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不動産売却は自分以外の相手に委任できる!委任状づくりの基本を解説

2025.01.30

不動産売却は自分以外の相手に委任できる!委任状づくりの基本を解説

「仕事や育児が忙しくて時間が取れない」
「遠方の物件だから現地と往復するのが面倒」
「病気や怪我で一時的に動けない」

など、不動産を売却したいと思っているのに、所有者本人が手続きできない場合は、委任状を作って代理人に不動産を売ってもらいましょう。

ただし、委任状を使った不動産売却は、想像以上に大きな権限を委ねる手続きです。
適当に委任状を作ってしまうと、思わぬところでトラブルに巻き込まれてしまうため、ここでは委任状の書き方や注意点について、解説します。

委任状があれば第三者に不動産売却をお願いできる

不動産は、本来家や土地の所有者本人でなければ、売却できません。
なぜなら、非常に高額な資産である不動産を、本人以外が売却できると、詐欺が横行してしまうからです。

ただし、やむを得ない理由によって、所有者本人が売却手続きを行えない場合もあります。
そんな時、頼りになるのが「委任状」です。
委任状は、何らかの手続きを第三者に代行してもらうための書類で、委任状を渡した相手は、不動産売却について所有者本人と同等の権利を持ちます。
正式な委任状さえあれば、不動産業者とのやり取りも、内覧対応も、引き渡し当日の立会も、代理人に任せられるわけです。

委任状の基本的な書き方

委任状に決まった形式はないため、手書きでも、PCで作成しても構いません。
ただし、不動産を売る時は、以下の必要事項を記載しておく必要があります。

・委任する内容とどこまでの権限を認めるのか
・売却する不動産の物件情報
・委任状の作成日
・委任状の有効期限
・委任者の氏名・住所・連絡先・捺印
・代理人の氏名・住所・連絡先・捺印

委任状に不備があると、指名者が代理人として認められなかったり、代理人に不動産を悪用されたりするリスクが生じるため、注意しましょう。

代理人を立てるときは委任状以外のアイテムも必要

不動産売却の代理人を立てるときは、委任状以外にもいくつかのアイテムが必要です。
具体的には、以下のアイテムを用意します。

・委任者と代理人の実印
・委任者と代理人の印鑑証明書(取得後3ヶ月以内のもの)
・委任者と代理人の住民票(取得後3ヶ月以内のもの)
・委任者と代理人の写真付き本人確認書類

委任状は法的にも有効な書類なので、本人確認や実印での捺印が必須です。
また、本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカードといった、写真付きのものが必要になります。

委任状を作るときの注意点

●信頼できる相手を選ぶ

委任状を作るときの注意点は、信頼できる相手を代理人に指名することです。
委任する内容にもよりますが、売却価格を決める権限や売却代金の受け取りまで委任する場合、信頼できない相手を代理人にすると、不動産を不当に安く売られてしまったり、売却金額をごまかされたりするリスクがあります。
大金が絡む手続きなので、基本的には信頼の置ける親族か、弁護士や司法書士などの専門家を選びましょう。

●委任状を作ったあともこまめに情報共有する

委任状を作った後、売却手続きを代理人に丸投げするのはおすすめできません。
売却価格や売却の状況、業者との対応など、こまめに連絡を取り、売り主と代理人間での誤解や認識の違いをすり合わせることで、売却に関するトラブルを防げます。
代理人が善良な方でも、監視の目がないと、つい気が緩んでしまう可能性はありますし、代理人が悪徳業者にだまされるリスクもあるので、委任後も定期的に情報共有しましょう。

●委任の権限と期限を決めておくこと

委任状を作る上で最も重要なのが、何をいつまで任せるのか、具体的に記載することです。
例えば、「不動産売却に関する一切を代理人に任せる」といった曖昧な表現で権限を与えると、「いつ売るかは私が決める」と売却を保留されたり、勝手に値引きを受けられたりする可能性があります。

「指定した条件で売却手続きを任せる。値引きや引き渡し条件の変更がある場合、代理人が独自に判断せず、委任者と相談する」
「◯年◯月◯日までに売却できなかった場合、代理人契約を解除する」

など、権限と期限は明確にしましょう。

●捨印を押さない

捨印とは、書類の空白部分に押印することです。 委任状のように捺印の必要な書類を作る場合、書類の内容にミスがあったり、内容を書き換えたりするとき、修正をした上で訂正印を押す必要があります。
捨印を押してしまうと、代理人が後から勝手に委任状の内容を変更できるので、重要な契約書に捨印を押すのはNGです。
たとえ頼まれたとしても、捨印は押さないよう気を付けましょう。

まとめ

不動産の所有者本人が売却手続きを進められない場合、委任状を作って代理人を立てると、代理人経由で不動産を売却できます。

ただし、委任状は、非常に大きな権限を預ける契約書です。
委任する内容を曖昧にしたり、書類の作成日や有効期限を明記したりしておかないと、トラブルを招きやすくなってしまいます。
委任状を書くときは、必要事項を押さえ、権限や期限を具体的に記して、トラブルのない売却手続きを目指しましょう。

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