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不動産売却はキャンセルできるの?仲介手数料等の扱いについて解説

2023.11.07

不動産売却はキャンセルできるの?仲介手数料等の扱いについて解説

不動産売却は複雑な手続きなので、いつ・どのタイミングで取引や契約をキャンセルするかによって、仲介手数料がかかったり違約金がかからなかったりします。

ただ、そうはいっても、売却をキャンセルせざるを得ない場合もあるでしょう。
そこで今回は、不動産売却はキャンセルできるのか、どのタイミングでのキャンセルだとお金がかかるのか、逆にキャンセルしてもお金がかからないのはどういったケースなのか、明らかにしていきます。

不動産売却はキャンセルできるの?

●不動産売却はキャンセルできる

結論からいうと、不動産売却はいつでもキャンセル可能です。
ただし、不動産業者を交わす媒介契約も、買い主と交わす売買契約も、基本的にお互いの合意に基づいて交わすもの。
両者が同意してキャンセルするならともかく、売り主が一方的にキャンセルすると、ペナルティーを受ける場合があります。
そのため、不動産売却のキャンセルは、ペナルティーのないタイミングを見計らったり、ペナルティーの重さとキャンセル理由を秤にかけ、キャンセルするかどうかを見極めたりすることが大切です。

●売り主側の良くあるキャンセル理由

売り主側のキャンセルは、以下のような理由で発生します。

  • 査定結果に納得できなかった
  • 不動産業者の担当者とウマが合わない
  • もっと高く買ってくれる買い主が見つかった
  • 法外な値引きをふっかけられた
  • 自分で不動産を使う用事ができた
  • 事情が変わって売却を急ぐため買い取りを利用したい

上記の通り、売り主事情のキャンセルは決して珍しいものではありません。
取引を止めたい事情ができたら、気兼ねせずにキャンセルしましょう。

不動産売却をキャンセルしたら仲介手数料はどうなるのか

仲介手数料とは、売却の成功時に不動産業者へ支払う報酬です。
金額は、「不動産の売却価格×3%+6万円」が法律上の上限とされています。
一般的に、仲介手数料の支払いが発生するのは、「売買契約を結んだ時」と「不動産の引き渡し日」なので、売買契約を締結する前に取引をキャンセルすれば、仲介手数料はかかりません。

ただし、悪質な業者だと、広告費といった名目で本来請求できない仲介手数料を請求してくる場合があります。
「売買契約前のキャンセルだと仲介手数料はかからない」ことを把握し、万が一、不当な請求をされても拒否できるようにしておきましょう。

キャンセルの理由やタイミングによっては違約金がかかる

●売買契約を交わした後のキャンセルは手付金の倍返しが必要

不動産売却では、売買契約を結ぶとき、売り主・買い主が安易にキャンセルできないよう、またはお金さえ払えば正当な手続きでキャンセルできるように、買い主から手付金をもらいます。
売買契約の締結後、売り主事情でキャンセルする場合、買い主から受け取った手付金の倍額を返却する必要があります。
逆に、買い主側がキャンセルする場合、手付金を放棄する必要があるので、売り主は受け取った手付金をそのままもらえます。

●専任媒介契約・専属専任媒介契約の途中解約は違約金がかかる

不動産業者と結ぶ仲介業務の契約、媒介契約の中で、専任媒介契約と専属専任媒介契約を結んでいる場合、契約期間中に途中解約すると、違約金を請求される場合があるので注意が必要です。

ただし、キャンセル時の違約金については、契約内容によって変わります。
途中解約を考える場合は、業者と交わした媒介契約の契約書を確認しましょう。

売却をキャンセルしても仲介手数料や違約金がかからないケース

●売買契約を交わす前のキャンセル

仲介手数料が発生するのは売買契約の締結時。
つまり、売買契約を結ぶ前、買い主を見つける前のキャンセルなら仲介手数料はかかりません。
また、専任媒介契約・専属専任媒介契約の途中解約で違約金が発生するのは、「法律で契約期間が最大3ヵ月と決まっているから」です。
一般媒介契約は、契約期限の縛りがないのでいつキャンセルしても違約金不要ですし、専任媒介契約・専属専任媒介契約も、3ヵ月待って契約期間が終わったタイミングなら違約金なしで解約できます。

●住宅ローン特約によるキャンセル

売買契約の締結後は、通常無料での契約キャンセルができません。
しかし、売買契約書に住宅ローン特約があり、買い主が住宅ローン審査に落ちて代金の支払いができなかった場合、売り主も買い主もペナルティーなしで取引をキャンセルできます。
住宅ローン特約とは、「買い主が住宅ローン審査に落ちた場合、契約を白紙撤回する」という特約のことです。
ただし、具体的な特約の中身は契約によって違います。
売買契約を結ぶときは、特約の中身もチェックしましょう。

まとめ

不動産売却のキャンセルは、タイミング次第で仲介手数料の放棄や違約金、手付金の倍返しが必要です。

ただし、基本的に売買契約を結ぶ前なら、専任媒介契約・専属専任媒介契約の途中解約をしない限り、取引をキャンセルしてもお金はかかりません。

無料でキャンセルできる機会は意外と多いです。
できるだけトラブルにならないように、キャンセルするときはタイミングを見計らいましょう。

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