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「タダでも売りたい」は要注意!贈与税のかかる不動産売却とは

2022.06.23

「タダでも売りたい」は要注意!贈与税のかかる不動産売却とは

不動産を売るときに、
「使わない土地で高くも売れそうもないから、いっそのことタダ同然の価格で売ってしまおう」
「お金はないが土地はあるので、子どもにマイホーム用の土地を格安で売ったことにしよう」
といった取引は避けましょう。

なぜなら、不動産の取引内容によっては、所得税よりも税率の高い贈与税を課税されてしまうことがあるからです。

この記事では、どのような不動産売却手続きが贈与税の対象になるのかを解説します。

贈与税って何?かかると損をするの?

●贈与税とは

贈与税とは、誰かから財産をもらい、一方的に得をしたときにかかる税金のことです。
日本では、誰かの財産が別の人の物になったとき、金銭的に何らかの得をした側が取引の内容に応じた税金を納めることになっています。
給与を受け取ったら所得税が、不動産を売って代金を受け取ったら譲渡所得税が、遺産を相続したら相続税が、そして現金や資産をもらったら贈与税がかかるのです。

●不動産売却の中身によっては贈与税の対象に

通常、不動産を売っても贈与税はかかりません。
しかし、「不動産をタダで売る」「相場より明らかに安い価格で売る」といった取引をした場合は、贈与税がかかります。
なぜなら、こうした取引を認めると、相続税から逃れるために生前自分の財産をタダ同然で家族に贈与するといった節税方法が可能になってしまうからです。
贈与税は、財産の生前贈与に課税することで相続税逃れを防ぐという目的を持った税金です。
不動産を受け取る側が適切な対価を支払わず、一方的に得をするような取引を行うと、後日、不動産の買い主が贈与税を納めることになります。

なお、贈与とみなされる不動産売却価格の基準は、「相場の8割以下」という意見が多いです。
贈与にみなされない金額がたった2割と思うかもしれませんが、仮に不動産の売却相場が2,000万円なら400万円も値下げしている計算になります。
相場で売れる不動産を、わざわざ2割以上値下げして売る合理的な理由はありません。
不動産を売るときは相手のためにも適正価格で売却しましょう。

●譲渡所得税よりも贈与税のほうが高税率

譲渡所得税と贈与税を比べると、同じ金額の不動産を売却した場合に贈与税の方が税率は高くなります。
では具体的に比較してみましょう。譲渡所得税の税率は、「不動産を5年以上持っているかどうか」で短期譲渡所得と長期譲渡所得に分けられます。
住民税や復興特別所得税を含めた場合、短期譲渡所得税率は39.63%、長期譲渡所得税率は20.315%です。

一方、贈与税の税率は、「贈与された額」に応じて変わる累進課税となっており、年間600万円以上1,000万円以下の贈与に対して40%の税率がかかります。
破格に安い物件ならともかく、不動産売却は取引額が1,000万円を越えることも珍しくありません。
贈与税の最高税率は55%なので、多くの場合、贈与にあたる不動産売却をすると金銭的に損をします。

贈与税がかかる不動産売却手続きの例

贈与税がかかる不動産売却手続きの中で、最も代表的なものが親族間での不動産売却です。
親子や兄弟、親戚同士など、付き合いのある間柄での不動産売却では、「相手が困っているから相場より安く売ってあげよう」「将来相続税を納めるくらいなら今格安で売ってしまおう」といった取引が起きやすくなります。
たとえ善意であっても、相場より安く不動産を売ってしまうと相手に対する贈与となり、不動産の買い主が贈与税を納めることになるので注意が必要です。

なお、不動産を売却すると、法務局で登記を変更することになりますし、固定資産税の請求先も変わります。
税務署は、どの住所地にあるどの不動産が誰から誰へ売買されたのかを把握できるので、不動産を売ったことを隠そうとしても贈与税の課税からは逃れられません。
むしろ、親族間での不動産売却は贈与税の対象になるケースが多いので、目をつけられやすいです。

贈与税なしで不動産を売るための注意点

不動産を売るときは、不動産業者に見積もりや取引の仲介を頼みましょう。
不動産売却で贈与税がかかるのは、適正な対価をもらわず、相場よりも安い金額で不動産を売ったときです。
親子や兄弟など、お互いに良く知っている間柄だと業者を挟まずに取引したいと考える方もいますが、プロを挟まずに不動産を売買すると相場を無視した値付けをしてしまっても自分では気づけません。

また、プロに見積もりを頼み、手続きを仲介してもらえば、契約書の不備によるトラブルも回避できますし、不動産の売り出し価格についてもアドバイスをもらえます。親族間取引では、個人での不動産売却を避けましょう。

まとめ

不動産を売る際に、「タダでも良いから」「家族だから」と安い価格で手放すと、相手側が贈与税を課税されることになります。
不動産の売買は動かす金額が多い分、所得税よりも贈与税の方が高税率になので、贈与税のかかるような取引は避けた方が無難です。
特に、親族間での売却は贈与税がかかりやすいため、プロである不動産業者の力を借りて、適正価格で不動産を売却しましょう。

 

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