
田舎の土地を売りたい方必見!売却が難しい土地を上手く売るコツとは
2024.01.15
売却の難しい田舎の土地を売るコツは、戦略を立てることです。
基本的に、田舎の土地や建物は、地域に馴染みのない方にとって魅力が伝わりづらい不動産なので、都市部の土地と同じように売り出しても、買い主に興味を持ってもらえません。
そのため、田舎の土地に魅力を感じる層に向けて宣伝を行い、アピールすることが重要です。
本記事では、田舎の土地が中々売れない理由から、田舎の土地を売るための準備と売却手法、売れやすくするための工夫、注意点まで、幅広く解説します。
田舎の土地が売れない理由
●人口減少によりそもそも需要が少ない
田舎の土地が売れない最大の理由は、不動産需要が少ないからです。
田舎を含む地方は、深刻な人口減少が続いています。
いわゆる住宅購入のメインターゲットである、働き盛りの世代が減っているため、土地を買いたいという需要が都市部よりも少ないのです。
また、人口が減り、ビジネスの売上が減少することによって、土地の資産価値も下がっています。
店舗を持ちたい方や、投資商品として不動産を探している方にも、田舎の土地はなかなか目を向けてもらえません。
田舎の土地を売りたい場合、こうした背景を理解した上で、誰に売るのか、どうやって売るのかを考える必要があります。
●市街地から離れており交通・生活面で不便
田舎の土地は、物理的に都市部から離れているため、公共交通機関も充実していませんし、車が必須になっているケースも多いです。
特に、若い世代はマイカーを持たない生活をしている方が多く、「近所に買い物やお出かけができる施設が少ない」「自家用車が必須」といった条件で、土地購入の候補地から外れてしまう場合があります。
●境界や法的規制に関連したトラブルになりやすい
田舎の不動産は、土地の境界が曖昧だったり、古い住まいが接道義務を果たしていなかったり、登記が更新されていなかったりと、問題を抱えているケースが少なくありません。
また、もともとその土地に住んでいた住人であれば、近隣住民の話し合いや譲り合いで問題になっていなかったことも、売買によってオーナーが変わると、トラブルになる可能性があります。
そのため、田舎土地を売却するときは、事前にトラブルの芽を摘んでおくことも重要です。
田舎の土地を売るときにやるべき準備とは
●土地の現状や登記を確認しておく
田舎の土地を売りたいと思ったら、所有している土地の現状を正確に把握しましょう。
具体的には、土地の登記を確認し、登記簿上の所有者が自身のものになっているか、面積や地番が現状と合っているか確かめます。
土地を相続した場合は相続登記を行い、測量図が古かったり存在しなかったりする場合は、測量を行って境界を確定させましょう。
●古家付きの場合は解体も検討する
もし、田舎の土地に古屋が建っているなら、売却前に解体するのもおすすめです。
木造住宅の場合、建物の資産価値は約20年でほぼゼロになります。
「古い建物がある」ことによって、家を新築する際に解体工事が必要になり、購入のハードルが上がってしまうため、古屋が住める状態でない場合は、解体を検討しましょう。
ただし、解体工事は高額です。
解体工事の見積もりと不動産業者の査定を受けて、解体したほうが良いか考えましょう。
●用途地域や建築制限などの法的な規制を調べる
土地の用途や、建てて良い住宅のサイズなどは、場所ごとに決まっています。
法的な規制がある土地は、家の建て替えや新築が難しくなり、買い主に対して「田舎なら同じ予算でも広い戸建てを建てられる」とアピールできないため、規制の有無を売却前に調べておきましょう。
問題がわかっていれば、対策してから売り出せますし、広告や内覧の段階でどういう問題があるか伝えられるので、取引後買い主とトラブルになるリスクも減らせます。
田舎の土地を売る5つの方法と特徴
●近隣住民に売却を打診する
田舎の土地を売る方法として、効果的なのが近隣住民への打診です。
たとえば、隣地の所有者に土地を買い取ってもらえば、隣地の所有者は、利便性や暮らしを変えずにより広く土地を使えるようになります。
自宅の増改築や倉庫の建設、家庭菜園など、土地が広がることでできるようになることは多いです。
近隣住民は、近くに住んでいるからこそ、田舎の良いところも悪いところも熟知しているため、相手側に購入意欲があれば、スムーズに取引できるでしょう。
ただし、たとえ隣近所の知り合いであっても、土地を売るときは不動産業者に仲介を頼み、契約書を作ってトラブルを防ぐことが大切です。
●大手不動産業者に仲介を依頼する
全国的に広く買い主を募りたい場合は、大手不動産業者に仲介を依頼しましょう。
大手不動産業者の強みは、全国規模のネットワークと取引のノウハウを持っていることです。
広大地や農地など、取り扱いの難しい土地の売却についても、大手業者なら上手く商談をまとめてくれる可能性があります。
ただ、一般的に、田舎の土地に興味を示す買い主は少ないです。
大手業者を頼っても、売却には時間がかかります。
●地元に強い不動産業者経由で買い主を探す
地元の不動産業者に、仲介依頼をするのもおすすめです。
大手不動産業者と違い、長く営業している地元の不動産業者は、地域の不動産事情に明るく、地元住民や経営者や地主とも人脈を築いています。
地域独特の風習、人間関係等に配慮できる営業マンであれば、売買の交渉中に買い主の機嫌を損ねるといったミスをする心配もありません。
大手業者よりも、狭く深い範囲で買い主を探せるのが、地元業者の強みです。
●不動産買取業者に直接買い取りをお願いする
とにかく早く土地を現金化したいなら、不動産買取業者を利用するという手もあります。
買取業者は、価値のある土地や建物を直接、買い取ってくれるため、広告を作ったり、買い主を探したりする必要がありません。
とはいえ、田舎の土地は、不動産市場で不人気です。
買取価格は市場価格より安くなるので、少しでも良い条件で土地を買ってくれる業者を見つけられるよう、複数の買取業者に査定を頼みましょう。
●自治体や企業に売り込む
マイホームが欲しい一般人ではなく、自治体や企業に土地を売り込むという方法です。
移住者用の住宅や太陽光発電、物流拠点に店舗などを探している相手がいれば、田舎の土地も良い条件で売れるでしょう。
ただし、自治体や企業相手の商談は時間がかかるので、手続きには気長に取り組む必要があります。
なお、どうしても田舎の土地が売れない場合、相続した土地、さらに国道沿いなどある程度条件の良い土地限定で、負担金を納めると国に土地を引き取ってもらえる制度、相続土地国庫帰属制度の利用が可能です。
売れやすくするための工夫とアピール方法
●インターネットを利用して集客する
田舎の土地を売りたい時は、インターネット広告に力を入れましょう。
不動産の広告閲覧数が伸びれば、その分条件の合う買い主の目に留まる確率が高まりますし、田舎の土地が欲しい方に刺さる広告内容であれば、問い合わせや成約率もアップします。
不動産業者の店頭に掲示する広告や、チラシに比べて高画質な写真、詳しい説明文を掲載できるため、土地の魅力を伝えるという意味でも、ネット広告の重要性は高いです。
現地の様子を動画で紹介したり、遠方の購入希望者に対してはビデオ通話で現地を見せたりして、問い合わせを増やしましょう。
●都市部にない魅力をできるだけ具体的に紹介する
田舎の土地を売るために必要なのは、田舎の土地にどういった魅力があるのかを、具体的に伝えることです。
たとえば、「広い庭があり家庭菜園やBBQができる」「隣家と距離があるため大音量で音楽や映画を楽しめる」「国道から離れており夜も静か」「温泉や観光地に近く家族で休日を満喫できる」といった要素をアピールしましょう。
その土地を買えばどういう生活ができるのか、イメージできるように伝えるのがポイントです。
●余裕を持った売却スケジュールを組む
田舎の土地は、基本的に短期間で売却できません。
売り急いでも結果は出ないため、できれば最低でも半年から1年以上のスパンで売却活動を進めましょう。
売却期間を長く取れば、問い合わせがこないときに価格を見直したり、別の宣伝手法を試したりもできます。
幸い、田舎は固定資産税が安いため、焦らずに買い主を探しましょう。
田舎の土地を売りたい時の注意点
●農地は自由に売却できない
売却を検討している土地が農地である場合、慎重に準備を進める必要があります。
なぜなら、農地は原則農家にしか売却できず、売却する際は地域の農業委員会の許可も必要だからです。
農地を宅地に転用して売却するという手もありますが、農地転用は個人が簡単にできるような手続きではありません。
農地は売却のハードルが高いため、相続土地国庫帰属制度の利用も考えつつ、売却手続きを進めましょう。
●親族トラブルやご近所トラブルの予防が必要
田舎は、親族や近隣住民の結びつきが強く、売却時に親族トラブルやご近所トラブルになる可能性があります。
たとえば、相続した土地を手放したいが、親族が強硬に反対している、隣人と仲が悪く、境界の確認を拒否される等の嫌がらせをされ、手続きが進まないなどです。
こうしたトラブルを避けるためには、売却手続きを始める前に、関係者から売却の合意を取っておいたり、近隣住民と和解したりしておく必要があります。
必要に応じて弁護士等の力も借り、トラブルのリスクがない状態で売却を目指しましょう。
まとめ
田舎の土地は、都市部と比較して需要が限られるため、売却の難易度が高いです。
しかし、田舎に魅力を感じる消費者や企業は、ゼロではありません。
ネット広告に力を入れたり、具体的に田舎や土地の良さをアピールしたり、トラブルになりそうな要素を事前に対処しておいたりすれば、田舎の土地も十分に売却可能です。
田舎の土地は、売却に時間がかかります。
焦る必要はないので、丁寧に売却手続きを進めて、条件の合う買い主を探しましょう。