column 804.

不動産売却とふるさと納税は併用できる?節税効果や向き不向きを解説

2025.01.30

不動産売却とふるさと納税は併用できる?節税効果や向き不向きを解説

不動産を売却すると、利益に応じた税金がかかりますが、ふるさと納税などの節税制度を上手く使えば、納税額を抑えられます。

ただし、不動産売却とふるさと納税の併用は、誰もが活用できるわけではありません。
ふるさと納税を利用することで得られるメリットもあれば、デメリットもあるため、ふるさと納税の使い方を知っておきましょう。

今回は、不動産売却後にふるさと納税を使うとどうなるのか、どういったケースならふるさと納税で節税できるのかなどを解説します。

ふるさと納税とは

ふるさと納税とは、自治体に寄付を行うと、寄付金額の一部が所得税や住民税から控除され、納めた所得税が戻ってきたり、翌年に納める住民税が安くなったりする制度です。

控除されるのは、支払った寄付金額から2,000円を差し引いた額。
多くの自治体で、寄付者に対する返礼品が用意されているため、たとえば1万円のふるさと納税を行うと、8,000円の控除を受け、さらにその自治体が用意した特産品などが手に入るわけです。

ただし、ふるさと納税の控除額は、所得(年間の収入から経費と控除を引いたもの)によって、上限が決まっています。
人それぞれ、「最も節税効果の大きい寄付金額」が違うため、ふるさと納税を利用する際は、控除の上限額を見極めることが大切です。

不動産売却後にふるさと納税を行うメリット

不動産の売却後にふるさと納税を行う最大のメリットは、寄付金控除を受けられること。

不動産を売ると、本業の収入が変わっていなくても、一時的に所得が増えます。
一方、ふるさと納税は、高所得者ほど多くの寄付ができ、多くの控除を受けられる仕組みです。

つまり、不動産を売った年は、普段より多くの控除を受けられるチャンスなのです。
もともと最大1万円の控除を受けられる方が、3万円の控除を受けられるようになれば、自己負担額2,000円で3万円相当の返礼品をゲットしつつ、2万8,000円分の寄付金控除で所得税や住民税を節税できます。
また、好きな自治体や故郷に寄付できる点も、メリットです。

不動産売却後のふるさと納税をおすすめするケース

●売却する不動産の取得費がわからない場合

譲渡所得税のルールでは、手放す不動産の取得費がわからない場合、「売却価格の5%」を取得費として扱います。

ただ、売却価格の5%は、一般的な取得費に比べて少額です。
譲渡所得は、「不動産の売却価格-取得費-譲渡費用」で求めるため、取得費が少ないと、譲渡所得が増え、譲渡所得税も高くなってしまいます。

しかし、所得が増えるということは、ふるさと納税の控除上限額も上がるということです。
取得費がわからないと、ふるさと納税の節税効果が高まるので、積極的に活用しましょう。

●節税の特例を利用できない場合

マイホームや相続財産の売却時は、譲渡所得から3,000万円控除できるという、強力な節税の特例を利用可能です。

ただし、投資物件を売却して利益が出た、セカンドハウスを売却した、数年以内に同様の特例を使っているなど、何らかの事情で節税の特例を利用できない場合もあります。
こうしたケースでは、高額な譲渡所得税がかかる分、寄付金控除の上限額も増えるため、ふるさと納税の利用がおすすめです。

不動産売却後にふるさと納税をしないほうが良いケース

譲渡所得税は、不動産の売却価格から取得費や譲渡費用、控除を差し引いた譲渡所得に対して課税されます。
ふるさと納税が効果を発揮するのは、「不動産売却の結果、利益が出て所得が増えた場合」です。
そのため、たとえば不動産の売却価格が予想より安くて譲渡所得がゼロだったり、売却結果は黒字でも、節税の特例を使うと譲渡所得がゼロになったりする場合、ふるさと納税をしても節税になりません。

不動産の売却後にふるさと納税をする際の注意点

●年内にふるさと納税を利用する

不動産の売却後にふるさと納税をするときは、不動産を売った年の12月31日までに、ふるさと納税の申し込みをしましょう。
ふるさと納税の控除が適用されるのは、寄付を行った年の所得です。
年が明けてからふるさと納税の申し込みをすると、翌年の所得に対して寄付金控除が適用されてしまうため、不動産売却とふるさと納税を併用する場合、必ず年内に手続きしましょう。

●控除の上限額を越えないよう注意する

ふるさと納税で受けられる控除の上限額は、年間の総所得で決まります。
自身の上限額を越えた寄付をしても、節税にはならないため、ふるさと納税をする際は、事前にふるさと納税にいくらまで使えるのか調べましょう。

なお、手動で控除の上限額を計算するのは大変です。
各ふるさと納税の申し込みサイトで提供されているシミュレーターを使って、上限額を調べると良いでしょう。

まとめ

不動産売却で利益が出て、税金がかかるときは、ふるさと納税で節税するのがおすすめです。

ただし、年内にふるさと納税できなかったり、控除の上限額を越えた寄付をしたりすると、節税になりません。

年末は何かと忙しい時期なので、早目にふるさと納税の申し込みをしたり、事前に控除上限額を調べたりして、ふるさと納税の節税効果を最大限に高めましょう。

一覧に戻る

売る

スタッフ紹介

サポート 相続 任意売却 住み替え