
不動産は個人でも売却可能なの?個人売却のメリット・デメリット
2025.01.30
不動産を売却するときは、不動産業者に買い主を仲介してもらうケースが多いです。
しかし、中には不動産売却手続きに興味があって、「自分で売却してみたい」と考える方もいるでしょう。
そこで今回は、そもそも不動産は個人でも売却できるのか、個人で売却する場合、どういったメリットやデメリットがあるのかなど、不動産の個人売却に必要な知識をお伝えしていきます。
不動産は個人でも売却できる
前提として、不動産は個人でも売却可能です。
法律上、業者が不動産売買の仲介を行う場合は、都道府県知事等の許可や、宅地建物取引士の有資格者が必要となりますが、不動産を個人的に売るだけなら、資格も免許も必要ありません。
たとえば、親族や友人・知人などの知り合いに不動産を売る場合、お互いに価格や引き渡し条件について合意できれば、不動産業者のサポートなしで売買契約を結べます。
ただし、不動産の売却手続きは、専門用語も多く、手続きも複雑です。
準備不足で取り組むと、トラブルになりやすいので、個人売却のメリットやデメリットも押さえておきましょう。
不動産を個人で売却するメリット
●仲介手数料が不要なので節約できる
不動産を個人で売却する最大のメリットは、不動産業者に仲介手数料を払う必要がないことです。
業者を通じて不動産を売る場合、最大で「売却価格×3%+6万円」の仲介手数料が発生します。
仮に、2,000万円で家を売ったら、手数料だけで66万円かかるわけです。
個人で不動産を売却すれば、仲介手数料は0円なので、手元に残るお金を大幅に増やせます。
売却価格が高くなればなるほど、仲介手数料の負担も増えるため、節約を重視するなら個人売却も有効です。
●好きな条件で売却できる
個人売却は、売りたい不動産の売却価格や引き渡し条件を、自由に決められます。
売買契約において重要なのは、売り主と買い主の間で合意することです。
お互いに納得できていれば、相場より少し安く不動産を譲ったり、支払い方法を分割にしたり、売り主が引っ越しを終えるまで引き渡しを待ってもらったりしても構いません。
また、買い主と親しい間柄だと、交渉自体もスムーズに進みます。
最初から、売る相手が決まっている場合、買い主探しをする必要がないため、一般的な不動産売却より短い期間での売却も可能です。
不動産を個人で売却するデメリット
●専門用語も多く手続きが面倒臭い
不動産を個人で売却する場合、
・売買契約書の作成
・登記に関する書類の作成
・各種必要書類の準備
などを売り主自身が行うことになります。
売買契約書や登記手続きの申請書などは、専門用語が多く理解するのが大変です。
また、書類に不備があると、手続きを進められません。
不備のない書類を準備するためには、ある程度の知識も求められるので、不動産売却の未経験者だと、想像以上の時間と労力がかかります。
●契約の不備や説明不足でトラブルになりやすい
不動産売却は、非常に高額な資産をやり取りする取引です。
買い主と親しい間柄だからといって、契約内容を詰めていなかったり、売却する物件について詳しい説明をしていなかったりすると、売却後にトラブルになる可能性があります。
しかし、不動産売却に関する適切な知識がなければ、何をどこまで説明すれば良いのか、説明をするためにはどういった調査が必要なのか、自分で判断できません。
仲介業者がいない以上、トラブルが起きたら自己責任になるため、個人売却は、たとえ家族間での売却だったとしても、契約や説明を丁寧に行う必要があります。
●住宅ローンを組むのが難しい
不動産の個人売却は、買い主側がローンを組めない可能性が高いです。
なぜなら、住宅ローンの審査では、宅地建物取引士という国家資格の所有者しか作れない書類、「重要事項説明書」の提出が求められるからです。
売り主本人が宅建士の資格所有者でない限り、重要事項説明書を作成・提出できないため、金融機関の信用を得づらいというデメリットがあります。
個人売却の注意点
不動産を個人売却する際の注意点は、できるだけ相場で売ることです。
親族や知人に不動産を売却するとき、相場を無視した安値で売却すると、売買ではなく相手への贈与とみなされ、買い主側に高額の贈与税が課税されてしまいます。
善意で安く不動産を売ることで、かえってトラブルになってしまう可能性があるからこそ、個人間の売却は、不動産業者に査定を頼んで相場を調べ、適正価格で売却しましょう。
まとめ
不動産は、買い主さえ見つけていれば、個人でも売却できます。
ただ、仲介手数料が不要といったメリットがある一方、売買に関する知識がないと、トラブルになりやすいです。
相手への善意で不動産を安く売った結果、買い主に多額の贈与税が発生して揉めるといったトラブルを回避するためには、売却手続きについて学び、時間や手間をかける必要があります。
不備のない契約書を作ったり、不動産を適正価格で売却したりするのが難しいと感じたら、無理せず不動産業者に仲介を頼みましょう。