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中古マンションの手付金とは?手付金の種類や相場は?

2021.09.22

中古マンションの手付金とは?手付金の種類や相場は?

中古マンションを購入する際、売買契約を交わすときに「手付金」の支払いを求められることがあります。ただ、売買契約を結んで支払いをする意思を持っているにも関わらず、なぜ支払いが必要なのかと疑問を覚えてしまう場合もあるでしょう。
また、申込金や頭金との違いがわからず、戸惑うケースも少なくありません。

そこで今回は、中古マンションの購入時に支払う手付金とはどのようなお金なのか、どういった役割や種類があって、相場としていくら用意しておけば良いのかといった手付金の基本を解説していきます。

中古マンションの手付金って何のお金?

●売買契約の成立を証明するためのお金

中古マンションの購入時に支払いを求められる「手付金」とは、主に売買契約が成立したことを証明するためのお金です。契約書の署名・捺印だけでなく、「手付金を払った」という事実を残すことで契約の有無や内容を補強しています。また、手付金には「契約違反や一方的な解約に対する罰則金」という役割があり、手付金を支払うことで買い主・売り主が双方安易に契約をキャンセルできないようになっているのもポイントです。

不動産の売買は、多くの場合、ローンを利用するため契約日と支払い日にずれがあります。契約をしても、実際にマンション代金の支払いと引き渡しを終わらせるまで本当に不動産を購入できるかはわかりません。一方的な解約に対してペナルティがないと、引渡し日の直前になって「売る気がなくなった」「やっぱり買わない」といった行動も取る者も出てくるでしょう。こうした事態を避け、買い主・売り主が安心して売買契約の成立から引き渡し日までの期間を過ごせるように、手付金があるのです。

●手付金はいつ支払うの?

不動産売買における手付金の支払いタイミングは、基本的に売買契約の締結日となっています。売買契約の締結日と手付金の支払い日がずれていると「手付金を払った・払われていない・金額が違う」といったトラブルにもなりかねませんし、売買契約と手付金の支払いで別日に何度も集まるのは面倒なので、同日に支払いを行うのが一般的な流れです。

●申込金や頭金と何が違うのか

マンションの購入時は、手付金以外にも申込金や頭金を支払う場合があります。これらの支払いと申込金の違いは、お金を払う目的やタイミング、契約上の扱いです。申込金は、売買契約を交わす前、物件購入を申し込むときに、「冷やかしではない」ことを伝えるためのお金として不動産会社へ預けます。正式な売買契約へつなげるためのお金であり、ほかの買い主にマンションを売られてしまわないよう仮押さえするための支払いなので、最終的に売買契約を結ばなければ戻ってくるのが特徴です。

一方、頭金は住宅ローンを組んでマンションを購入する際に、マンション代金の一部を先払いするもの。例えば、2,500万円のマンションを買うときにローンで2,200万円用意し、残りの300万円を自らの貯金から出すことで金利の負担を抑えるのが主な目的です。支払いのタイミングは売買契約の締結後から引渡し日までの間。手付金と似ている部分もありますが、そもそもマンション代金の一部なので支払いの目的が違います。

●手付解除とは

手付金について学ぶ上で、絶対に知っておいて欲しいのが「手付解除」という手続きです。手付解除とは、「売買契約を解約したら手付金の没収や違約金の支払いが必要になる」というルールのこと。売買契約の締結後、買い主側の事情でマンション購入をキャンセルすると、支払った手付金は戻ってきません。一方、売買契約の締結後売り主によってキャンセルされた場合、「支払った手付金+違約金として手付金の同額」が戻ってきます。

内容が複雑なので分かりづらい部分もありますが、手付解除について知っていると、売り主から一方的にキャンセルされたとき、手付金の倍返しを請求可能です。やむを得ない事情で契約をキャンセルしたくなったときも、手付金を諦めるだけでトラブルなく売買契約を解約できるといったメリットがあるため、マンションを買うなら手付金の扱い方を覚えておきましょう。

中古マンション購入時の手付金はどれ?手付金の種類とは

中古マンション購入時における手付金は、

  • 証約手付
  • 解約手付
  • 違約手付

の3種類です。証約手付とは、売買契約の成立を証明するための手付金。解約手付は、「手付金を放棄、または倍返しをすれば契約をキャンセルできる」というルールを設定するための手付金です。そして、違約手付は買い主・売り主どちらかが契約違反をした場合、買い主が原因なら手付金を没収、売り主が原因なら手付金の倍返しを行うという手付金のことを指します。複数の役割を併せ持っているからこそ、手付金は内容が複雑であり取引の安全性を高めることに一役買っているのです。

マンションを買うとき手付金は必ず必要なのか

マンションの購入時、「手付金を支払うかどうか」は不動産業者や売り主の考えによって変わってきます。法律の関係上、マンションの売り主が不動産業者なら手付金は物件価格の20%までという制限はありますが、下限については特に決まりがないため、マンションによっては手付金なしで購入可能です。

ただし、不動産売買のように動かす金額が大きく、契約の成立日と引き渡し日にずれがある取引では、手付金を使った方がトラブルを防ぎやすくなります。買い主も売り主も手付金があると安心できるので、一般的には手付金の支払いを求められるケースが多いです。

解約のタイミングによっては払った手付金を返してもらえる

●住宅ローン特約を付けていれば購入できなくても戻ってくる

  • 売買契約書に「住宅ローン特約」を付けている
  • 解約の理由がローン審査に通らなかったから

上記の条件を両方満たしている場合、支払った手付金が戻ってきます。なぜかというと、住宅ローンの本審査に申し込めるのは売買契約の締結後だから。売買契約書を作った時点では確実に支払いができるという保証がなく、ローン審査に通るかどうかは運次第です。「ローン審査に通らなかったから」という理由で売買契約を解約、手付金を没収というルールではあまりにも買い主側が不利になってしまうため、「ローンの本審査に落ちた場合は違約金等なしで解約できる」住宅ローン特約を利用できるようになっているのです。

ただし、売買契約の時点で契約書に住宅ローン特約が入っていないと、手付金は戻ってきません。契約時は必ず書面の内容を隅々までチェックしましょう。

●買い主の事情で解約した場合手付金は戻ってこない

「住宅ローンの本審査に落ちた」という状況以外での解約は、たとえどのような事情があっても手付金が戻りません。また、解約したくなったが手付金を没収されたくないので、マンション代金の支払いをわざと遅らせるといった契約違反をした場合、手付金を取り上げられてしまいます。

住宅ローン特約による契約解除、または売り主側から解約を申し出たケースを除いて手付金は戻ってこないので、マンション購入の判断は慎重に進めましょう。

●取引が成立すると手付金は戻ってこない

住宅ローン審査を無事に通過し、マンション代金を支払って物件の引き渡しを受けた場合も、手付金は戻ってきません。「手付金はマンション価格とは別に必要なお金なのか」と感じるかもしれませんが、支払った手付金に関しては決済時に不動産代金の一部としてカウントされます。支払う額が増えるわけではなく、取引さえ成立すれば買い主側が損をすることはないので、安心して手付金を支払いましょう。

いくら必要?手付金の相場を紹介

●手付金の相場はマンション価格の5~10%

一般的な手付金の相場は、中古マンション価格の5%から10%程度となっています。ただし、宅地建物取引業法の関係上、取引相手が不動産業者なら最大20%まで請求が認められているため、10%以上の手付を求められるケースもゼロではありません。また、個人の売り主から一定以上の手付金を用意して欲しいと要望される場合もあります。物件や不動産業者ごとに違う部分が大きいので、気になるマンションを見つけたら、相談時や内覧の際に手付金の額を聞いておくと良いでしょう。

●10%以上の手付金を支払うメリット

「手付金の保全措置」といって、不動産業者所有のマンションを購入する際、手付金をマンション価格の10%または1,000万円以上用意すると、万が一、引き渡し前に不動産業者が倒産してしまっても支払った手付金を回収できます。会社の倒産と同時に持ち逃げされるリスクを回避できるので、非常に高額な物件を購入する場合はあえて手付金を多めに支払っておいても良いでしょう。

中古マンションの手付金についての注意点

●手付金は現金払い

基本的に、不動産の手付金は現金払いです。売買契約の締結日に支払いを行うため、事前に現金を用意しておきましょう。なお、売り主側の同意があれば、銀行振り込みでの支払いも可能です。銀行振り込みに対応しているかどうかは売り主の考え次第なので、現金を用意するのが不安なら交渉時に銀行振り込みで手付金を支払えるよう相談しておきましょう。

●住宅ローンに手付金を組み込めない

手付金の支払いは売買契約の締結時、住宅ローンの融資実行日は物件の引き渡し日なので、順番上手付金込みのローンは組めません。そのため、手付金は買い主自らの預貯金や親族からの援助金で支払うケースが多いです。どうしても手付金を用意できない場合は、親族を頼ったり手付金の減額交渉をしたりして、必要な額を用意しましょう。

まとめ

中古マンションを購入するときは、物件価格に対して5~10%程度の手付金を支払うのが一般的です。支払いが面倒に感じるかもしれませんが、不動産売買では手付金を支払うことで売買契約の成立後も一定期間低リスクで解約できたり、売り主側の安易なキャンセルを防いだりできます。ただし、具体的な手付金の額は不動産業者や売り主によって変わるため、マンション探しでは手付金の額にも注目しましょう。

 

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