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マンションの共用部はどこまで「専有部」「共用部」でよくある勘違い

2020.12.08

マンションの共用部はどこまで「専有部」「共用部」でよくある勘違い

マンションなどの集合住宅ではよく専有部や共用部という言葉を耳にしますが、これらの言葉は何を意味しているのでしょうか。実際にマンションを購入する際などには、これらの区分所有を理解しておくことが重要です。

そこで、この記事では不動産などで使われている区分所有という考え方を軸に、専有部と共用部がそれぞれ何を意味するのかについてご紹介します。特に共用部分と専有部分で違いがあるため、それぞれの違いについては把握しておきましょう。

「区分所有」とは

マンションの専有部や共用部について理解するためには、まず区分所有という言葉を理解しなくてはなりません。この区分所有というのは、マンションの中でも主に分譲マンションなど、建物内部が独立した住居などいくつかの部分に区分されている場合において、区分されている各部分を所有することを指しています。

つまり、区分所有とは同じ建物内部であっても「どこからどこまで所有しているのかを明確にするための区分」となるわけです。

事実、これらの区分に関しては「建物の区分所有等に関する法律」において定められています。特に建物の区分所有においては1棟の建物でいくつかの部分に区分されている住居や店舗、事務所や倉庫、そのほかの建物として使うものがある場合、その各部分は法律によってそれぞれの目的に分けて所有権を持てると定められています。

なお、それら区分所有権を持っている人は区分所有者とよばれるのが普通です。これらの言葉は簡単にいえば各不動産の「オーナー」のことを指しています。

「共用部分」と「専有部分」

区分所有において重要となるのが、共用部分と専有部分です。これらの言葉からすでに察している方もいるでしょうが、要は共用部分は他人と共用する部分のことであり、専有部分はオーナーだけが持つ専有の部分のことを指しています。

以下、それぞれ特徴をまとめたので、併せて確認しておきましょう。

「共用部分」とは

共用部分とは、すべての区分所有者が共用する部分のことを指しています。簡単に解釈するなら外に触れている部分は原則として共用部分と思っておけば間違いありません。区分所有法では1棟の建物には共用部分と専有部分しかないとしているため、不動産において専有部分ではない部分は付属品も含めてすべて共用部分となるわけです。

さらに、そんな共用部分の中でも2つの区分があります。1つは区分所有法で定められる「法定共用部分」です。そして、もう1つがマンションの規約により定められている「規約共用部分」です。この2つの解釈が必要となるため、どこからどこまでが共用部分なのかを理解しておくことが大切です。

「専有部分」とは

専有部分とは、区分所有権の目的である部分のことを意味します。簡単にいえば対象となる部屋の中のことです。分譲マンションを例にするなら、住むことを目的とした各部屋を指しています。この部分は区分所有法において、構造上・利用上の独立している部分と定められているのが特徴です。

ただ、どこから専有部分でどこから共用部分なのかについては、いくつかの見解があります。たとえば、壁などを建築する際にどの方法を採用するかによって、壁を専有部分の一部とするのかそれとも共用部分の一部とするのかが違ってくるわけです。そのため、専有部分の区分についてもマンションの規約をよく確認することが重要です。

実はここも「共用部分」!

意外と知られていないのですが、思わぬ部分が共用部分とされていることもあります。
以下は主な共用部分とされる場所のため、マンションなどを購入する方はしっかりと共用部分を理解した上で契約しましょう。
なお、下記でご紹介するものは標準管理規約を参考にしたものです。特に勘違いされやすいものをまとめているため、事前に確認しておきましょう。

1.ベランダ
2.バルコニー
3.テラス
4.内・外壁
5.屋根・天井
6.床
7.支柱
8.基礎
9.車庫

これらは多くの方が専有部分と勘違いしてしまいそうですが、条件によっては共用部分となります。原則として基本的な構造部分は共用部分として認識することが必要で、そのほかにも独立性のない区画なども共用部分と認識しておくことが必要です。

ただし、区分所有法では具体的に専有部分と共用部分の境界を定めているわけではないため、条件によっては解釈が違ってくることもあるでしょう。

たとえば、以下のような基準があります。

1.内壁基準
2.壁心基準
3.上塗基準

原則として壁や床や天井などは中にも外にも影響しているため、区分としては共用部分となります。
しかし、内壁基準では境界部分の内側の表面までは共用部分とされているのに対して、壁心基準では境界部分の厚さの中心から内側までが専有部分となるとされているのです。
そのほか、上塗基準では躯体は共用部分とされ、境界となる壁や床や天井などの上塗り部分が専有部分となることもあります。

基本的に玄関や廊下や階段などは共用部分となり、そのほかのエレベーター室や電気室や機械室なども共用部分となります。この解釈を明確にしておくことが、主にマンションの購入などでは重要となってくるでしょう。

解釈としては「みんなのために使うものは共用部分」と覚えておくとわかりやすいかもしれません。
ただ、条件によっても異なるからこそ後々になってからトラブルにならないためにも、契約の際には必ず確認しておくようにしましょう。

共用部分と専有部分の費用負担の違い

共用部分と専有部分には費用負担の違いもあります。正しく理解しておきましょう。

まず、共用部分と専有部分の大きな違いの1つに、費用負担というものが存在することを理解しておきましょう。たとえば、備え付けのインターフォンが壊れてしまったとき「誰が費用を負担するのか」という観点から考えていくとわかりやすいです。

以下、共用部分と専有部分の違いとなります。

  • 共用部分:管理組合
  • 専有部分:区分所有者

これらの違いとしては所有権があるかないかによって変わってきます。
たとえば、その不動産のエレベーターが壊れた場合に区分所有者が費用を負担するというのは納得できませんよね。これらは専有部分ではなく共用部分となるため、主に管理組合が費用を負担するというのが原則です。

そのほか、窓ガラスなどは専有部分ではなく共用部分となるため、自然災害や熱割れなどによって破損した場合の修繕費用は管理組合が負担してくれます。
しかし、逆に居住者が誤って破損させてしまった場合などの修繕費用は区分所有者の負担となります。

これら共用部分と専有部分で費用負担にも違いが出てくるため、万が一のときにはどちらが費用を負担するのかも契約の際に確認しておきましょう。

まとめ

マンションなどを購入する際、どこからどこまでが専用部で共用部なのか勘違いしている方も意外と多いです。思わぬ場所が共用部分となる他、逆に専有部分として自分で管理しなくてはならない区分もあるため、事前に確認しておきましょう。

特に、区分所有によっては費用負担の割合も変わってくるため、万が一のときに供えて保険に入る他、費用負担が誰になるのかも正しい解釈が必要です。それらの点もしっかり認識したうえで契約しましょう。

分譲マンションなどは区分がわかりにくい物件もあるため、法律はもちろんマンションごとの管理規約も確認しておいてください。

 

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