
AI査定で不動産売却はどう変わる?便利なツールの使い方と注意点
2024.11.21
不動産をいくらで売れば良いのか、目安となる基準を調べられるのが、不動産査定です。
その中でも、近年注目を集めているのが、AIを使って市場データを分析し、即座に査定結果を得られるAI査定というサービス。
ただ、AI査定を信頼できるのか、精度に問題がないのかなど、疑問に思う方も多いでしょう。
そこで今回は、AI査定の仕組みや強み、使い方、注意点などを解説します。
AI査定とは?AI査定の仕組みと強み
●瞬時に不動産の査定結果がわかるサービスのこと
AI査定とは、大量の取引データを学習させた人工知能に、物件情報を分析させることによって、不動産の査定価格を瞬時に算出できるようにしたサービスのことです。
従来の不動産査定は、不動産業者が過去の取引事例からおおよその査定額を求めたり、現地調査をした上で査定価格を出したりしているため、早くても結果がわかるまで数日間が必要でした。
しかし、AI査定では、人間よりも圧倒的に処理速度の早いAIにデータの分析を行うため、数分で査定結果がわかります。
●AI査定の強み
AI査定の強みは、瞬時に結果がわかることです。
一般的に、不動産業者の手元にある情報だけで売却予想額を求める方法、机上査定は、結果が出るまでに数日、現地訪問と調査を含む訪問査定は、結果が出るまで1~2週間かかります。
一方、AI査定は、必要情報を入力した後、結果が出るまでわずか数分です。
家や土地がいくらで売れるのか気になった時、その場で査定結果を確認できます。
データの入力も結果の受け取りもオンライン上で完結するため、不動産業者の担当者とやり取りをする必要もありません。
不動産売却におけるAI査定の使い方
●匿名で査定を受けるために利用する
AI査定を提供している不動産業者によって違いがあるものの、AI査定の中には、個人情報の入力なしで査定を受けられるものもあります。
通常、不動産の査定を受けると、査定を行った不動産業者から多かれ少なかれ営業の電話やメールが届くため、これらの営業がわずらしいと感じる方は、査定を気軽に受けられません。
しかし、匿名利用ができるAI査定なら、個人情報を気にすることなく、不動産の査定価格だけを調べられます。
査定結果が良ければ売却を考えたい、まだ売るつもりはないが、いくらくらいで売れるのかを知っておきたいといった方にも、使いやすいサービスです。
●短時間で複数の査定結果を集める
非常に短い時間で査定結果を得られるAI査定は、「短時間で複数の査定結果を集め、比較したい」という時に効果的な手段でもあります。
不動産の査定は、業者によって査定の基準が異なるため、同じ不動産でも査定額に幅があり、どの業者の査定を信じれば良いのかがわかりづらいものです。
そのため、不動産を売るときは、複数の業者に査定を頼み、結果や対応を比較して契約相手を決める、相見積もりの利用がすすめられています。
しかし、比較的結果が早くわかる机上査定でも、査定結果がわかるのは数日後。
その点、AI査定なら、申し込み後、数分で結果が出るため、査定結果の比較も楽です。
AI査定の注意点
●不動産業者によってデータ量やデータの信頼性に差がある
AI査定の精度は、学習させたデータ量に依存します。
AI査定を提供している業者が少ないデータを読み込ませていたり、質の良くないデータを学習させていたりすると、精度の高い査定結果は得られません。
AIに読み込ませるデータ量が少なく、信頼性が低いと、出てくる結果も極端なものになりやすいです。
AI査定を利用するときは、複数業者のサービスを比較し、各業者の査定結果を比べて、データの信頼性を高めましょう。
●査定の根拠が分かりづらい
AI査定は、入力した情報に対して結果が出力されるため、査定の根拠がわかりづらい点には注意が必要です。
得られる情報は、不動産査定の結果だけです。
AIがどういった根拠で査定をしているのか、個別の事情を加味したのかなどは、不動産業者の担当者に尋ねても、わかりません。
AI査定の結果をどの程度信じて良いのか、査定結果だけでは判断できないのが、AI査定のデメリットとなっています。
●個別の事情を考慮した査定はまだできない
AI査定は、膨大な取引データ・市場データを分析して査定結果を出すサービスです。
そのため、たとえば不動産取引件数の少ない地方や、郊外の一戸建て、空き地などは査定の精度が甘くなります。
また、リフォーム済みなど個別の事情があっても、現地の細かい要素を考慮した査定ができるわけではないため、より詳しい査定結果を知りたいなら、訪問査定が必要です。
まとめ
AI査定を活用すれば、本来なら結果を受け取るまで早くても数日かかった不動産の査定価格を、数分で確認できます。
ただし、AI査定は、使用しているデータ量や質によって査定の精度が変わりますし、リフォーム内容など、現地で確認しないとわからない要素はカバーできません。
不動産の査定価格を調べられる便利なツールではありますが、デメリットも存在するため、あくまでも概算するためのツールとして活用しましょう。