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新築住宅の保証ってなに?保証の種類や期間

2020.10.13

新築住宅の保証ってなに?保証の種類や期間

新品で買った商品にメーカー保証があるように、新築住宅にも購入後一定期間修理費用等を補償してくれる住宅保証が存在します。

ただし、新築住宅の保証には、法的に義務付けられたものと、各ハウスメーカーから独自に提供されているものがあり、具体的にどういった保証を受けられるのかは住まいの購入先であるハウスメーカー次第です。
価格が安く、デザインがおしゃれでも、アフターサポートが貧弱だと何十年も安心して暮らしていけません。

そこで今回は、新築住宅にはどのような種類の保証があるのか、保証の範囲はどこからどこまでで、保証期間は何年なのかといった住宅保証の基本をお伝えします。

新築住宅に対する保証の種類

●住宅の保証は「基礎」の「内装・建具」の2種類に分けられる

新築住宅に対する補償の種類を考えるうえで、重要なのが補償範囲の違いです。
住宅保証には、柱や梁といった「基礎」に対する保証と、壁紙クロスやキッチン設備といった「内装・建具」に対する保証に分かれます。
新築住宅の保証を比較するときは、記載されている保証がどちらを対象にしているのかを区別することが大切です。

●住宅の基礎を保証してくれる法律で定められた「瑕疵担保責任保証」

新築住宅購入後の保証の中で、最も金額的に大きいのが「瑕疵担保責任保証」という保証。
名前が小難しいため初めて目にした人も多いと思いますが、簡単にいうと「住まいの基礎に問題があったら、一定額まで施工会社に補償してもらえる」という内容です。

たとえば、新築した時点で柱の長さが足りず、一部の柱が傾いている場合、当然のことながら新築の買い主には責任がありません。
ただ、法的な保証がないと、「そんな不具合など知らない」といわれた場合、消費者が泣き寝入りする羽目になってしまいます。
そのため、消費者保護の意味もあって、瑕疵担保責任保証が法律で義務付けられているのです。
ただし、瑕疵担保責任保証でカバーしてもらえるのは、あくまでも住宅の基礎部分のトラブルだけ。
初期不良に対する保証のようなものなので、故意に家を傷つけた場合などは、保証の対象にはなりません。

●内装・建具への保証を中心とした各ハウスメーカー・メーカーの独自保証

基礎以外の部分は、基本的に各メーカー保証とハウスメーカーから独自に提供されている保証に頼ることになります。
たとえば、新居に導入したシステムキッチンに問題が見つかったら、ハウスメーカーではなくキッチンを作っているメーカーに問い合わせて対応してもらうわけです。
新築住宅に使われる内装材や建具は原則新品ですが、初期不良を起こすこともあるため、問題があったときの問い合わせ先はメモしておきましょう。
なお、新居で使う設備の多くを同じメーカーの製品で揃えていると、万が一の際にも相談をしやすいというメリットがあります。

ハウスメーカーの保証は、会社によってさまざまです。
定期点検の無料化や基礎部分に対する20年以上の長期保証、内装に対する少し長めの保証などを提供しています。

瑕疵担保責任とは?

●法律で定められたハウスメーカー側の保証義務

瑕疵担保責任保証の元となっている「瑕疵担保責任」は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」によって、ハウスメーカー側に課せられている保証義務です。
日本では、新築住宅を売買する際、「売る側」であるハウスメーカーに対して、最低10年間の保証をするよう義務付けています。
ただ、問題のあった新築物件に対する損害賠償等をハウスメーカーが単独で負担するのは、けっして簡単なことではありません。
たとえば、明らかな欠陥住宅が見つかった場合、複数の住居を建て替える費用が必要になるからです。

また、「問題があったらハウスメーカー側が責任を負うように」と法律で定めていても、会社が倒産していたら、買い主は誰にも責任を追求できません。
そのため、新築住宅の瑕疵担保責任保証は、事業者が専門の保険に加入し、仮に不動産会社が倒産していても保証を受けられるようにするというかたちになっています。

●瑕疵担保責任の保証範囲

政府の専用サイトによると、瑕疵担保責任の具体的な保証範囲は以下の通りです。(※1)

  • 家を支える柱となる部分:住宅の基礎・基礎ぐい・壁・柱・床版・屋根板・小屋組・土台、筋かいなどの斜材・はりなどを指す横架材
  • 雨水の侵入を防ぐ部分:屋根・外壁・開口部

買い主は、柱や梁、壁といった基礎構造の瑕疵に対して保証を受けられます。
なお、法律で規定されている補償額は、最大2,000万円です。

●「瑕疵」の具体例を紹介

不動産に関する瑕疵には、以下のようなものがあります。

  • 物理的瑕疵
  • 精神的瑕疵
  • 法的瑕疵

物理的瑕疵とは、「耐震性・耐火性といった住宅の基礎性能が基準値を下回っている」「地盤のゆがみ」「床の傾き」「境界線の確定が不十分」といった、物理的な要因による土地・建物の欠陥です。
不動産は、プロから見れば欠陥住宅でも、素人から見るとどこに問題があるのかわかりづらいので、新居の引き渡し後、ある程度の期間が過ぎてから物理的瑕疵に気づくケースも少なくありません。

続いての精神的瑕疵とは、「物理的には問題がないものの、多くの人が嫌がる要素」のこと。
たとえば、「元墓地」「人が亡くなっている」「近くに反社会的勢力の事務所がある」など、「買い主が知っていたら購入を諦めていた可能性がある情報」を売買時に伝えてもらっていない場合、精神的瑕疵の補償を求められます。

3つ目の法的瑕疵とは、建築基準法や都道府県の条件を始めとした法律を破っている状態のことです。
建ぺい率や容積率をごまかしていたり、接道義務(家を建てるときは一定以上の広さの道路と土地が接している必要がある)を守っていなかったりすると、その後の増改築や売却などが制限されてしまいます。

とはいえ、実際のところ、新築物件だと図面を作って建築許可を得てから施工を始めるため、法的瑕疵が見つかる可能性は低いです。
ただ、予期せぬトラブルを100%避ける方法はありません。
いざというときにハウスメーカーと交渉できるように、「どんな場合に補償を要求できるのか」を知っておきましょう。

(※1)国土交通省:住宅瑕疵担保制度ポータルサイト:Q2-2.対象となる瑕疵担保責任の範囲は?
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutaku-kentiku.files/kashitanpocorner/rikouhou/qanda2.html

建物の基本構造部分についての保証はいつまで?

建物の基本構造部分についての保証は、原則として新居の引き渡しから10年です。
10年という期間は、先ほどご紹介した品確法で決められているため、短くなる心配はありません。
築2年の段階で瑕疵に気づいた場合も、築9年のとき瑕疵に気づいた場合も、同じようにハウスメーカーへ補償を求められるようになっています。

なお、瑕疵担保責任による補償を受ける場合、売り主の負担は0円です。
住まいの瑕疵は、瑕疵のない物件を提供できなかったハウスメーカー側の落ち度なので、必要な費用は業者が負担してくれます。
このときの費用は、不動産業者が加入し、保険料を支払っている「住宅瑕疵担保責任保険」の保険金から出るのが一般的です。
もし、補償を受ける際に家を買った業者が倒産している場合、業者ではなく家の持ち主の元へ保険金が振り込まれます。

家を買った後に不動産業者がどうなっても、消費者側が損をしないようになっているのが、新築住宅における法的な住宅保証の大きなメリットです。

住宅瑕疵担保履行法とは

住宅瑕疵担保履行法とは、不動産業者に対して、「住宅瑕疵担保責任保険への加入」または「一定金額以上の供託金の準備」を義務づける法律のこと。
実は、2000年に品確法ができた時点では、「瑕疵担保責任そのものを業者に守らせる仕組み」がありませんでした。
日本の法律だと、倒産した企業や企業の代表に、会社が持っていた借金や賠償責任を追求できません。
たとえ法律で10年保証を定めていたとしても、ハウスメーカーが倒産すると、瑕疵に対する補償を買い主が受けられないという問題があったのです。
実際に、2005年に起きた耐震偽装事件によって、少なくない数の不動産業者が倒産し、手元に欠陥住宅を残された多くの住宅オーナーが被害を受けています。
その結果、2009年に住宅瑕疵担保履行法が施行され、「新築を売る場合は補償ができるよう保険またはお金の準備をすること」が法律で義務付けられました。

新築住宅の法的な保証は、品確法と住宅瑕疵担保履行法の2つがあるからこそ、担保されているのです。

なお、住宅瑕疵担保責任保険は、様々な団体から出ています。
どの保険法人で契約をするかによって、細かい保証の内容や保険料が違ってくるため注意が必要です。
保険料の支払いは業者側の負担ですが、実際には住宅価格に10年分の保険料も入っているため、保険料がいくらなのか気になる場合は、どの団体の住宅瑕疵担保責任保険に加入しているのかを聞いてみても良いでしょう。

建築会社によって保証内容は違う

法律で義務付けられている基礎・雨漏り部分の住宅保証は、どの保険団体でも内容自体は変わりません。
しかし、建築会社から独自に提供されている保証は、会社によって違います。
10年間の定期点検無料や基礎に対する数十年の延長保証など、それぞれ特色が異なるので、建築会社を探すときは「アフターサポートがどれくらい充実しているのか」に注目してみるのもおすすめです。
同じような立地・価格の物件で悩んでいる場合、できるだけ購入後のサポートが手厚い業者を選ぶと良いでしょう。

まとめ

新築住宅を購入すると、最低でも10年は家の基礎や雨漏りを防ぐ部分に対して10年の保証を受けられます。
ハウスメーカーによっては、「10年保証」を強くうたっているところもありますが、新築住宅の10年保証は法律で定められている最低限のラインです。
内装や設備に関する保証、各ハウスメーカーが独自に提供している保証に関しては、「どの建築会社で家を建てるか」によって変わってくるので、新居を探すときは価格や立地だけでなく、保証の手厚さにも目を向けましょう。

 

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