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相続した実家を売らずに持っておく場合のデメリットとは

2022.09.09

相続した実家を売らずに持っておく場合のデメリットとは

親から実家を相続したら、家や土地を売るか維持するかを自分で決める必要があります。
相続した実家を売却するか維持するかは好みにもよりますが、不動産の売却には手間や時間がかかるので、可能なら持って売らずに持っておきたいと考える方もいるでしょう。

しかし、相続した実家に住まないのに、売らずに持っておくという選択には想像以上のデメリットがあるため、注意が必要です。

今回は、相続した実家を売った方が良い理由として、不動産を売らずに持っておくデメリットをご紹介します。

相続した実家を売らずに持っておく5つのデメリット

●固定資産税の負担が重い

相続した実家を売らずに維持する場合、不動産の所有者は毎年固定資産税と都市計画税の納税が必要です。
不動産の資産価値にもよりますが、ある程度、立地の良いエリアや広い土地だと、維持費だけで毎年10万円を越えてきます。
自分の家として住むならともかく、住む予定がないならその負担は決して軽いものとはいえません。

また、特に注意して欲しいのが、不動産の相続登記を終わらせていない場合です。
相続登記をしていないと、受け継いだ不動産は相続人全員が共同で相続したものとして扱われます。
しかし、固定資産税の通知は、不動産の所有割合に応じて複数いる相続人へ個別に送ってもらえるわけではありません。
相続人の代表者に一括で請求が届くので、多くの場合相続人全員に連絡する手間を嫌って一人が税を負担することになりやすいのです。
こういったケースでは、いざ持ち分に応じた額を他の相続人に請求しても、払ってもらえない場合があります。
「固定資産税はお前が勝手に払っていたんだから知らない」「正当な手続きで相続した自分の財産だから、持ち分を譲って欲しいならお金を払ってくれ」といったやり取りが起きれば、新たな相続トラブルの開始です。
お金や権利の話は、細かく詰めておかないとトラブルになりやすいので、実家を売らずに持っておくという選択は安易にすべきではありません。

●短期間でボロボロになるため家のメンテナンスが必要になる

実家を売らずに持っておく場合、定期的に掃除や換気をしないと家の老朽化が進んでしまいます。
特に、相続した実家に住まない場合は空気がよどみ、短期間で家がボロボロになってしまうので注意が必要です。
不動産を所有している限り、住宅のメンテナンスからは逃れられません。
現在の住まいと実家が物理的に離れていると、掃除をしにいくだけでも大変です。
家のメンテナンスにかかるお金や手間を負担に感じるなら、不動産を売った方が良いでしょう。

●家を離れている間に問題が起きると自分の責任になってしまう

不動産の所有者は、たとえ現地に住んでいなくても家や土地の管理責任を負います。
庭の雑草や庭木が育って隣地を侵食したり、台風の後実家の荷物が周囲に散乱したり、近所のお子さんや動物、不審者が敷地内に入り込んで問題を起こしたりした場合、所有者が責任を追求されてしまうのです。
誰かが怪我をすると治療費等の交渉で問題が長引くので、こまめに管理できない不動産は持っているだけで損をするリスクが高まります。

●遺品の整理や片付けがなかなか終わらない

実家を売らずに持っていると、実家や遺品の整理を「その内、時間ができたらやろう」と先延ばしにしてしまうケースが多いです。
しかし、家の片付けをしなければ、実家はきれいになりません。
一年また一年と片付けを先延ばしにする内に、体力的にも自分で作業するのが難しくなると、結局、費用をかけて業者を呼び、不用品を処分してもらう羽目になるでしょう。

●時間が経てば経つほど売りづらくなる

日本では、築年数の古い建物であればあるほど売却価格も安いです。
古くなれば老朽化の影響も大きくなりますし、建物自体も脆くなってくるので、古い家は売りに出してもなかなか買い主を見つけられません。
相続した不動産を最も新しい状態で売れるのは、まさに相続したときなので、最終的に手放すかもしれないと考えているなら早めに売却するのがおすすめです。

家を相続するなら「住む」か「売る」のどちらかがおすすめ

実家を相続する場合、基本的には「住む」か「売る」のどちらかを選びましょう。
「相続はするが住む予定もないしとりあえず持っておく」という選択には、今回ご紹介したようなさまざまなデメリットやリスクがつきまといます。
家を相続するような年齢だと、実家から離れた地域で暮らしていたり、すでにマイホームを持っていたりするケースも多いです。
維持費や権利関係の問題等を考えるなら、どうしても実家に住みたいという希望がない限り売却を優先した方が良いでしょう。

まとめ

相続した実家を売らずに持っておくと、維持費や管理の手間がかかるだけでなく、何かあったときの管理者責任も問われるようになります。
権利関係の手続きがあいまいだったり、実家の片付けを先延ばしにしたりすると別のトラブルに発展することもあるため、基本的に住まない家の保有はおすすめできません。

実家に住んでいつでも問題に対応できるようにするならともかく、相続した家に住む予定がないなら実家を売ってデメリットを解消しましょう。

 

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