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旧耐震の不動産を持ち続けるリスクと売却のコツ

2022.03.08

旧耐震の不動産を持ち続けるリスクと売却のコツ

1981年6月より前に建てられた旧耐震基準の不動産は、できれば手放すことをおすすめします。

ただし、不動産の売却手続きは数ヶ月程度の時間がかかるもの。
古い建物だと維持費である税金も安いので、特に問題がなければ所有し続けている方が楽だと考える方も多いでしょう。

そこで今回は、旧耐震基準の家にはどのようなリスクがあるのか、売却するためにはどういった対策をすれば良いのかをご紹介していきます。

旧耐震の不動産を所有し続けるリスクとは

●大地震が起きたときの被害が大きくなる

旧耐震基準の住まいに住み続けたり、住む予定がないのに持ち続けたりするリスクは、何といっても地震が起きたときの被害です。
地震大国である日本では、いつどこで大地震が起きるかわかりません。
旧耐震基準は、震度5の地震が起きても倒壊しない程度の耐震性に設定されているため、大きな地震が起きた場合建物全体が倒壊してしまうリスクを抱えています。
住居として使うなら、旧耐震基準の家を手放して新耐震基準の住まいへ移った方が安全です。

また、旧耐震の家は新耐震基準より脆弱なので、倒壊しなくても壁の一部が崩落したり、ヒビ割れから雨水が侵入して建材が腐食したりする場合もあります。
誰も住んでおらず、放置している住まいの劣化が原因で周辺住民を巻き込む事故が起きた場合、所有者責任を問われることになるという点にも注意が必要です。

●老朽化しているため建物として使える期間が短い

旧耐震の住宅は、1981年6月以前に建てられています。
2022年の時点で築40年を越える非常に古い物件であることを考えると、旧耐震の家を住居として利用できる期間はそれほど長いとはいえません。
どれだけ丁寧に管理していても、建材や基礎が経年劣化でボロボロになれば、いずれ補修をしても安全な住まいとして利用できなくなってしまいます。

また、建物が古くなればなるほど補修の必要な箇所も増えていき、メンテナンス費用が高騰していくのも大きな問題です。
放置していると劣化が進んで使えなくなり、メンテナンスをしても短期間で建て替えや住み替えが必要になります。
築年数の古い旧耐震の家は、お金をかけて維持するメリットが薄いのです。
コストパフォーマンスを考えると、旧耐震基準の不動産を売却し、浮いた維持費を新居の費用や家計に回したほうが快適な暮らしを送れるでしょう。

旧耐震基準の家を売る際のポイント

●耐震基準適合証明書を取得する

耐震基準適合証明書とは、不動産の耐震性が現行基準を満たしていることを調査・証明してくれる書類のことです。
旧耐震基準の家は、現行の耐震基準を満たしていないからこそ、売却価格も安いですし不動産市場でも人気がありません。
言い換えると、耐震改修を施し、一定以上の耐震性があることさえ証明できれば単なる築古物件として売却できます。
ただし、マンションの場合は建物全体の耐震改修が必要になるため、基本的には一戸建て向けの対策だと考えておいた方が良いでしょう。

●更地で売る

旧耐震基準の建物を解体し、更地として売却するのも一つの手です。
上屋がなくなると固定資産税の負担は増えてしまいますが、経年劣化による資産価値の減少や倒壊リスクを考える必要がありません。
また、更地はマイホームの用地や駐車場活用など活用の幅が広いため、古屋付きの土地よりも広い顧客層に不動産を売り込めます。
土地自体の価値が高ければ、解体工事にかけた費用を売却価格で回収できるので、立地などを考えて解体工事を実施するか決めましょう。

●リフォームや耐震改修費用分を値下げする

旧耐震基準の家が不人気なのは、維持するにしても住みやすいように建て替えたり、リフォームするにしてもお金がかかるからです。
そのため、「リフォーム費用○万円分を売り主が負担する」といった名目で売り出し価格を割引すれば、その分、不動産は売れやすくなります。
値下げ幅を決める際に見積もりを取り、見積もりのプランをおまけとして付けるのもおすすめです。

●買い取り業者に相談する

不動産の買取業者を利用することで、旧耐震基準の不動産を欲しがる買い主探しにかける労力や時間を短縮できます。
ただし、不動産の買い取りは仲介による売却よりも引き取り額が安くなりますし、不動産によっては買い取りを拒否される場合もあるため、仲介で売れるかを不動産業者に相談してから買取業者の査定を受けると良いでしょう。
一度、仲介業者の見積もりを取って不動産の相場を把握しておけば、買取業者の査定が妥当なものかもある程度判断できるようになります。

まとめ

旧耐震基準の不動産は、築古で耐震性も新耐震の家より低いため、地震が起きたときの被害が大きくなりやすいです。
住居として使うのはもちろん、持っているだけでも経年劣化で維持費が高くなっていくという扱いの難しい資産なので、できれば早い段階で売却することを検討しましょう。
ただ、旧耐震基準の住宅は不動産市場で人気がないので、買い主を見つけられない場合もあります。
不動産業者と相談し、更地での売却や値下げ、買い取りサービスの利用といったテクニックを駆使して、売却の成功率を高めましょう。

 

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