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市場価格の半値以下!? 再建築不可物件の売却方法を解説

2020.06.03

市場価格の半値以下!? 再建築不可物件の売却方法を解説

「不動産を売却しようと査定を受けたら再建築不可物件と言われ、安値を提示された」

不動産売却では、このようなケースは珍しいことではありません。再建築不可物件は同じ広さ・同じ立地の土地だったとしても、その査定額は市場価格の半値以下となるなど、「売りにくい」物件とされています。

では、具体的にどのような物件が再建築不可物件なのでしょうか。この記事では、再建築不可物件の概要と売却方法について解説します。

再建築不可物件とは?

再建築不可物件とは、その名称の通り現在は建物が立っているものの、法律上建て直しが認められない物件のことです。

建築基準法では、「建築物の敷地は、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」と定めています。いわゆる「接道義務」です。
どれだけ広い土地だったとしても、接道義務をクリアしていない場合には、そこに建物を立てることはできません。

接道義務が必要な理由として、2m未満の場合には、火災など災害が起きた際の消化・救命活動などが行える経路の確保が困難になってしまうことが挙げられます。

では、法律上建物が立てられない土地にもかかわらず、なぜ建物があるのでしょうか。こうしたケースでは、その建物の多くは建築基準法の施行以前に建てられたものです。建築基準法が施行されたのは1950年のことですから、それ以前の建物は接道義務に縛られなかったというわけです。

再建築不可物件は高く売るのが難しい

住宅を新たに建てようと土地を探している購入者が、あえて再建築不可物件を選ぶことは少ないでしょう。どれだけそのエリアが気に入っていたとしても、ほかに即住宅を建てることのできる土地があれば、そちらを選ぶはずです。

このように、新たに建物が立てることのできない再建築不可物件は、通常の物件に比べて需要が大きく下がります。

結果として、その他の条件が同じ物件と比較した場合、その市場価格は著しく低くなります。売却金額としては、半値以下はもちろん、ほとんど値段がつかないようなケースもあるので注意が必要です。

再建築不可物件の売却プラン

仮に、相続等により再建築不可物件の売却をしなければならない状況に陥った場合、通常の物件と同じような売却プランで売り抜くことは難しいでしょう。
前述したとおり、そもそも再建築不可物件に対するニーズは著しく少ないためです。

そこで、再建築不可物件の場合には、通常とは異なるプランを立てる必要があります。
具体的には、接道義務を満たせるように工夫することで、再建築を可能にしたうえで売却する方法を検討しましょう。

上で解説した建築基準法第43条には接道義務に関するただし書きがあり、「特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りでない」とされています。

つまり、建築審査会が同意して特定行政庁が認可または許可をすれば、再建築不可物件にも建物が立てられるようになります。このうち、特定行政庁とは自治体及びその長を指します。

そのため、再建築不可物件を売却するにあたっては、その物件のある自治体に再建築の可能性について改めて確認することが重要です。

なお、この方法以外にも、土地が接道している道路が「2項道路」だった場合にはセットバックすることで再建築が可能になるケースもあります。このあたりは土地によって一概には言えませんので、詳しくは不動産業者に確認してみましょう。

再建築不可物件を売るときの注意点

上に挙げたように、その時点で再建築不可物件だったとしても、工夫をすることで建物を再建築できる可能性は十分にあります。
そのため、冒頭にあるような「査定時に再建築不可物件として安値を提示された」ようなケースでも、その金額をもとに売り急ぐのではなく、建築可能物件として高値で売る方法を探すことが重要です。

また、再建築不可物件を解消する方法として、隣家に交渉して土地を譲ってもらうなどの方法もありますが、隣同士だからと直接取引してしまうと後でトラブルになるケースが少なくありません。そのため、必ず専門家を介して契約を進めるようにしましょう。

なお、隣家との交渉については、不動産業者が直接行うことはできません。
これは、法律上非弁行為とみなされてしまうためです。そのため、交渉を代行してくれる弁護士への相談が必要となります。

とはいえ、弁護士にも不動産が得意な方とそうでない方がいます。特にこだわりがない場合には、不動産業者に相談して詳しい弁護士を紹介してもらうのが良いでしょう。

まとめ

再建築不可物件が売却するためには、建築基準法をはじめ、様々な知見やノウハウが必要です。そのため、一人で悩むのではなく、まず地元の不動産業者に相談してみることをおすすめします。

 

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