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売却するなら登記後に!未登記の不動産を相続したときの対処法

2021.02.01

売却するなら登記後に!未登記の不動産を相続したときの対処法

未登記の不動産を相続して売るときは、登記を一旦、自分の名義に変更する必要があります。

ただ、普段生活している中で、不動産の登記について調べたり、実際に登記の手続きをしたりする機会はなかなかありません。

人によっては、未登記であることを知らずに不動産を売りに出し、買い主探しに手間取ってしまう可能性もあるので、ここでは未登記の不動産を相続したときの対処法をご紹介します。

不動産の中には未登記のものもある

●登記とは不動産の所有者情報を証明する制度のこと

登記とは、法務局という国の機関に不動産の所有者情報や詳細を登録して、所有者を法的に証明できるようにした制度のことです。
不動産を始めとした資産は、価格も高価で手に持って運べるようなものでもないので、「誰が正式な所有者なのか」を証明するのが難しいという欠点を持っています。
正式な所有者を証明する手段がないと、誰でも不動産の持ち主になりすませてしまうため、安心して不動産を売買できません。

しかし、日本では不動産の住所・面積・所有者の名前・抵当権の有無等を「登記」という形で管理し、権利者以外は内容を変更できないようにすることで、不動産取引の安全性を確保しているのです。

●未登記の不動産が存在する理由

新しく不動産を入手した場合、所有者は不動産を手に入れてから1ヵ月以内に登記手続きをする必要があります。
登記自体は、「不動産登記法」という法律で義務付けられているため、本来なら国内にあるすべての不動産が登記されている状態が理想です。

しかし、現実問題として、未登記の不動産は世の中には多数存在しています。
なぜかというと、住宅ローンを利用しないのであれば、登記しなくても困らないからです。
不動産を売却する際、買い主にローンを組んでもらうためには、登記に抵当権を設定する必要があります。
つまり、「住宅ローンを利用して不動産を売買する場合」は登記が必須です。

ただ、預貯金や親族からの借金を使って現金で家を入手する場合はローンを使わないので、「登記がないから手続きできない」という状況になりません。
むしろ、登記手続きにお金がかかってしまうという事情もあって、未登記のまま放置されているケースが少なくないのです。

未登記の不動産は登記後に売却するのがおすすめ

●未登記の不動産は売れづらい

原則として、未登記の不動産を相続したら、一度、登記をしてから売り出すことをおすすめします。
なぜなら、不動産を未登記のままで売るためには、以下のような買い主が必要だから。

  • 売り主が本当に法的な不動産の所有者なのかわからなくても気にしない
  • 住宅ローンを組めないが現金一括払いに対応できる

不動産は非常に高い買い物なので、持ち主が本人でなくても気にしない、数百万円から1,000万円以上する住宅を現金一括で購入できるという人は、市場にほとんど存在しません。
現金一括払いのハードルを下げるため、値下げをするという手もありますが、結局は売り主が損をしてしまうだけです。

しかし、相続した時点で不動産の登記をしてしまえば、上記のようなデメリットを気にせずに売却できます。

●相続登記の義務化が進みつつある

未登記不動産を相続するなら、仮に売却する予定がなかったとしても、登記はしておくべきです。
実は、日本全国で所有者が分からない土地、「所有者不明土地」が増えています。
所有者不明土地の問題点は、私有地である以上、持ち主がわからなくても売買したり自治体が管理したりできないことです。
管理されていない土地は、治安の悪化につながりますし、都市開発の妨げになっているケースも少なくありません。
未登記状態での相続が何代も続くと、相続人を辿って現在の所有者を突き止めるだけで莫大な費用がかかってしまうので、所有者不明土地を減らすため、国では相続登記の義務化が検討されているのです。

相続登記が義務化されていない状態でも、不動産登記法には「不動産を所有してから1ヵ月以内に登記をしなかった場合は過料(軽い制裁金)10万円」という罰則が存在します。
未登記のまま待っていても、相続登記が義務化されたらどの道登記することになるので、過料を取られないよう早めに登記することを考えましょう。

不動産を登記する方法

未登記の相続不動産を登記するために必要なのは、
・表題登記(法務局に地番等の基本的な登記を登録する手続き)
・所有権保存登記(不動産の所有権者を更新する手続き)
の2つです。

手続き自体は法務局で申請可能ですが、特に表題登記は書類の準備が大変なので、できれば土地家屋調査士や行政書士といったプロの力を借りることをおすすめします。

まとめ

未登記の不動産を相続したら、まずは法務局で表題登記と所有権保存登記を済ませましょう。
登記されていない不動産は、相続から1ヵ月以内に登記しないと法律違反で罰則の対象になりますし、不動産市場でも人気がありません。

ただし、経験のない人が登記の申請を個人でするのは困難です。
不動産業者や土地家屋調査士等を頼って、賢く売却の準備を進めましょう。

 

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