column 592.

悪徳業者の手口!不動産売却の片手取引・両手取引って何?

2022.09.27

悪徳業者の手口!不動産売却の片手取引・両手取引って何?

不動産業界には、利用者側の知識のなさにつけ込む悪徳業者が存在します。
そんな悪徳業者が好んで使う手口の一つが、両手取引と呼ばれる不動産売買手法の悪用です。
悪徳業者に対抗するには、不動産売買について学ぶ必要があります。

今回は、不動産売却の専門用語である片手取引・両手取引の違いや、悪質な両手仲介の対策方法を押さえましょう。

不動産売却における片手取引・両手取引とは

●片手取引とは

片手取引とは、売り主と買い主がそれぞれ別の不動産業者と仲介契約を結んでいる状態のことです。
不動産売買では、取引を仲介してもらった業者に対して「仲介手数料」というお金を支払います。
片手取引の場合だと、売り主は取引相手を探してきてくれた自分側の不動産業者Aに対して仲介手数料を支払い、買い主は好みの物件を見つけてきた買い主側の業者Bに対して仲介手数料を支払うわけです。
仲介手数料は、「不動産の売買価格×3%+6万円」が上限なので、片手取引だとA社とB社はそれぞれ同じ額の仲介手数料を受け取ることになります。

●両手取引とは

両手取引は、売り主から不動産売却の相談を受けた仲介業者が、自社で買い主を見つけてくるという取引の状態です。
売り主と買い主がそれぞれ別の不動産業者と契約する片手取引と違って、両手取引だと一つの不動産業者が売り主と買い主2人分の仲介手数料を受け取ることになるので、業者側の利益は倍になります。

当然、不動産売却の相談を受ける業者としては、片手取引より両手取引をできた方がお得です。
そのため、一部の不動産業者では、自社で買い主を見つけるまでわざと他社からの問い合わせや内覧の申し込みを拒否するという、あくどい手口が横行しています。

両手取引で不動産の売り主が受けるデメリット

●不動産の売却時期が遅れる

悪質な両手仲介を不動産業者が行った場合、売り主が受けるデメリットは売却時期が遅れてしまうことです。
両手仲介を狙う業者は、自社の顧客から買い主を見つけようとするため、他社から問い合わせがきてもまともに対応しませんし、広告自体も積極的に出してくれません。
他社を含めると地域に不動産の買い主候補が100名いたとしても、両手仲介を狙う業者の顧客が10名なら、需要のたった10%にしか不動産をアピールできないのです。
広告を見る方、内覧にくる方が減ると、不動産の成約も遅れてしまいます。

●条件の良い買い主を逃してしまう

両手仲介だけを狙う不動産業者と契約した場合、他社経由で条件の良い買い主が「この物件について詳しく話を聞きたい」「内覧したい」と問い合わせて来ても、不動産業者は対応してくれません。
「現在商談中でご紹介できない」「つい先日成約が決まったばかりで」といった嘘をつき、自社で買い主を見つけてきたほうが儲かるからです。
もし、悪徳業者が断った相手が不動産を高く買ってくれる買い主だったとしたら、売り主は金銭的にも損をすることになります。

両手取引を防ぐのは難しい

両手仲介は、多くの場合売り主にとってメリットのない取引です。
ただ、両手仲介を一般人が防ぐのは簡単なことではありません。
なぜなら、両手仲介を狙っているかどうかは外から見てもまずわからないからです。
悪質な両手仲介、他社への紹介をこばむ「囲い込み」と呼ばれる手口は、多くの場合、問い合わせに対して「先約があって今は物件をご紹介できない」と答えます。
囲い込みはともかく、両手仲介自体は偶然起きることもあるので違法ではありませんし、実際に先約が入っていたら不動産を紹介できないので、事実確認が難しいのです。

また、囲い込みを常習的に行っている不動産業者は、囲い込みをしていることがバレないように細心の注意を払っています。
ただ、気づくのが難しいからといって、売り主側が何もできないわけではありません。

少しでも損するリスクを抑えるためにできること

両手取引を始めとした悪質業者の手口に引っかからないようにするためには、不動産業者を吟味するのが効果的です。
両手取引自体は対策するのが難しくても、相見積もりで複数の業者と話をすれば、明らかに対応に問題のある業者とそうでない業者の見極めができるようになります。
比較対象や判断基準がないと、「怪しいかもしれない」と感じても自分の判断に自信を持てないので、悪徳業者対策には相見積もりがおすすめです。

また、不動産業者によって、営業力や人柄的な相性も異なります。
良い条件の買い主を見つけてくれる不動産業者なら、たとえ両手取引をされても売り主側にダメージはないので、高く売ってくれる業者を見つけることを重視しましょう。

まとめ

世の中には、利用者の無知につけ込んで、悪質な両手仲介を狙う悪徳業者も存在します。
ただ、両手仲介をしているかどうかを突き止めるのは非常に難しいですし、両手仲介でも結果次第では売り主側が得をすることもあるので、過度に怖がる必要はありません。

重要なのは、満足度の高い不動産売却をすることです。
良い買い主を仲介してもらい、あからさまに怪しい悪徳業者を回避できるように、不動産売却では相見積もりを活用しましょう。

 

一覧に戻る

売る

スタッフ紹介

サポート 相続 任意売却 住み替え