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不動産を売るときに知っておきたい築年数と売却価格の話

2022.06.22

不動産を売るときに知っておきたい築年数と売却価格の話

築年数は、不動産の売却価格や売りやすさを大きく左右するポイントです。
築何年で売却価格が何%下がるのか、築何年未満なら高く売れるのか、築何年経つと売却価格が底値になるのかを知っていれば、「築年数の影響で価格が大きく下がる前に売ろう」といった判断ができるようになるので不動産売却に役立ちます。

今回は、築年数別に見る不動産売却価格の下落率や、築年数を考慮した不動産の販売戦略を押さえていきましょう。

不動産の売却価格は築年数で大きく変わる

不動産の価値は、築年数が古くなればなるほど落ちていきます。
理由は単純で、古い建物よりも新しい建物の方がきれいで問題も起きづらいからです。
四季があり雨も多く台風や地震の被害もある日本では、古い建物ほど劣化してしまいます。
築古物件は、基礎が劣化していたり、リフォームしないと住めない状態だったり、当時の間取りが現代人の暮らしに合わなかったりするため、日本では「古い」というだけで不動産の売却価格が下がってしまうのです。

築年数別に見る不動産価格の下落率

●新築~築5年

築年数の経過につれて、不動産の資産価値がどのように下がっていくのかという目安は、国土交通省によって調査・公表されています。※1
調査結果によると、築5年の時点でマンションの価値下落率は新築時の10%から15%ほど、試算の方法にもよりますが、中古の戸建てだと15%から30%も下がってしまうのです。
特に、築浅の間は築年数が1年古くなるだけでも価格が数%変わってくるため、新しい物件は早く売ることが重要になってきます。

なお、マンションと一戸建ての価格下落率が倍近く違うのは、法定耐用年数に差があるからです。
税務や会計をするためには、不動産という資産の価値を数値で管理する必要があるので、基本的に「毎年少しずつ不動産の資産価値が減っていく」「法定耐用年数が過ぎたら資産価値がほぼゼロになる」というルールを採用しています。
そして、木造住宅の法定耐用年数が22年となっているのに対して、鉄筋コンクリート造マンションの法定耐用年数は47年です。
両者を比べた場合、木造一戸建ては早く寿命を迎えて資産価値がほぼゼロになるため、築年数が不動産価格に与える影響も大きくなっています。

●築10年以内

築10年時点における、マンションの不動産価格下落率は20%から25%ほど、一戸建ては40%から60%ほどです。
一戸建ての場合、築10年を待たずに不動産の価値が半分近く落ちてしまいます。
上記の調査結果は、あくまでも不動産の資産価値を推計したものなので、実際には数値より高く売れることも安くなることもありますが、たった10年で不動産の価格が大きく落ちることを知っていれば、「今住む予定がないものの、特に急いでもいないしその内売れば良いだろう」といった判断がどれだけ損につながりやすいのかわかるでしょう。
逆に、一戸建てよりも下落率が緩やかなマンションなら築10年でも80%近い金額で売れるので、無理に売却を急ぐ必要はありません。

●築11~20年

築11年から20年の不動産価格は、マンションの場合40%前後、一戸建てだと80%ほど下がります。
築15年から20年ともなれば住宅ローン返済も半ば終わっていますし、お金のかかる大規模修繕も一回程度しか経験していないため、売却価格が安くても総額を考えると十分黒字化が可能なラインです。

ただ、これくらいの築年数になると、物件によって劣化の度合いに差が出てきます。
将来的に不動産の売却を考えているなら、新築や築浅の段階から日常的なメンテナンスを実施しておくと良いでしょう。

●築20年以降

築20年以降は、不動産価格がほとんど底値になる期間です。
基本的に、築20年・25年・30年と時間が古くなっていくほどに不動産の価格も落ちていきます。
特に、法定耐用年数である築22年越えの木造一戸建ては売却価格が極端に安くなるため、一戸建てに一生住み続ける予定がないのであれば、遅くとも築20年前後で手放すと良いでしょう。

※1 国土交通省:中古住宅流通、リフォーム市場の現状
https://www.mlit.go.jp/common/000135252.pdf

築年数を考慮した不動産の販売戦略

不動産は、築年数に応じて資産価値が下がっていく財産なので、基本的には早めに売却を始めるのがおすすめです。
資産価値が大幅に下がる前に売却すれば、その分手元に多くのお金を残せます。
一方、築古物件を売るときは、築年数以外のセールスポイントを見つけることが重要です。
マンションなら、管理状態の良さや修繕積立金をアピールし、一戸建てなら土地の資産価値を前面に押し出しましょう。
また、土地の資産価値は経年劣化しないので、古過ぎる一戸建てに関しては、更地にした方が高く売れます。

まとめ

不動産売却において、物件の売却価格は築年数に応じて下がっていくのが一般的です。
築年数が古いとそれだけで買い主の興味を引きづらく、売却価格も安くなるため、不動産を売るときは築年数に合わせた販売戦略を練りましょう。
また、将来的に家を売りたいと考えているなら、早い段階でメンテナンスを始め、実際に不動産を手放すときの劣化を抑えることも重要です。

 

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