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残置物の処分はどうする?不動産の売却までに知っておきたい方法や費用の目安を解説

2023.11.07

残置物の処分はどうする?不動産の売却までに知っておきたい方法や費用の目安を解説

残置物は、一般ゴミや粗大ゴミとしてゴミ収集に出したり、リサイクルショップなどで売ったり、業者に処分を依頼したりすることで処分できます。

ただし、残置物は、基本的に前住人の所有物。
賃貸物件など、売り主が残置物の所有権を持たない場合、勝手に残置物を処分すると器物損壊等の罪を問われる可能性もあるため、不動産を売るなら残置物についての知識が必要不可欠です。

本記事では、不動産の売却前に知っておきたい残置物の処分方法や、処分費用の目安、残置物のある家を売るときの注意点などを解説します。

残置物とは?残置物は売り主の判断で処分できる?

●残置物は前の住人が残した家具や荷物

残置物とは、前の住人が退去する際に残していった家具・家電・日用品などの荷物です。
不動産売却では、残置物がある物件は、残置物を処分してから売る必要があります。
残置物があると、荷物で部屋の広さや状態がわかりづらくなり、売却面で不利だからです。
ただし、残置物を売り主の判断で処分できるかどうかは、物件によって変わってきます。

●売り主が相続した物件の残置物は売り主判断で処分できる

もし、売り主が居住用の住宅を相続しているなら、残置物の所有権も売り主に移っているため、売り主の判断だけで残置物を処分可能です。

ただし、残置物の処分にかかる費用は、売り主が負担することになります。
残置物の処分費用を売却価格に上乗せすると、ライバル物件よりも割高になり、売りづらくなるので、処分費用を回収するのは困難です。
残置物のある家を売るときは、できるだけ残置物を自分で処分し、処分費用を節約する必要があります。

●賃貸物件の残置物は自由に処分できない

売却を検討している不動産が賃貸物件である場合、残置物を売り主の判断だけで処分できません。
なぜなら、賃貸物件の残置物は、借主が退去する際に置いていったものがほとんどで、法的な所有者は前の住人だからです。
勝手に残置物を処分すると、窃盗罪や器物損壊罪に問われるため、処分する際は前の住人に連絡を取り、処分の同意を得る必要があります。

なお、入居時の契約書に、残置物を一定期間で処分する旨を明記していれば、同意なしで残置物を処分可能です。

残置物の適切な処分方法

●不用品を分別し家庭ゴミとしてゴミ収集に出す

残置物の処分方法として手軽なのが、家庭ゴミと同様に、地域の分別ルールに従って、ゴミとして回収してもらう方法です。
可燃ゴミやプラスチック、瓶・缶などの残置物は、ゴミ収集車に回収してもらえます。

ただし、家電リサイクル法の対象になる家電製品や、通常のゴミとして回収できない大型の家具などは、家庭ゴミとして処分できません。
購入店に連絡して引き取ってもらったり、粗大ゴミとして処分したりする必要があります。

●ゴミ処理場に持ち込む

残置物をまとめて処分したい場合や、粗大ゴミの回収費用などを節約したい場合は、残置物を自分でゴミ処理場に持ち込むのも有効です。
必要に応じて軽トラックなどを借り、まとめて残置物を持ち込めば、粗大ゴミの回収日まで荷物をどこかに置いておく必要もありません。
できるだけ早く残置物を片付けたいときに、効果的な処分方法です。

●お金になるものはリサイクルショップやフリマアプリで売却

残置物の中に、ブランド品やまだ使える家具・家電などがある場合、リサイクルショップやフリマアプリで売却しましょう。
多少の時間や手間はかかりますが、本来処分費用のかかる残置物をお金に変えられるため、処分費用を節約できます。
コレクター向けの収集品や学術書など、素人が見ても価値がわかりづらいアイテムが、まとまった金額になることも珍しくないので、残置物を処分するときは丁寧に仕分けることも大切です。

●専門の業者に残置物の処分を依頼する

忙しくて自分で残置物を片付ける時間を取れなかったり、ゴミ屋敷化していたりする場合は、不用品の回収業者や清掃業者に残置物の処分を依頼しましょう。
業者に依頼を出せば、残置物の分別・運搬・処分まで、全ての作業を任せられます。
思い出の品や現金、価値のある遺品などが見つかった場合は確認してもらえるため、重要なアイテムを間違って捨ててしまう可能性も低いです。

残置物のある不動産の売却方法

●残置物を処分してから買い主を探す

残置物のある不動産の売却方法は、残置物を処分してから買い主探しを始めること。
残置物を処分し、家の中を片付けてから売却活動を始めれば、きれいな写真で物件をアピールできますし、内覧時の印象も良くなります。
また、残置物を処分することによって、買い主が引っ越し作業やリフォームをしやすくなるのもポイントです。
比較的、新しいエアコンなど、一部の家電以外は、残していても買い主に歓迎されません。
売却をスムーズに進めるための必要経費として、残置物の処分にお金や時間を使いましょう。

●残置物込みで引き取ってくれる買い主を探す

時間や予算の関係上、残置物を処分する余裕がない場合、残置物込みで不動産を売るという方法もあります。
この方法のメリットは、家を片付けなくても良いことです。

ただし、残置物があることによって物件の価値が下がるので、売却価格は相場よりも安くなりがちですし、買い主の選択肢も狭まります。
価格が安い分、大がかりなリフォームを検討している方におすすめの物件になるため、売り込むターゲットを絞って売却活動をすると良いでしょう。

●買取業者に残置物ごと引き渡す

仲介業者経由で不動産を売却する時間的な余裕がない場合や、一般的に人気のないエリアの物件を手早く売りたい場合、頼りになるのが買取業者の存在です。
不動産の買取業者は、多くの場合残置物込みで物件を買い取ってくれます。
残置物の処分をする必要がなく、査定結果に満足できればすぐに売却できるため、急いでいるときに適した方法です。
一方、買取価格は、市場価格よりも安くなります。
物件によっては買取に応じてもらえないケースもあるので、残置物のある不動産を急いで売りたいときは、一度見積もりを頼みましょう。

残置物の処分にかかる費用の目安

残置物の処分を業者に依頼する際の費用相場は、戸建て住宅で15万円以上、マンションだと10万円以上です。
具体的な金額は、残置物の量や内容などによって変わります。
面積あたりでいえば、1立法メートルあたり5,000円から1万円ほどですが、運搬の大変な大型家具・大型家電の量が多かったり、トラックが入りづらい場所に家があったりすると、費用が高くなりやすいです。

一方、残置物を売り主自身の手で処分する場合、ゴミ袋の購入費や粗大ゴミの回収費用が、数百円から数千円で収まります。
ただし、冷蔵庫・エアコン・テレビなど、家電リサイクル法の対象製品が複数あると、運搬料とリサイクル料で数万円必要になるため、残置物の量や内容を見て、業者に依頼するか考えると良いでしょう。

残置物の処分費用を抑えるポイント

●売り主の手で残置物を処分する

残置物の処分費用を抑える最も手軽な方法は、売り主が自ら処分することです。
一般ゴミやプラスチックは、ゴミ袋さえあれば自治体のごみ収集で処分できますし、残置物の仕分けや分別をする際に家具や家電をリサイクルショップなどに売却すれば、処分費用も補填できます。
また、ゴミ処理施設へ残置物を持ち込めば、粗大ゴミの回収費用も節約可能です。
例えば、仙台市でゴミを自己搬入すると、100キロまで1,500円で処分してもらえます。

●業者に依頼する場合は相見積もりを取る

残置物の処分を業者に依頼する場合、相見積もりを取るのが効果的です。
相見積もりを取ることで、よりサービスの充実した業者や、価格の安い業者に作業を頼めます。

ただし、見積もりの時点では安くても、契約後にあれこれと追加料金を上乗せしてくる悪徳業者も存在するため、相見積もりを取るときは、利用者の実績や口コミを確認しましょう。

また、残置物の処分費用は、現地見積もりでないと正確な金額がわかりません。
電話見積もりやネット見積もりだけだと、「おそらくこれくらいの金額です」以上の情報を得られないので、業者に依頼する際は、現地見積もりができる業者、追加料金なしで費用を出してくれる業者を選ぶことが大切です。

残置物のある物件を売る時の注意点

●地域の分別ルールを守る

残置物を自分で処分する場合、地域の分別ルールを守りましょう。
分別ができていないと、ゴミをまとめても回収してもらえません。
特に、粗大ゴミや家電リサイクル法の対象製品は、一般ゴミと異なる方法で処分する必要があるため、注意が必要です。
また、ゴミの収集日や粗大ゴミの回収日は、地域ごとに決まっています。
間違った曜日にゴミを出すと、回収してもらえませんし、粗大ゴミの回収予約を忘れると、次の機会まで大型ゴミを物件内で保管しておくことになるため、注意が必要です。

●現金や貴重品の有無を丁寧に確認する

残置物の中から、へそくりや貴重品、思い出の品などが見つかる場合があります。
自分では使わないからといって、残置物をまとめて捨てると、一緒に現金や写真なども処分してしまうので、注意が必要です。

特に、実家や親族が住んでいた家を相続した場合、思わぬところに大金が隠れている可能性もあります。
残置物を処分するときは、家具の引き出しや床下、衣類のポケットに本の間なども丁寧にチェックしましょう。

まとめ

残置物の処分方法は、一般ごみとして自分で処理する、売れるものを売却する、業者に任せて処分してもらう、のどれかです。
荷物の量や内容にもよりますが、残置物があると不動産の資産価値が下がるので、不動産を売るときは、手間やお金を費やして残置物を処分しましょう。

なお、残置物の処理費用は、戸建てなら15万円以上が相場です。
ゴミを自分でまとめて地域のゴミ処理場へ持ち込めば、運搬費用や処分費用を節約できるので、無理のない範囲で残置物の処分を進め、売却の準備を整えましょう。

 

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