一戸建てからマンションに移り住み空き家を売却

一戸建てからマンションに移り住むことに対しては一定の需要がありますが、そうすることで、大きく変わることもあります。一戸建てとマンション、それぞれのメリットとデメリット、その差をよく理解した上で検討するようにしましょう。

一戸建てからマンションへ買い替える際の注意点

最近、子育ても一段落したので一戸建てからマンションへ買い替えるという声を良く聞きます。子供がいる内に必要だった広い家も、子供が独立した後には必要ないし、一戸建てだと階段があるのが一般的ですが、年を取るにつれて階段の上り下りも辛くなるもの。また、買いものや駅に近く、利便性の高いマンションへの買い換え需要は今後も残り続けるでしょう。

<一戸建てからマンションへ買い替える際に気を付けること>

ただし、上記のようなマンションの良い面ばかり見ていては、買い替えたことを後悔する事態にも陥りかねません。一戸建てからマンションへの買い換えを検討するのであれば、それぞれの良い点と悪い点をしっかりと見つめて決定することが大切です。

<立地の違い>

一戸建てが建てられる地域は一般的には住宅街であることが多く、マンションが建てられる地域と比べると、比較的交通量も少なく、ゆったりとした土地スペースを確保できていたという人もいるでしょう。一方でマンションが建てられる地域は買いものや駅までの距離は近いものの、周辺は繁華街で夜遅くまで明るく、人の往来が多いといったこともあります。
マンションの利便性だけに注目するのではなく、こうした点にも注意が必要です。

<採光等構造の問題>

一戸建てであれば基本的には自分の所有している土地の上に建物が建っているので、建物の四方に窓を設けることができますが、マンションの場合にはそうはいきません。基本的に窓を設けられるのは玄関側も含めると2方向、角地でも3方向です。
マンションの場合耐震性や防音性、気密性、耐熱性など充分に高く造られていることが多いですが、隣人の声や騒音が聞こえるケースがありますのでこの点にも注意が必要です。

<マンションは共用施設>

最も大きい違いとも言える点が、居室は所有者の専有であるものの、廊下などそれ以外の部分は他の入居者の共用であるということです。管理組合の集会への参加や共用施設の利用等、価値観や世代の違い入居者と一緒にマンションを管理していくという意識が必要です。
もちろん、全てを自分で管理しなくてはならない一戸建てとは違い、庭の草抜きや外壁の塗り替え等皆で管理していくため一人一人の負担は少なくてすむというメリットもあります。

<費用の問題>

マンションでは、住宅ローンの支払い以外にも管理費や修繕積立金、駐車場使用料等月々費用が発生する場合があります。特に修繕積立金は築年数によって必要な費用が異なってくる場合もあるので事前に確認しておくことが大切です。

家を買い替える際の売却のタイミング

一戸建てからマンションへ家を買い替える際には売却のタイミングについても考える必要があります。売却のタイミングとしては、大きく売却先行型と購入先行型の2つがあります。

<一戸建て売却先行型>

売却先行型は、先に一戸建てを売却してから新居となるマンションを購入するケースです。売却先行型のメリットは先に売却金額が確定するため、新居となるマンション購入時の資金計画が立てやすいという点が挙げられます。

また、もともとの一戸建てを、住宅ローンを組んで購入していた場合、売却資金で住宅ローンを完済する必要があります。この時、思ったより売却価格が安くてローンの残債を完済できず、資金ショートしてしまうというリスクを負う必要がなくなります。(ローン残債を完済できる売却価格での購入者があらわれるまで待てば良いため)

一方で、一戸建てを売却できるまで新居の購入ができないため、住みたい物件が先に売れてしまう可能性や、売却時に住みたい物件がないため、一時的に賃貸に移り住む必要がある可能性があります。

一戸建て売却先行型のメリット

  • 資金計画が立てやすい
  • 価格交渉の際余裕を持って進められる
  • 最悪、売却を断念するという手もある

一戸建て売却先行型のデメリット

  • 売却が決まらなければ新居を購入できないため、住みたい住居の購入のタイミングを逃してしまう可能性がある
  • 売却後すぐに新居が見つからなければ一時的に賃貸に住む必要がある。
  • 売却後すぐに新居を購入する場合にはスケジュールがタイトになる。

<マンション購入先行型>

購入先行型は、まず新しいマンションを購入した後、一戸建てを売却するケースです。購入先行型のメリットは、住みたい物件が見つかったらすぐに購入の手続きに進むことができる点と、賃貸等仮住まいを探す必要がないという点があります。

一方で、マンション購入先行型は、もともとの一戸建ての住宅ローンを組んで購入していた場合で、新しく購入するマンションも住宅ローンを組んで購入する場合には2棟分のローンを支払わなければなりません。また、先に挙げたように一戸建ての売却時にはローンを完済している必要がありますが、手持ちの資金と売却資金を併せてもローンの完済ができなくなるといったリスクや、早く売却するために価格交渉において買主に譲歩しなければならないケースが発生する可能性があります。

マンション購入先行型のメリット

  • 資住みたい物件が見つかったらすぐに購入の手続きをとることができる。
  • 余裕を持って引越しを進めることができる。
  • 空き家にした状態で一戸建ての売却活動を進めることができる。

マンション購入先行型のデメリット

  • 住宅ローンや管理、維持費を2重で組む必要がある。
  • 売却時の価格交渉で足元を見られる可能性がある。
  • 予想に反して全体の資金計画が立ち行かなくなった場合でも、計画を断念するという選択ができなくなる。

<家を買い替える際の売却のタイミングは、支払い可能額とローン残債に気を付ける>

家を買い替える際の売却のタイミングにおいては、現在の年収から割り出した月々の支払い可能額と、もともとの一戸建てを購入した時に組んだ住宅ローンの残債に気を付ける必要があります。
そもそも、現在の年収で2棟分の住宅ローンと維持費を捻出することができなければ売却のタイミングは売却先行型一択となります。

また、一戸建て住宅は20年も経てばその評価額は0になりますケースも多く、例え築浅の物件でも新築から中古に替わっただけで売却可能額はガクッと落ちます。不動産会社が出した査定価格通りに売却できるとは限らず、ローンの残債がまだ多く残っている場合には、購入先行型を選んでしまうと取り返しのつかないことにもなりかねません。
自分の状況と照らし合わせて、現実的な選択を心がけましょう。

まとめ

一戸建てからマンションに移り住む場合、購入先行型と売却先行型それぞれにメリットとデメリットがあります。全体の資金計画も含めて、不動産会社の担当営業マンに相談するとともに、自分でもよく考えて最適な方法を選びましょう。