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再建築不可?高さ制限?不動産売却を妨げる各種の制限を紹介

2019.08.06

不動産売却を妨げる各種の制限

不動産は、「ほかの物件にないデメリット」を複数持っていればいるほど、売却の難易度が上がります。売却交渉で不動産の弱点をつかれると、値引き交渉で不利になってしまうので、事前に弱みとなる不動産の制限を知っておきましょう。

今回は、高額売却や短期売却を目指す人が押さえておきたい、住宅の各種制限について解説していきます。

不動産売却をする人が知っておきたい土地・建物の制限まとめ

●再建築不可

古くから建っている住宅に良くあるのが、「再建築不可」の土地です。
簡単に説明すると、「再建築不可」の不動産は、どれだけ老朽化していても建て替えできません。

具体的には、建築基準法の接道義務を果たしていない場合は再建築不可です。
本来、家を建てる時は、緊急時に消防車や救急車を横付けできるように、「幅4メートル以上の道路に2メートル以上接する」必要があります。

しかし、接道義務ができる前に建てられた家や、区画整備で道路の幅や場所が変わってしまった家など、接道義務を果たしていない場合は建て替えの許可が下りないのです。

再建築不可の不動産は、

  • リノベ好きの層に安く売り出して短期売却を狙う
  • 家を解体して更地にすることで売却額アップを狙う

といった販売戦略を取れません。
不動産の売り方をも左右してしまう制限なので、家を売る時は再建築不可に当てはまるかどうかを調べてから売却手続きを進めましょう。

●建ぺい率

建ぺい率とは、「住宅1階部分の床面積を、敷地面積の○%以下に抑える」という制限です。
家を新築したり、大規模な増改築をしたりする場合、設計図を作ってから行政に建築許可を申請する必要があります。住宅の床面積が建ぺい率を越えていると、建築許可を出してもらえません。

更地を売る場合はあまり関係のない制限ですが、増改築を前提に中古不動産を売り込む場合、建ぺい率が足かせになることもあります。

建ぺい率そのものは土地によってパーセンテージが異なるため、事前に確認しておきましょう。

●容積率

容積率は、「住宅の延べ床面積を、敷地面積の○%以下に抑える」という制限です。
基本的には建ぺい率と同じような制限ですが、容積率の場合は建物の延べ床面積を対象とします。
「2階建てまでなら対応できるが、3階建ては容積率の制限に引っかかる」といった制限ができるため、最初から限界に近い容積率で建てている家は、安易に増改築できません。

なお、不動産の容積率は、一部用途地域に当てはまると制限が緩くなることもあります。

●絶対高さ制限

不動産の世界において、建築基準法と同じくらい重要性の高い法律が、「都市計画法」です。
都市計画法は無秩序な建設を制御するための法律で、住環境や景観を保護するためにさまざまな決まりを設けています。

その中で不動産に直接関係してくるのが、「絶対高さ制限」です。
名前の通り、都市計画法では地域によって「建設できる建物の高さ」を決めており、絶対高さ制限より背の高い家は建築できないようになっています。

たとえば、第一種・第二種低層住宅専用地域の絶対高さ制限は、10~12メートルです。
特別な許可を取得しない限り、「1回の床面積を狭くする代わりに、5階建て・6階建ての家を建てて容積率をクリアする」といった住宅建設はできません。

とはいえ、一般的な2~3階建て物件であれば、都市計画法の絶対高さ制限に引っかる心配はしなくても良いでしょう。

●斜線制限

斜線制限とは、「ある地点から空へ向けて斜めに引いた線から、建物がはみ出さないようにする」という制限のことです。

  • 道路斜線制限
  • 隣地斜線制限
  • 北側斜線制限

の3種類があり、それぞれ斜線の開始点が異なります。

道路斜線制限の場合は、「目の前にある道路の家から遠い側」から空へと引いた斜線、隣地斜線制限なら「高さ20メートルないし31メートル地点」から引いた斜線、北側斜線制限だと「北側にある土地の高さ5メートルまたは10メートル地点」から引く斜線が基準です。

なお、斜線の角度は、横1メートルに対して高さ1.25メートル、または横1メートルに対し高さ1.5メートルのどちらかが適用されます。

●建築基準法全般

  • 家を建てた後に法律が変わって、違法建築状態になった(既存不適格)
  • そもそも建築基準法をクリアしていない(違法建築)

といった物件も、売るのが難しいです。

既存不適格や違法建築はリフォームに大幅な制限がかかるため、必要に応じて住宅の現状を調査したり、建て替えのおすすめプランを紹介したりして、マイナスポイントを解消しましょう。

まとめ

再建築不可や高さ制限、建ぺい率・容積率など、不動産売却を妨げる各種制限に当てはまる住宅は、短期売却や高額売却しづらいです。

制限によっては売却戦略の立て方も変わってくるので、不動産のマイナスポイントをうまく打ち消して売却できるように、代表的な不動産の制限について把握しておきましょう。

ただし、不動産の制限内容は種類が多いです。自分の家にどのような制限が当てはまるのかわからない場合は、ぜひ一度、当店へご相談ください。

 

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