不動産を売るときお金はかかる？売り主側の必要経費を解説｜永大ハウス工業

不動産を売る時は、売り主もお金を払う必要があります。
なぜなら、不動産の売却準備や、売却手続きをサポートしてくれる不動産業者に支払う手数料などがかかるからです。

マイホームを2,000万円で売っても、全額手元に残せるわけではないため、支払いトラブルを回避するために、売り主側の負担を知っておきましょう。
今回は、不動産売却時に売り主が負担する経費の内訳や、支払いを行うタイミングについてご紹介します。

不動産売却は、売り主もお金を支払う手続きです。
不動産を売る場合、不動産業者に依頼して買い主を探してもらったり、司法書士に頼んで登記を変更してもらったりするための手数料や依頼料がかかります。

また、マイホームを売るなら引っ越し費用がかかりますし、空き地の境界線が未確定なら、測量費用も必要です。
基本的に、出費ゼロで不動産を売るのは難しいため、不動産売却は、出費のことも考慮した資金計画を立てる必要があります。

●仲介手数料

不動産売却時に売り主が負担する経費の中で、多くの場合最も高額なのが、不動産業者に支払う仲介手数料です。
仲介手数料は、不動産業者に買い主を探してもらったり、売買契約に必要な書類を作ってもらったりする対価として支払います。
支払い額は売却額に応じて変わりますが、宅地建物取引業法で上限が定められており、「売却価格×3％＋6万円」に消費税を加えた額が上限です。
仮に、不動産の売却価格が1,000万円なら、39.6万円支払うことになります。

●印紙税

印紙税は、売買契約書のような、高額な取引に使う契約書に添付する、収入印紙の購入費用です。
取引額に応じて納税額が違い、不動産の売却価格が1,000～5,000万円の範囲内だと、軽減税率込みで1万円の印紙税を納める必要があります。
なお、売買契約書は、売り主用と買い主用で同じものを2通作成するのが一般的です。
両方に収入印紙を貼付する必要があるので、合計2万円の印紙税を、売り主と買い主で折半することになります。

●登録免許税

登録免許税は、不動産の登記を変更する際に納付する税金です。
住宅ローン返済中の物件は、引き渡し日までにローンを完済し、抵当権を解除する手続き、抵当権抹消登記を行う必要があります。
このとき、家や土地一つあたり1,000円の登録免許税がかかるのです。
不動産の売却後、物件の所有権を移す際の登録免許税は、買い主負担ですが、抵当権抹消登記の登録免許税に関しては、売り主が負担します。

●司法書士への報酬

住宅ローン返済中の家を売るときは、買い主から振り込まれた売却代金でローンを完済し、抵当権抹消登記を行うという流れが一般的です。
決済から登記手続き、物件の引き渡しまで全てを1日で行う必要があり、ミスすると関係者全員に迷惑がかかるため、基本的には司法書士にお金を払って手続きを代行してもらうことになります。
抵当権抹消登記を司法書士に頼む際の報酬は、地域や依頼する司法書士の価格設定にもよりますが、1～2万円が相場です。

●引っ越し費用

住んでいた家を手放す場合、元の家から引っ越す必要があります。
引っ越し作業を業者に頼むと、引っ越し費用も必要です。
ただし、引っ越し料金は、引っ越しをする時期や家族の人数、新居までの距離、利用するプランなどによって大幅に変動します。
繁忙期とそれ以外では、料金が1.5～2倍違うことも珍しくはありません。
できれば、10～20万円ほど用意しておくと良いでしょう。

●その他、不動産を売るために必要な出費

不動産の売却前に古い設備を修理したり、クリーニングしたり、建物を解体して更地にしたりする場合、これらの費用も必要です。
壁紙の貼り替えや水回りのみのクリーニングなど、小規模な工事なら必要額は数万円程度ですが、境界線の確定や解体工事、廃棄物の処分費用などがかかる場合、予算が100万円を越えてきます。
多くの場合、売却前にお金をかけても、不動産の売却価格はあまり高くはならないので、売却前の出費は必要最小限に抑えましょう。

売り主が不動産売却に関する支払いを行うタイミングは、主に売買契約の締結時と、物件の引き渡し時です。
仲介手数料は、売買契約の締結日と引き渡し日の2回に分けて半額ずつ支払い、印紙税や司法書士報酬は引き渡し日にまとめて決済します。
ただし、引っ越し費用は引っ越し業者と契約したときに支払いますし、ハウスクリーニング等も依頼をしたときに払うので、支払う金額や支払い日は、忘れないようカレンダーなどにメモしておきましょう。

不動産売却では、売り主側も様々な費用を支払うことになります。
必要な支払いの多くは、不動産の売却代金から出せますが、売買契約時の仲介手数料や物件のクリーニング費用など、売却代金を受け取る前に支払いタイミングが訪れるものもあるため、注意が必要です。
必要な支払いができないと、売却手続きを進められません。
不動産業者に仲介手数料の額を確認したり、早目に引っ越し業者の見積もりを取ったりして、必要額を準備しておきましょう。