マンションのリフォーム費用の相場はいくらくらい？リフォーム以外に住み替えも考えるべきか？｜永大ハウス工業

マンションのリフォームを考えている人にとって、もっとも悩ましいのが「いくらあればリフォームできるのか」が分からないという問題です。
最終的にはリフォーム業者に頼んで見積もりを取るしかないとわかってはいても、できるなら事前にある程度の予算を知っておきたいと考えている人は多いでしょう。

そこで今回は、マンションリフォームとリノベーションの違いや、場所ごとのリフォーム相場といった、リフォームの検討に役立つ知識をご紹介します。

●住まいを新築同然に戻すのがリフォーム

リフォームとは、住まいを新築同然の状態へ戻すために行う工事のことです。
厳密な定義はありませんが、暮らし方自体が大きく変わらなければ、リフォームだと考えても良いでしょう。

• 色あせたリビングの壁紙を貼り替える
• ガスコンロをIHに交換する
• 給湯器が老朽化しているため新しいものを導入する
• 和室を洋室にする

など、古くなったものや壊れた部分を新しくて高性能な製品・設備にアップグレードする工事もリフォームです。

リノベーションに比べると物珍しさや新しさはありませんが、基本的な動線や間取りが変わらないので、リフォーム前と変わらない感覚で生活できます。

●間取りや設備に手を入れて新しい暮らし方を実現するのがリノベーション

リノベーションは、新しい付加価値や暮らし方を実現するために行う工事のことです。

• 子どもたちが独立したので、子ども部屋とリビングをつなげて大空間を作る
• 自宅でお料理教室ができるようにアイランドキッチンを導入する

など、「こういう暮らしがしたい」という依頼者の希望に合わせて、マンションを作り変える工事を指します。
ただ、間取り大幅な間取りの変更は、費用が高くなりやすいため、だれにでもおすすめできるわけではありません。
思い切ってリノベーションをした結果、元の住まいの方が住みやすかったという結果になると取り返しがつかないので、リノベーションには細心の注意が必要です。

●フルリフォームの費用相場は500～1,000万円ほど

内装から設備まで、目につく場所すべてを新しくするフルリフォームの費用相場は、500～1,000万円ほどです。
部分的なリフォームと違って、フルリフォームだと壁を壊す、床板をはがすといった解体工事も必要になるため、どうしても費用を抑えきれません。
また、「間取りの変更」「水回りの移動」といったお金のかかる工事を頼んだり、グレードの高い設備や製品を選んだりすると予算が膨れ上がってしまう点にも注意が必要です。

家全体をリフォームする場合は、工事内容に優先順位をつけ、重要な場所や設備から予算を割り振ると良いでしょう。

●キッチン周りのリフォーム費用は100～150万円くらい

キッチン本体の交換に必要な費用は、100～150万円ほどです。
しかし、壁紙の張替えやレンジフードの交換、コンロだけの変更といった工事なら、数十万円程度ですませられます。
キッチンを動かすと費用が高くなるので、予算と相談しながら工事の規模を決めることが重要です。

●お風呂のリフォーム費用は約80～150万円

80～150万円ほどあれば、ユニットバスを丸ごと交換できます。
ただ、モルタルやタイルを使った在来工法の古い浴室のリフォームだと、解体工事が必要になるため、200万円かかることも少なくありません。

●トイレのリフォームは20～40万円前後

トイレの便座交換や壁の塗り替え・張り替え工事は、すべて込みでも20～40万円前後です。
トイレ自体狭い空間なので、壁紙や床をすべて新しくしてもそれほどお金はかかりません。
ただ、コンセントのないトイレに電源を増設したり、温水洗浄便座を導入したりすると、数万円ほどの上乗せが必要になります。

●洗面室のリフォーム工事は20～40万円あれば可能

洗面室内のリフォーム費用は、トイレと同じく20～40万円ほどです。
費用を抑えたい場合は、価格が安く、取り付けるだけで良いユニット型の洗面台を選びましょう。
ただ、予算を多めに使って洗面室のサイズに合わせた洗面台を作ってもらうと、使い勝手が良くなります。
予算に余裕があるなら、オーダーメイドを検討しても良いでしょう。

●床や壁を含むリビングのリフォーム費用は150～400万円

リビングのリフォーム費用相場は、150～400万円程度です。
クロスの張り替えは1平方メートルあたり1,500円前後、床の張り替えだと1平方メートルあたり1万～1万5,000円ほど必要で、リビングが広ければ広いほど費用も高くなります。

リビングは家の中でも長い時間を過ごすスペースなので、予算を多めに割り振って、触り心地や香りの良い床材、消臭機能付きの壁紙を選ぶのもおすすめです。

●和室を洋室にする工事の予算は20～100万円

和室の畳をはがしてフローリングにしたり、押入れをクローゼットにしたりするリフォームには、20～100万円ほどかかります。
ただし、畳をフローリングにするだけだと、相場は20万円程度です。
「せっかくだから上質な床材を使おう」など、工事の内容を複雑にするとお金がかかってしまいます。
また、和室を洋室にするリフォーム工事では、ふすまや障子の扱いも重要です。
二部屋の和室が隣接しているタイプのマンションだと、リビング側の出入り口だけを洋風のドアや引き戸に変更しても、部屋を仕切る壁を作らないと音が筒抜けになってしまいます。
思い切ってふすまを取り払って広い部屋にするのか、それとも間仕切りを作って防音性や気密性を確保するかによっても予算が大きく変わってくるため、慎重な判断が必要です。

●リフォームよりもお得なら住み替えも有り

リフォーム費用が高すぎると感じたら、新しい家へ住み替えるという手もあります。
リフォームと住み替え、どちらがお得かを判断するポイントは、リフォーム費用と住み替え費用の総額を比較することです。
ここで、「住み替えだと家を買う必要があるから、リフォームよりもお金がかかるのでは？」と思う人もいるでしょう。

しかし、マンションを売って住宅ローンを組めば、初期費用は思っているほどかかりません。
住宅購入時に必要な売買手数料や住宅ローンの保証料、火災保険料に引っ越し代金といった諸費用も、一般的には不動産価格の10％程度です。
マンションをいくらで売れるかによってお得度が変わってきますが、場合によっては100～200万円程度で新しい住まいに引っ越せます。
とくに、フルリフォームのように見積もり額が数百万円から1,000万円規模になってしまう場合は、住み替えた方がお得です。

●住み替え＋リフォームという選択肢もおすすめ

資金に余裕があるなら、中古のマンションを購入して中身をリフォームするという手もあります。
リフォームする前提だと、内装が劣化していて価格の安い中古物件に手を出せるので、物件選択の幅も広くなるでしょう。
水回りの一新や大掛かりな間取りの変更をしなければ、家全体のリフォームは400～500万円ほどで可能です。

マンションは、間取りの変更や水回りの移設がなければ400～500万円前後、フルリフォームなら1,000万円ほどでリフォームできます。
ただ、リフォーム費用が高額なら、中古物件に住み替えた方がお得です。
予算やリフォーム費用によってどちらがお得か変わってくるので、マンションのリフォームに興味が出てきたら、まずはリフォームと不動産売却の見積もりを取りましょう。