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知っているとお得!不動産売却の税率が大きく変わる5年ルールとは

2025.01.30

知っているとお得!不動産売却の税率が大きく変わる5年ルールとは

不動産を売却する際、「5年」という数字の意味を知っていると、売却後の税負担に大きな差が出ます。
なぜなら、不動産売却のルール上、売却する不動産の所有期間が5年を越えているかどうかで、税率が2倍近く変わるからです。
ほんの僅かな売却タイミングの違いで、高い税率を適用されるといった事態を避けるためには、税について知っておく必要があります。
本記事を通じて、不動産の売り時を見極める上で役立つ、5年ルールを押さえておきましょう。

不動産を売ると譲渡所得税・住民税がかかってしまう

日本では、不動産を売ると、その利益に対して「譲渡所得税」「住民税」という2種類の税金がかかります。
不動産を売って得た収入に対する課税は、本業の収入とは別枠で納税額を計算するため、普段所得税を給与から天引きされているサラリーマンも、パートなどていない専業主夫・主婦も、不動産売却で利益が出たら納税が必要です。

そして、譲渡所得税や住民税は、「譲渡所得×税率」というシンプルな計算式で求めます。
譲渡所得税率が、「物件の所有期間が5年を越えているかどうか」で決まるからこそ、不動産を売るときは5年ルールの把握が重要なのです。

不動産の税率は所有期間が5年を越えると低くなる

●所有期間5年以下:短期譲渡所得

不動産を売った時、不動産の所有期間が5年以下だった場合、売却益は「短期譲渡所得」という扱いになります。

短期譲渡所得の税率は、
・譲渡所得税:30%
・住民税:9%
です。

譲渡所得税30%には、復興特別2.1%が上乗せされるため、合計すると39.63%が不動産売却益に対する税率となります。
一般的な所得税なら、所得税率が33%になるのは年収1,300~2,200万円前後なので、非常に高い税率です。

●所有期間5年以降:長期譲渡所得

一方、不動産を売ったときに物件の所有期間が5年を超えていると、「長期譲渡所得」という扱いとなり、税率が大幅に下がります。

具体的には、
・譲渡所得税:15%
・住民税:5%
が税率です。

復興特別所得税の2.1%を上乗せして合計すると、20.315%となります。
なぜ、所有期間で税率が倍近く変わるのかというと、土地を短期間で転売し、元値との利ざやを稼ぐ行為、土地転がしを減らすためです。
バブル時代、土地転がしで莫大な利益を稼いだ方々の中に、脱税をしたり、利益を汚職に使ったりする者がいたため、不動産の短期売却が悪用されないよう、短期売却には高い税率がかかるようになっています。

不動産売却を待つべきかどうかの見極め方

●高く売れるなら早めに手放したた方が良い

不動産は、取得してから5年以内に売ると、税の負担が重いです。
しかし、もし今なら高く売れる場合、所有期間が5年を越えるまで待つ必要はありません。
税金が高くても、高額売却できれば手元に残るお金は増えますし、数年後同じ金額で売れるという保証はないからです。
不動産は、経年劣化と共に価値が下がっていき、売りづらくなるため、早く高く売れる物件は、早目に手放すと良いでしょう。

●相続した不動産は3年以内の売却がおすすめ

不動産を相続した場合、3年以内の売却をおすすめします。
なぜなら、相続した不動産を、相続開始から3年10ヵ月以内に売却すると、納めた相続税を売却時の経費として申請し、節税できるからです。
相続税を納めた分、譲渡所得税や住民税が安くなるため、短期譲渡所得で税率が高くても、納税負担を抑えられる可能性があります。
相続した家を使う予定がない場合、放置すると家が傷んでしまうため、売れる時に売ることを優先しましょう。

不動産売却時の注意点

●所有期間のカウント方法が特殊

不動産売却の5年ルールでは、所有期間を「不動産を売った年の1月1日時点で、5年超かどうか」で判断します。
たとえば、2020年の4月に購入した物件を2025年の5月に売る場合、実際には5年以上所有していますが、譲渡所得税の計算上は所有期間5年以下とカウントされるのです。
特に、不動産をギリギリ長期譲渡所得で手放そうとしている場合は、間違って短期譲渡所得にならないよう、注意する必要があります。

●早期売却する場合は売却理由を素直に伝える

不動産を短期間で売却する時は、売却理由を素直に不動産業者や買い主に伝えることが重要です。
不動産は高額な資産なので、所有期間が短いと、「本当に良い物件なら、なぜ売るのか」といった疑念を持たれてしまいます。
買い主に疑われると、不動産は売れません。
急な転勤や介護同居のための売却など、売却理由を素直に共有して、買い主に信頼してもらいましょう。

まとめ

不動産売却では、手放す物件の所有期間が、不動産を売った年の1月1日時点で5年を越えていると、譲渡所得税や住民税が安くなります。

ただし、5年待てば税率が下がるからといって、今高く売れる物件の売却を待つ必要はありません。

相続財産なら、3年10ヵ月以内に売却すれば税の特例も利用できます。
不動産売却で重要なのは、少しでも良い条件で不動産を売ることです。
今不動産を売るべきかどうか悩んでいるなら、不動産業者に相談し、今売る方がお得か、数年後に売る方がお得かを比較して、売却プランを立てましょう。

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