空き家を売却したい

空き家を売却するためには、一般的な不動産売却と同じような流れになります。しかし、空き家の場合は建物に対する評価が低いので「価値がゼロ」と不動産仲介会社や買い主が判断するケースが多いです。そうなると、売却価格が大幅に安くなるため、少しでも高く売るための工夫を必要があります。

今回は、空き家を少しでも高く売るためのポイントと具体的な方法をお伝えします。

空き家を売却するには

空き家を売却するためには不動産仲介会社に仲介を依頼しますが、その流れを簡単に見ていきます。

<空き家売却の流れ>

仲介会社の選定
   ↓
担当者による現地訪問と物件価格の査定
   ↓
媒介契約締結
   ↓
営業活動開始
   ↓
買い主による買い付け申し込み
   ↓
売り主による申し込み受諾
   ↓
買い主の融資等手続き
   ↓
不動産売買契約
   ↓
所有権移転と物件引き渡し

このような流れで売却は進みます。

空き家の場合、土地の査定は問題ありませんが建物に関する査定については担当者により個人差があります。
担当者の査定額が低いと感じるのであれば、他の仲介会社にも査定をしてもらって比較すべきです。特に、空き家の仲介経験が浅い担当者の場合はリフォームについても詳しくありません。そうなると、頭の中は解体しなければならないと思いこんでいるので、物件価値を相場よりかなり低めに考えがちです。

しかし、仮に解体が必要であっても仙台市のこれから発展するエリアであれば土地代だけでも高く売れる可能性があります。

空き家売却の流れで最も注意すべきポイントは、仲介会社の査定額をそのまま受け入れるのでなく、もう少し高い価値があるのではないかという気持ちを忘れない事です。

また、空き家の場合は解体費について売り主が支払うか買い主が支払うはという問題もありますが、この点については次の2つの考え方を参考にして下さい。

<空き家の解体費について2つの考え方>

  • 売り主が解体して売る場合はその分売却価格を高めに設定してもらう
  • 買い主が解体するので、その分物件価格を安くしてもらう

空き家売却の流れでは、売り主と買い主は解体費について話し合う必要が出てくることになります。解体費についての交渉は出来る限り早い段階で行うようにして下さい。

適正価格を知ろう

空き家の適正価格を知るための方法は、大きく2つの情報を基礎とします。

<適正価格を知るための2つの情報>

  1. 固定資産税評価額×70%を参考にする。固定資産税評価額は、毎年固定資産税を納めている納付書を見ればわかります。3年に1度評価額の見直しがありますので、古い納付書を見て計算しないようにしましょう。
  2. 物件エリアの取引事例を参考にする。不動産売買においては、実際の取引価格も参考にする必要があります。できれば、物件と同じエリアの土地面積と築年数が近い取引事例があればベストです。

この2つの情報を比較して、その中間が売却価格として適正な価格と思われます。さらに、空き家の場合は解体が必要かどうかで150万円~300万円ほど経費がかかりますので、実際の売却価格は解体費用を考慮した数字を把握する必要があります。

また、土地が狭くて駐車場の確保ができないようなケースでは売却価格を2~3割下げないと買い主が見つけることが難しいです。土地面積が20坪~40坪程の空き家ですと割安での売却となると考えた方が良いでしょう。

ただし、仙台市の中でも交通アクセスがよく、土地に対して建物面積が多く確保できるような建ぺい率であるような場所でしたら割安で売らなくとも売れる確率は高いです。

高く売却するための3つのポイント

空き家を高く売却する具体的な3つのポイントをご紹介いたします。

1. 掃除をしてリフォーム可能物件と判断してもらう

空き家の場合でも、庭の掃除や室内をきれいにすると買い主によっては「リフォームが可能では?」と思ってもらえる事もあります。そうなると、解体する場合に比べて300万円~500万円は得をすることができます。

2. 近所の住人で買ってくれる候補者を探す

不動産の場合、その土地をどうしても欲しいと考えている人は割高でも購入します。このようなケースで多いのは、自分の息子夫婦や娘夫婦を近所に住ませて将来的には面倒を見てもらいたいというパターンです。仲介会社に探してもらうと、すぐに近所の人が土地を割高で買ってもらう話が決まることも少なくありません。

3. 空き家、中古一戸建ての売買に強い仲介会社に依頼する

大抵の不動産仲介会社は自分たちの強い分野があります。賃貸、売買、不動産投資、任意売却などありますが、空き家や中古一戸建ての売買に特化している、仙台市や物件エリアの区に強い仲介会社に依頼することをおすすめします。そのような仲介会社はリフォームを前提で契約をしたり、解体して更地にする場合でも買い主が新たな家をイメージしやすいようなプレゼンテーションが上手です。
少しでも高く売却するためにも、空き家や中古一戸建ての売買に強い会社に高く売却してもらいましょう。

損をしない売却のタイミング

空き家を高く売るための基本は、「早期売却」です。なぜなら、今後は2015年5月に施行された空き家対策特別措置法の影響で空き家の売買が活発になる可能性が高くなりました。現在は空き家のあるエリアの売買が少ないですので、そのエリアを欲しがっている買い主が割高で購入してもらえるでしょう。また、住宅ローンの金利が低いですので融資審査が通過しやすいという追い風もあります。

このように考えると、現在は売却のタイミングと言えますので早期売却するための仲介会社探しをスタートすべきです。

ただし、例外もあります。空き家エリアの地価が上昇している場合は早期売却が良いとは限りません。反対に、長く所有すればするほど地価が上昇するとも限りません。

このような場合には、地価の上昇が頂点に達する少し前が売却のタイミングとなります。仲介会社の担当者に地価の動きを調べてもらって、地価の上昇が頂点近くと考えられる場合は売却の準備を検討して下さい。あと数年以上緩やかな上昇がありそうであれば、今は売却のタイミングではありません。

まとめ

  • 解体を避ける方向で考える
  • 高く売れるために工夫する
  • 基本的には空き家の早期売却が有利

空き家の売却は、建物を残すか壊すかという点が自分の手元に残るお金に影響してきます。仲介会社の力を頼り、自分でも取り組める工夫をして早期売却して損をしないようにしましょう。