業者もあれば、デザインに力を入れている業者もあるため、標準仕様で満足できる施工会社を選びましょう。
標準仕様の満足度が高ければ、オプションを追加する必要がありません。
出費を抑えられますし、複数の施工会社を比較することで、よりデザインや間取りが好みに合うハウスメーカーと出会える可能性も高くなります。

●保証やアフターサービスの充実した施工会社を選ぶ

ローコスト住宅を選ぶときは、保証やアフターサービスの手厚さを重視しましょう。
最低限の保証は、法律で義務付けられていますが、定期的な点検や設備の保証などは、会社ごとに異なります。
家そのものや設備関係のトラブルは、生活に大きな影響を与える上に、修繕費用が高かったり、修理部品の取り寄せに時間がかかったりするケースも多いです。
トラブルが起きたとき、頼れる相手がいるかどうかで被害が大きく変わるため、保証内容や条件は必ず事前に確認しましょう。

●会社の評判や利用者のレビューを調べる

ローコスト住宅の購入後に後悔するのが、完成した住宅の品質が想像以上に低い、手抜き工事ですぐに不具合が出た、何かあった時の対応が悪いといったケースです。
そこで重要なのが、工事を頼む前に会社の評判や利用者のレビューを徹底的に調べること。
モデルハウスのない施工会社だと、完成した住宅を自分の目で確認するのが難しいため、ネットの口コミや近所に住んでいる知り合いの評判を調査して、信頼できる業者を選びましょう。

安さ重視なら中古+リノベーションの方が良いパターンも

●中古リノベ物件がローコスト住宅より優れている点

中古物件を買ってリノベーションをするという選択のメリットは、ローコスト住宅よりも立地の良い物件を押さえやすく、なおかつ間取りや設備も自由に変えられることです。
利便性の高いエリアや人気のエリアには、条件の良い空き地が少ないため、ローコスト住宅を選ぶと多くの場合郊外に住むことになります。

しかし、すでに駅近など便利な場所にある物件を買い取ってリノベーションすれば、立地の良さと暮らしやすさを両立可能です。
また、リノベーションなら、好みの家を新築するよりも安く、好きなデザイン・間取り・設備の家を手に入れられますし、中古物件なので内覧すれば日当たりや風通しの良し悪しなども確認できます。

●中古リノベ物件のデメリット

一方、中古リノベ物件のデメリットは、中古住宅の状態によって、どの程度の工事が必要になるのかが変わることです。
もし、耐震基準が現行法をクリアしていなかったり、シロアリ被害で基礎がボロボロになっていたりする場合、高額な修繕費がかかるので、中古物件そのものの調査や見極めが必要になります。

また、中古住宅は、新築よりも担保価値が低いため、住宅ローンを組みづらいです。
リノベ費用と住宅購入費をまとめて借りられるリフォームローンも、住宅ローンより金利が高いので、金利負担や工事費用の見積もりは慎重に行いましょう。

●中古+リノベ住宅はどんな方におすすめ?

もし、ローコスト住宅の自由度の無さに不満がある、またはローコスト住宅よりも立地の良い場所に家を持ちたいなら、中古+リノベがおすすめです。
新築と違って、事前に日当たりや風通しなどもチェックできますし、リノベーションなら大掛かりな工事でも1~2ヵ月で終わります。
限られた予算で、最大限こだわりや理想を追求できる方法なので、ローコスト住宅とどちらが自分に合っているのかを比較して、より満足度の高い方を選択しましょう。

まとめ

ローコスト住宅の魅力は、低価格の新築戸建てを3~4ヵ月で手に入れられることです。
ただし、コストを抑えている分、間取りの自由度等は低いので、「こういう家に住みたい」という明確な理想像があるなら、中古+リノベ物件も候補に入ります。
家を買う時に大切なのは、自分達がどのような家なら満足できるのかを考え、より満足できる選択をすることです。
家を買ってから後悔することのないように、「どんな家に住みたいのか」「家を買った後どういう生活をしたいのか」を家族と相談して、マイホームを手に入れましょう。

 

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