column 323.

不動産売却が難しくなる?心理的瑕疵物件について解説

2019.10.04

不動産売却が難しくなる?心理的瑕疵物件について解説

たとえ立地や設備に何の問題もなくても、事故物件を含む心理的瑕疵のある物件は、「できれば買いたくない」と考える人が多いです。 心理的瑕疵物件は、そのままの状態で売りに出しても中々買い主を見つけられません。

今回は、心理的瑕疵物件の具体例や、心理的瑕疵物件をうまく売るための豆知識について解説していきます。

心理的瑕疵物件とは

●実用上の問題はないものの気持ちとして住みづらい家のこと

心理的瑕疵物件とは、実用上一切何の問題もないのに、買い主が買いたくないと感じる瑕疵を持った不動産のことです。

不動産業界では、住まいの重大な欠陥や問題点を「瑕疵」と呼びます。 多くの場合、瑕疵というのは雨漏りや壁のひび割れ、設備の故障に壁の穴といった物理的な問題を指しますが、例えば事故物件だと多くの人は不動産の購入を嫌がるでしょう。

目で見てわかるような問題点ではないからこそ、心理的瑕疵物件は売却しづらいとされています。

●地心理的瑕疵のある物件は売却時に買い主へ告知する義務がある

不動産売却取引では、売り主と買い主が公平な立場で取引できるように、物件の瑕疵や抵当権といった重要事項について、不動産業者から買い主へ伝えることを義務付けています。

心理的瑕疵を買い主に黙って売却した場合、取引後に責任を追求されてしまう可能性が高いので、正直に買い主へ伝えましょう。

心理的瑕疵物件の具体例を紹介

●事故物件

心理的瑕疵物件の中でも、特に買い主から嫌がられるのが、いわゆる事故物件です。 殺人事件はもちろん、自殺の現場になった場合も、売却の難易度は上がってしまいます。

なお、高齢者の自然死や病死の場合だと、事故物件という扱いにならないケースが多いです。

ただし、死後かなりの時間が経過してから遺体が発見された場合、簡易的なリフォームをしても基礎の部分に匂いや体液等が浸透している可能性があるため、心理的瑕疵だと取られてしまう場合もあります。

●騒音・悪臭といった周辺環境の問題

物件そのものに問題がなくても、

  • 周辺に反社会的組織の事務所がある
  • 墓地が近い
  • ひどい悪臭や騒音で安心して暮らせない

など、周辺環境に問題がある住まいも心理的瑕疵物件です。

●ネット上で悪評が広まっている

意外かもしれませんが、ネット上で良くない口コミや評判が広がっている場合、程度によっては心理的瑕疵物件として扱われます。

不動産の口コミサイトで酷評され、物件の悪評が広く知れ渡っていると、「あの家に住んでいる」とネットや周辺住民から悪口をいわれる可能性があるからです。

心理的瑕疵物件であることを隠して売るとどうなるの?

●損害賠償請求を求められる可能性が高い

心理的瑕疵があることを隠して不動産を売った場合、後日買い主から損害賠償請求を求められる可能性が高まります。

不動産に瑕疵がある場合は、内容について告知することを、宅地建物取引業法の第47条で義務付けています。

「瑕疵があることを知っていて教えない」のは、宅建業法違反です。 問題を隠して売ってもいずれわかってしまうので、不要なトラブルを避けるためにも心理的瑕疵は必ず買い主へ伝えましょう。

●心理的瑕疵の告知義務に時効はないので要注意

宅建業法では、瑕疵の告知義務について時効を定めていません。 心理的瑕疵も例外ではないため、たとえ何十年前のトラブルでも、過去に心理的瑕疵になる問題が起きていた場合は、忘れずに買い主へ告知しましょう。

●売り主が心理的瑕疵を知らなかった場合は問題ない

そもそも、売り主自身が心理的瑕疵の存在を知らなかった場合、告知義務違反を理由に損害賠償請求を起こされても責任を負う必要はありません。

ただし、本当に裁判になった場合、「心理的瑕疵について知らなかった」証拠を用意する必要があります。

心理的瑕疵物件をうまく売るための豆知識

心理的瑕疵物件は、物理的な問題がないからこそうまく売るのが難しいです。

心理的瑕疵を隠してもトラブルのリスクが高くなってしまうだけなので、不動産業者に査定を頼む段階で心理的瑕疵について伝えておくことをおすすめします。 事前に心理的瑕疵の内容や程度を把握しておけば、必要に応じてリフォーム等の対処も検討できるからです。

また、心理的瑕疵を一切気にしない人を探すという手もあります。 内覧に売り主も同行し、自分の口で心理的瑕疵の内容や対処について伝えたり、心理的瑕疵があることを理由に値引き交渉を持ちかけたりして、心理的瑕疵を気にしない売り主を探しても良いでしょう。

まとめ

犯罪被害や周辺環境の問題を抱えた、心理的瑕疵物件を買いたくないと考える人が多いこと自体は仕方がありません。

しかし、心理的瑕疵を隠して売ると損害賠償請求等に巻き込まれるリスクがあります。 査定の段階で不動産業者へ心理的瑕疵について伝えておけば、業者と一緒に適切な販売戦略を検討できます。 売り方に工夫が必要な心理的瑕疵物件の売却は、密に連絡を取りやすい地元の不動産業者と連携して進めましょう。

 

一覧に戻る

売る

スタッフ紹介

サポート 相続 任意売却 住み替え