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不動産売却に必要な所有権移転登記の方法や費用について解説

2019.08.06

所有権移転登記

不動産売却手続きでは、

  • 不動産の代金支払いと物件の引き渡し
  • 売り主から買い主への所有権移転登記

を同時に行う必要があります。所有権移転登記をせずに家とお金を引き換えると、後日、住宅の所有権についてトラブルになる場合もあるので、物件の引き渡し日にすべての手続きをまとめて終わらせましょう。

そこで今回は、不動産売却に必須となる所有権移転登記のやり方や、費用について解説していきます。

家を売るときは所有権移転登記が必要

●所有権移転登記=不動産の名義を売り主から買い主に渡すための手続き

所有権移転登記とは、物件の名義を売り主から買い主へ引き継ぐための手続きです。
不動産の所有権は「法務局」と呼ばれる機関で管理されており、名義の変更手続きをするまで勝手に書き換えられることはありません。

不動産の売却代金を受け取って買い主に鍵を渡しても、所有権移転登記をするまで、厳密にいえば不動産は売り主の持ちものなのです。売却した不動産を実務上も権利上も買い主へ引き渡すためには、所有権移転登記をする必要があります。

●不動産売買・相続・贈与の際に所有権移転登記が必要になる

なお、所有権移転登記になるのは、

  • 不動産売却
  • 不動産購入
  • 相続
  • 贈与

などによって、不動産の持ち主が変わったときです。

注意したいのは、「名義の変更手続きをするまで、不動産の名義人は変わらない」という点。
たとえば、祖父母が建てた家を親が相続し、さらに親から自分へと相続した場合、祖父母から親へ相続した時に所有権移転登記をしていなければ、名義人は祖父母のままになっています。
法的な不動産の持ち主と住んでいる人が別人でも、権利者から「その不動産は自分のものだから出ていって欲しい」といった訴えがない限りトラブルにならないので、所有権移転登記を忘れたまま放置しているケースが意外と多いのです。

しかし、所有権移転登記の手続きをするためには、名義人全員の同意が必要になります。
このケースなら、相続した家を売るためには、祖父母や親の相続人を調べて交渉し、所有権移転登記の同意を取るといった複雑な手続きをする羽目になるのです。

不動産の権利関係によっては、所有権移転登記の難易度が跳ね上がるため、不動産売却をするときは事前に法務局で登記を確認しておきましょう。

所有権移転登記の方法・費用について解説

●所有権移転登記はどこでするの?

所有権移転登記は、売却する不動産のある地域を管轄している法務局で手続きできます。

方法は、以下の3通りです。

  • 窓口への直接提出
  • 必要書類の郵送
  • オンライン申請

法務局の近くに住んでいるなら、窓口で記載項目について質問しつつ、直接提出すると良いでしょう。
ミスのない必要書類を用意できるなら、郵送での手続きも手軽でおすすめです。

また、電子署名等の設備を用意できて、さらに必要書類を自分で作れるのであれば、オンライン申請を選ぶという手もあります。

ただし、オンライン申請では、別途法務局への書類送付が必要です。
どうしてもオンライン申請をしたい事情がある場合を除いて、あまりおすすめはできません。

●所有権移転登記にかかる費用

所有権移転登記をするためには、「登録免許税」という税金の納税が必要です。
具体的な税率は「土地」「建物」で分かれており、さらに「売買」「相続」「贈与」によっても変わります。

なお、不動産売却における土地・建物の登録免許税は、

  • 土地:2.0%(2021年3月31日まで1.5%)
  • 建物:2.0%(2021年3月31日まで0.3%)

です。

●所有権移転登記に必要な書類

  • 不動産の売買契約書
  • 所有権移転(売買)登記申請書(法務局のHPから無料で印刷可能)
  • 登記識別契約書・登記済証(家の権利証)
  • 印鑑証明書(最寄りの役所等で発行可能。1部300円程度)
  • 固定資産評価証明書(最寄りの役所等で発行可能。300円~400円前後)

無料で用意できる書類もあれば、取得するのにお金のかかる書類もあります。
印鑑証明書は発行から3ヵ月以内のものが必要なので、買い主が決まった時点で取得しておきましょう。

所有権移転登記は自分でやるべき?それともプロに任せるべき?き?

手続きや法律用語に自信がないのであれば、法的な書類づくりのプロである司法書士に任せるのがおすすめです。
書類の準備も大変ですし、書類に不備があると物件の引き渡し日に所有権移転登記を完了できません。

司法書士に依頼すると費用はかかりますが、自分で手続きする必要がなく、ミスの心配をしなくて良いので楽です。

たいていの場合、売買を仲介する不動産会社に頼めば司法書士を紹介してもらえるため、信頼できる司法書士を探し回る必要もありません。

なお、所有権移転登記手続きの代行費用は、行政書士によってまちまちです。

まとめ

家を売るときは、不動産の名義を売り主から買い主へと引き渡す、所有権移転登記という手続きを行います。

手続きを自分でやれば多少費用を節約できますが、必要書類を揃えるのは大変です。
書類に不備があると、物件引き渡しの当日に手間取ってしまうため、どうしても自分で行う必要のある事情がなけば司法書士に任せましょう。

 

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