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投資家に向けて賃貸住宅を売り込むときのポイントと注意点

2022.06.23

投資家に向けて賃貸住宅を売り込むときのポイントと注意点

賃貸住宅と投資家向けの住宅は、同じ不動産であっても購入者層が大きく違うので、良い条件で売りたいなら投資家のニーズを考えた販売戦略を練る必要があります。

ただし、そもそも賃貸住宅を売った経験がないと、どういう点を強みとして押し出せば良いのかがわかりません。

そこで今回は、投資家に賃貸住宅を売り込む際のポイントや、投資用不動産を売るときの注意点などをお伝えします。

投資家向けの不動産売却は通常の不動産売却と何が違う?

●購入者層が違う

投資家向けの不動産売却と通常の不動産売却の一番の違いは、購入者層です。
居住用住宅を買う方の大半は、自分の家が欲しい一般消費者なので、賃貸に出した場合、入居者を確保しやすいか、といった観点で家探しをしていません。
一般消費者にとって、重要なのは内装のきれいさや予算、設備の充実度なので、売る側としては主に住宅の住みやすさをアピールすることになります。

一方、投資家向けの不動産を購入するのは、買い取った不動産を賃貸に出してお金を儲けたい個人投資家や不動産業者です。
内装や住宅設備はリフォームできるため、投資家の興味を引くためには、入居者の見つけやすさや利回りの高さをアピールすることが重要になってきます。

●値付けの仕方が違う

居住用の物件は、建物の築年数と地価で売却価格を決めることが多いです。
同じ地域であれば極端に地価が変わることはないため、「同じような地域にある同程度の広さの物件」は、おおよその価格が同じくらいの額になります。

しかし、投資家向け物件は、築年数や相場ではなく「これから先いくら稼げる可能性があるのか」で売却価格を決めるのが一般的です。
古い物件でも丁寧にメンテナンスされており、立地も良ければ高額で売却できます。
たとえ築浅物件でも、管理状態が悪く、賃貸として長く運用できなかったり、入居者を集められなかったりする物件は高く売れません。

投資家に賃貸住宅を売り込む際のポイント

●入居者を確保する

賃貸住宅を売り込む際、一番のアピールポイントになるのは「すでに入居者がいる」ことです。
部屋が埋まっている賃貸住宅は、買い主がお金を出して物件を購入した初月から家賃収入が発生するため、空室が続いて赤字になってしまうというリスクを避けられます。
特に、個人投資家にとって入居者のいる物件は損をするリスクの低い魅力的な不動産なので、可能であれば先に入居者を確保してから賃貸住宅の売却を始めましょう。

●修繕・メンテナンスの履歴を取っておく

賃貸経営は、家賃収入から維持費や必要経費を支払った残りが投資家の利益になります。
過去にどういったメンテナンスがされていたかわからない物件は、今後どれだけの維持費がかかるか試算できないため、投資家から敬遠されるケースも少なくありません。
そのため「賃貸物件の修繕やメンテナンスの履歴」があれば、資料として提示できるようにしておきましょう。
物件を買うかどうかの判断材料を提供することで、投資家からの信頼を得やすくなりますし、良い状態で管理されている物件は運用期間も長くなるため、高値で売却できます。

●リフォーム費用の目安を作っておく

賃貸住宅の運用では、住民が退去する度に室内の清掃や消毒、リフォームが必要です。
リフォーム費用がわからないと、投資家側は購入するかどうかを短時間で判断できません。
物件を売り出す段階でリフォーム業者の見積もりを取り、プランをいくつか見せられるようにしておけば、内覧から具体的な売却交渉を進められるようになります。
賃貸物件を売り出すときは、リフォーム費用やクリーニング費用の目安も伝えられるようにしておきましょう。

投資用不動産を売るときの注意点

賃貸物件の売却価格である「将来的な収益」は、年間の家賃収入がいくらあるかを基準にして計算します。
極端な話、不動産の売り出し前に家賃を値上げすれば、利回りの良い高額物件として売り出せてしまうので、家賃相場よりも家賃が高い物件は利回りを良く見せかけているのではないかという疑いを持たれやすいです。
こうした疑いを避けるため、賃貸物件の売り出し価格は近隣地域の家賃相場を参考にして決めましょう。
また、不動産売却時に利用する不動産業者にも得手不得手が存在します。
一般消費者向けの住宅の売却が得意な業者ではなく、投資家向けの賃貸住宅売却を多数手掛けている業者に仲介してもらうのがおすすめです。

まとめ

賃貸物件の売却は、売り込む対象が一般消費者ではなく投資家や不動産投資をしている企業になるので 「投資家が求める情報」を提供できるかどうかで成約率が変わります。
だからこそ、入居者を確保してから売ったり、物件のメンテナンス履歴をまとめておいたりすることを意識しましょう。

なお、家賃を高く見積もって見た目上の利回りを良くするなど、投資家側に不誠実なことをすると賃貸住宅は売れません。
売り出し価格の計算など、個人では難しいことも多いので、投資家向けの賃貸住宅を売るときは、投資物件に強い不動産業者を頼るのがおすすめです。

 

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