
不動産売却は大手と地元どちらが良い?選び方のポイントを紹介
2024.01.16
不動産売却を大手と地元どちらの業者に依頼するかは、物件や売り主の状況次第です。
大手には大手の強みがあり、地元業者には地元ならではの良さがあるため、自分にとってどういう業者が必要か見極められるようになれば、より良い売却結果を狙えます。
今回は、大手不動産会社と地元不動産会社の違いや、それぞれの向き不向き、後悔しない不動産会社の選び方などを押さえていきましょう。
不動産会社は売却時に何をしてくれるの?業者の果たす役割とは
●不動産会社が担う業務
不動産会社が担ってくれる業務は、以下の通りです。
・査定
・売却プランの立案
・物件広告の作成
・レインズ・不動産ポータルサイト・自社サイトへの広告掲載
・購入希望者の問い合わせ対応
・内覧対応
・売買契約書や重要事項説明書の作成
・司法書士の紹介
・その他売り主に対するサポート・アドバイス
基本的に、不動産売却に必要なほとんどの業務を代行してもらえます。
多くの場合、プロの力を借りたほうが、不動産を良い条件で売却できるので、不動産売却は信頼できる不動産会社と契約することが重要です。
●仲介と買取の違い
不動産の売却方法には、主に仲介と買取の2種類があります。
仲介は、不動産会社経由で買い主を探す方法で、買取は直接不動産会社に土地や建物を買い取ってもらう方法です。
一般的に、仲介は内覧対応等も必要ですし、買い主が見つかるまで時間も必要ですが、より良い条件で売却できる可能性を持っています。
一方の買取は、短期間で不動産を現金化できるものの、買取価格は仲介よりも20~30%安いです。
同じ不動産でも、仲介と買取どちらにするかで売却結果が変わるため、その時の状況によって判断する必要があります。
大手不動産会社の特徴と強み
●全国規模の集客力と知名度を持つ
大手不動産会社に仲介を依頼する最大の強みは、全国規模の集客力と知名度です。
大きな企業は、テレビCMやインターネット広告等で認知を獲得しており、ブランド力があるため、「不動産の買い主」が大勢集まってきます。
売りたい不動産のことを知ってもらえる可能性が高いため、スピード感のある売却が可能です。
また、企業や投資家など、資金力のある取引相手とのコネクションもあるため、都市部の物件や人気エリアの空き地など、高額な物件の売却に長けています。
●営業マンのノウハウや教育制度が充実している
大手不動産会社が持つ特徴のひとつが、営業マンの安定感です。
大手不動産会社は、営業規模の大きさから、業務のマニュアル化を進めています。
全国どの店舗で採用された営業マンであっても、ある程度、同じレベルの教育や研修が行われているため、極端に営業力の低い担当者に当たってしまう可能性は低いと考えても良いでしょう。
不動産売却では、一人の担当者と数ヵ月間やり取りしながら、成約を目指します。
担当者との相性が良くなかったり、経験や実力が不足したりしていると、良い売却結果にならないため、大手ならではのノウハウ共有や教育制度は、売り主にとっても安心感につながります。
地元不動産会社の特徴と強み
●地場事情に詳しく物件に合った戦略を立てられる
地元で営業する不動産会社の特徴は、周辺地域の不動産事情に詳しく、なおかつ過去の取引事例や取引相手のデータを持っていることです。
車で片道数時間かかる山奥にタワーマンションを建てても入居者が集まらないように、不動産は、エリアによって人気の条件や買い主の属性が異なります。
地元業者は、大手よりも狭い範囲の詳しい地域事情を把握しているため、その地域で効果的な売却戦略や工夫を提案できるのが強みです。
●担当者との距離が近く密な連携を取れる
地元の不動産会社は、地域に根ざした営業活動を行っている分、柔軟な対応を期待できます。
売り主と担当者の距離が近いため、こまめに連絡を取れますし、売却に関する要望も伝えやすいです。
また、地域の業者はその地域に店舗があるので、気軽に店舗へ足を運び、疑問点を解消したり相談したりできるというメリットもあります。
不動産売却にあたって、丁寧なサポートを受けたい方、信頼関係を重視したい方に向いているのが、地元不動産会社の特徴です。
不動産売却を大手に頼んだ方が良いケース
●人気のあるエリアの物件を売る時
都市部の駅前や再開発築、近年注目を集めている地域など、人気のあるエリアの不動産を売却するときは、大手に相談すると良いでしょう。
一般的に人気のある不動産は、多くの購入希望者に知ってもらうことで競争が生まれ、より良い条件で売却しやすくなります。
人気エリアの物件なら、地域を問わず欲しがる方が多いため、全国規模のネットワークを持つ大手不動産会社が有利です。
また、大手であれば、複数の地域・店舗が連携して、遠方の購入希望者に不動産を案内できるというメリットもあります。
●高額物件を売却する場合
大手不動産会社は、富裕層向けの物件の取り扱いに強いです。
高額物件は、購入できる層が限られるため、広く一般向けに広告を出しても、なかなか問い合わせや成約につながりません。
しかし、大手不動産会社は、富裕層ともコネクションがありますし、条件の良い不動産なら自社で確保する資金的余裕もあるため、物件をスムーズに売却できますし、法的トラブルにも強いです。
●投資物件や店舗の売却
ワンルームや一棟マンション・アパート、テナントビルにオフィスビル、店舗付き住宅など、投資物件や店舗・オフィスとして使える不動産を売るときは、大手を頼りましょう。
投資家や法人を対象とした物件は、購入希望者に刺さる広告の作り方から、営業の仕方、買い主に案内するローンまで、多くの要素で一般住宅の売却とは異なるノウハウを求められます。
専門的な知識や経験が必要な取引になるため、大手の中でも投資家や法人とつながりの強い不動産会社を頼るのがおすすめです。
不動産売却を地元業者に頼んだ方が良いケース
●郊外や田舎にある不動産の売却
都市部から離れた郊外や田舎の不動産は、地元業者の手を借りましょう。
大手不動産会社の場合、郊外には店舗を置いていない場合もありますし、郊外や田舎は不動産の取引件数が少ないため、相場や地域のニーズを十分に把握できません。
しかし、地域に根ざした不動産会社なら、地元のネットワークを駆使して買い主を探し出せる可能性があります。
●築年数の古い住宅を売るとき
築30年を超えるような古い住まいを売るときも、地元業者に仲介をお願いすると良いでしょう。
多くの場合、古い住宅を購入するのは、その地域に興味を持つ方です。
地元の不動産業者であれば、物件情報だけでなく、周辺地域の住みやすさや暮らしの魅力など、細かいアピールポイントを詳しく伝えられるため、「その地域に住みたい方」に刺さる営業を期待できます。
●こまめに担当者と相談しつつ売却を進めたい場合
初めての不動産売却は、不安や疑問を感じて当然です。
ただ、大手不動産会社は、規模が大きい分ひとりの営業マンが抱える案件数も多く、会社内での異動もあるため、相手によっては小まめに相談できません。
その点、地元業者は、粗雑な対応をして地域で悪評が立つと、経営が立ち行かなくなってしまうため、大手よりも柔軟な対応が可能です。
売却中に浮かんだ疑問を解消し、納得した上で売却を進めたい、より良い売却プランをプロと相談しながら進めたい場合、地元の不動産会社が向いています。
●売却時に近隣住民との交渉が必要なケース
越境している塀の撤去や、土地の測量、前面道路が私道で通行許可を取る必要がある、借地権付き建物の売却を地主に承諾して欲しいなど、売却時に近隣住民との交渉が必要なケースも、地元業者への依頼がおすすめです。
長く営業している業者なら、地域の人脈から上手くトラブルを避けてくれる可能性がありますし、地元で活動しているからこそ、細やかな対応を期待できます。
失敗を避ける不動産会社選びのポイント
●大手と地元の不動産会社を混ぜて相見積もりを取る
不動産会社選びのポイントは、大手と地元の業者を混ぜ、複数の不動産会社から見積もりを取ることです。
特徴の異なる業者を比較することで、それぞれの見積もり結果の差や売却プランの違いなどが明確になるため、自分に合った不動産会社がどこなのか判断しやすくなります。
ただ、5社10社と闇雲に相見積もり先を増やすと、時間がかかり、比較も難しくなるため、相見積もりは3社前後を目安にすると良いでしょう。
●査定結果の根拠を確認する
不動産会社を選ぶときは、査定の根拠を質問することが大切です。
不動産の査定価格は、あくまでも各社が「おそらくこれくらいで売れる」と予想した金額なので、悪徳業者だと、根拠のない高額査定を提示してきます。
査定の根拠を聞き、説明のわかりやすさ、納得できるかどうかなどを判断すれば、悪質な不動産会社との契約を回避できるでしょう。
●営業マンの対応力や誠実さをチェックする
不動産売却は、数ヵ月単位の時間がかかる長期戦です。
売り主に寄り添ってくれない営業マンや、対応に問題がある営業マンと組んだ場合、担当者とのやり取りでストレスを抱えることになるため、営業マンの対応・態度もチェックしましょう。
専門用語を初心者にも丁寧に説明できる、強引な営業をしてこない、質問に対する回答が早いなど、誠実な対応ができる営業マンだと、安心です。
まとめ
不動産売却を大手に頼むか地元に頼むかは、物件や売り主のニーズによって変わります。
大手は、全国規模のネットワークとブランド力があるため、都市部の物件や高額物件の売却に強く、地方の物件や一般的な住宅は、細やかな対応ができ、地域の不動産事情に精通している地方の業者が強いです。
不動産売却は、会社選びに手を抜くと、多くの場合、良い結果になりません。
不動産を売る時は、複数の会社に相談し、各社の対応力や相性を比較して、信頼できる業者を見つけましょう。