
不動産はいつ売るのがベスト?市場の動向と季節による違いとは
2024.11.15
不動産を売却する際、いつ売り出せば良いのだろうと悩んでしまう方は少なくありません。
なぜなら、不動産市場の取引価格は、その時々の景気や金利政策、地域の需給などによって、高くなることもあれば安くなることもあるからです。
ただし、いつ来るのか分からない売り時を待っていると、いずれ不動産の劣化が進み、売却価格も下がってしまいます。
本記事で、不動産をいつ売るのか決断するために知っていると役立つ、市場の見方や季節ごとの違いをご紹介します。
不動産市場の動向に影響する要素とは
●景気の影響
景気の良し悪しは、不動産市場の動向を大きく左右する要素の一つです。
不動産は、景気が良いと取引価格が上がり、景気が悪いと金利などの優遇が増えるため、売りやすくなります。
そのため、条件の良い不動産、価格の高い不動産ほど好景気で売るのがおすすめですし、一般住宅や空き地は、景気が悪くても早めに売却するのがおすすめです。
●金利の変動
金利の変動も、不動産市場の動向に影響を与えます。
金利が高いとローンの返済負担が増え、金利が低いとローンの返済負担が楽になる上に、審査が緩くなってローン自体も組みやすくなるからです。
低金利なら、住宅購入を検討する買い主が増えるため、その分、不動産の売却チャンスは増えるでしょう。
なお、不動産業者や投資家は、市場の動向にいち早く反応します。
賃貸物件などの投資物件売却を検討している場合、金利の変動に関するニュースをチェックし、金利が上がる前に手放すのもおすすめです。
●不動産の需要と供給のバランス
住宅や空き地の多くは、近隣住民がターゲットになります。
そのため、不動産を売り出す時、「価格や間取りの似た物件がどれだけ市場にあるのか」や、「不動産を探している買い主がどれだけいるか」といった需要と供給のバランスによって、売却のしやすさが大きく変わるのです。
基本的には、買い主候補の多い時期を選んだ方が家を売りやすくなりますし、ライバル物件の少ない時期を狙った方が良い条件で売却しやすくなります。
季節ごとの不動産市場の特徴
●春の特徴
新生活の始まる春は、最も不動産が売れるシーズンです。
進学や就職を機に一人暮らしをしたり、転勤したり、家を買ったりする方が増えるため、戸建てやマンションも売りやすくなります。
また、気温や湿度も夏・冬に比べて快適なので、内覧の案内がしやすいのもポイントです。
不動産の売却には、最低でも3ヵ月程度の時間がかかるため、売却自体は12月や1月から始めると良いでしょう。
●夏の特徴
夏は、外が暑く梅雨などもあって不快指数が高いこと、長期休暇の影響で旅行やレジャーに集中している方も多いことなどが影響し、不動産の売却がしづらい時期です。
不動産を売り出しても、内覧の申し込みが十分に集まらない場合もありますし、特にお盆周辺は買い主を探してくれる不動産業者も休みを取ります。
ただ、ライバル物件の少ない時期でもあるため、物件によっては夏場の売却を検討しても良いでしょう。
●秋の特徴
一年の中で、不動産市場が活発になるのが春と秋です。
人事の都合上、転勤する方が出てきますし、天候も安定しているため内覧がしやすいというメリットもあります。
冬になると、外出する機会が減る上に、忙しい年末に向けて土地を探したい・家を買いたいと考える方も少ないため、売却を春まで待てない場合は、秋の成約を目指すのがおすすめです。
●冬の特徴
冬は、最も不動産を売却しづらいシーズンとされています。
特に、年末年始は不動産業者も動いておらず、内覧の申し込みもないため、冬に不動産を売り出すのはあまりおすすめできません。
ただし、冬の間に売りたい不動産のメンテナンスなどを行っておけば、春の売却を目指しやすくなります。
近年、人手不足や各種建材の高騰等により、修繕工事やリフォームなどの手配も難しくなっているため、売却の準備時間として使うことも考えましょう。
不動産売却タイミングを見極めるためのポイント
不動産は、早く売り出すか、春を狙って売り出す方が売りやすくなります。
ただし、不動産売却を考える理由はさまざまです。
早く売りたいなら早目に不動産業者と相談する方が良いですし、高く売りたいなら少し売却を待って不動産業者探しに時間を使ったり、業者に相談して売却プランを練ったりするほうが良い条件で売りやすくなります。
売り主によって、物件によっても適切な売却時期は異なるので、売却の目的や売却にかけられる時間等を考慮して、売却タイミングを決めましょう。
まとめ
不動産は、景気が良ければ高く売れますし、景気が悪ければ売りやすくなります。
また、一年の中でも成約数の多い時期は春なので、春に成約できるように12月・1月から売却を始めると有利です。
ただ、全員が春に物件を売却すれば、満足できる売却結果になるとは限りません。
売り主にもそれぞれの事情があり、物件によっては早く売却を始めた方が良いケースもあるため、困った時は売却のプロである不動産業者に相談し、アドバイスをもらいましょう。