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どんな家なら売るより貸すほうがお得なの?持ち家の賃貸運用とは

2023.07.27

どんな家なら売るより貸すほうがお得なの?持ち家の賃貸運用とは

不動産売却を考えているものの、可能であれば賃貸運用も検討したいという方は少なくないでしょう。
住まない家を賃貸に回して上手く運用できれば、毎月「家賃」という不労所得を得られるのです。

ただ、世の中にある全ての不動産が、賃貸として上手くいくわけではありません。
今回は、売るより貸すほうがお得な不動産の条件や、賃貸運用するかどうかを見極めるために必要な収支計算の基礎、持ち家を賃貸運用する際の注意点などを解説します。

不動産を貸した方がお得なケース

●駅近・好立地なマンションで高い家賃を設定できる

基本的に、持ち家を賃貸にして上手くいくのは、駅近や有名エリア内など、立地の良いマンションを所有している場合です。
条件の良いマンション物件は、賃貸物件を探す層にとっても使い勝手が良いため、借り主の確保も楽ですし、家賃も高く設定できます。
一方、駅まで車で30分以上かかる一戸建てなどは、そもそも賃貸物件を探す方の数が少ないので、借り主を見つけられない可能性が高いです。
貸した方が儲かる可能性が高い場合は、賃貸に出すことを検討しましょう。

●将来的に元の家へ戻ってくる予定がある

賃貸物件が儲からなくても、不動産を売るより貸した方がお得なのが、将来元の住まいへ戻ってくる予定があるケース。
海外赴任や留学、長期の転勤などで持ち家から離れる場合、不動産を賃貸していれば、戻ってきたときに改めて家探しをする必要がありません。

また、家は空き家のまま放置していると傷みます。
日々の掃除や換気によって不動産を長持ちさせられるので、利益を考えない場合は、友人や知人など、信頼できる相手に貸すと良いでしょう。

持ち家の賃貸運用を考えるときは収支を計算しよう

持ち家の賃貸運用を検討する際、重要なのが収支計算をすることです。
家賃からローンの支払いや管理会社に支払う手数料、固定資産税などの税金を引いても手元にお金が残るなら、賃貸運用する価値があると判断できます。
なお、賃貸物件の収支を考えるときは、空室リスクも考慮に入れましょう。
空室リスクとは、「年間○%は空室になって家賃が取れない期間ができる」という想定のことです。
賃貸物件の場合、おおよそ年間の10%前後空室になり、各種手数料や税金は家賃の10%から15%ほどかかるとされているため、まずは地域の家賃相場を調べ、仮の家賃を設定して利益が出るのか計算してみましょう。

持ち家を賃貸にするときの注意点

●入居者トラブルやクレームの予防・対処が必要

賃貸物件の入居者トラブルやクレームに対応するのは、不動産の所有者です。
「ペットの飼育を禁止しておらず壁紙がボロボロに」「深夜や早朝に騒音を出しトラブルになっている」「家賃の未払いで困っている」といった状況にならないようにするためには、契約書を作り込み、入居者審査を厳しくする必要があります。

ただ、個人でこれらの対応をするのは困難です。
持ち家を賃貸にするときは、管理会社に物件の管理業務を委託すると良いでしょう。

●住宅ローンの返済中に賃貸すると規約違反になる

住宅ローンの規約では、「ローン返済中の賃貸運用」を禁止されていることが多いです。
もし、金融機関に黙って住宅ローン返済中の家を賃貸に出すと、規約違反のペナルティーとして、ローン残債の一括返済を求められることになります。

しかし、事前に金融機関へ相談すれば、賃貸運用に対応したローンへの借り換えなども案内してもらえる可能性があるので、ローンを完済していない不動産を賃貸にするときは、まず金融機関に相談しましょう。

●リフォームや修繕等のお金がかかる

物件によっては、賃貸に出す前にリフォームや修繕工事が必要になる場合があります。
古い住宅や、メンテナンスをしていなかった住宅だと、100万円以上かかることも珍しくはありません。
また、リフォームする場合、設備のグレードやデザインをどうするかも考える必要があります。
リフォームや修繕にお金をかけすぎると、家賃収入で初期投資を回収するのが難しくなるため、必要最低限の工事で賃貸を始められるように見積もりを取りましょう。

●確定申告をする必要がある

不動産の賃貸収入は、所得の一種なので、持ち家の賃貸運用を始めると確定申告を行う必要があります。
普段は自分で確定申告をしなくて良いサラリーマンも、賃貸運用を始めたら毎年確定申告が必要です。
申告をしなければ、無申告加算税などのペナルティーを受けることになります。
賃貸運用を始める場合、税や申告について勉強したり、税理士に相談したりして、確定申告の準備を進めましょう。

まとめ

不動産を使う予定がなくなったときは、売却するのではなく、賃貸運用するという選択肢も選べます。
駅近・好立地の物件なら高い家賃を設定して利益を出せますし、将来的に元の家に戻る予定があるなら売るより貸す方がお得です。

ただし、収支計算や税務など、賃貸物件を運用するための知識がないと、持ち家を賃貸にしたところで儲かりません。
賃貸にすべきかどうかを個人で判断するのは難しいものです。
迷ったときは、不動産業者や書籍・インターネット上の情報などを参考にして、自分に合った選択を行いましょう。

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