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【不動産を高く売る秘訣】売り主が知っておきたい交渉術とは

2019.03.27

交渉術

不動産には、コンビニやスーパーで販売されている商品とは違って定価がありません。
立地や広さ、建坪に築年数がほとんど同じ条件の不動産があったとしても、買い主との価格交渉次第で値段が高くなったり安くなったりします。

そこで今回は、売り主が知っておくと役立つ不動産の価格交渉術を解説します。

不動産の売却価格は最終的に買い主と売り主の合意で決まる

●不動産の取引価格はあくまでも相場

不動産は、「一物多価」(評価の仕方によって同じものなのに異なる複数の価格がつく)という性質を持った資産です。

ただ、何の基準もないところから不動産の売却価格を決めていくのは非常に大変なので、中古不動産の多くは「周辺の地域で同じくらいの不動産がいくらで売れたか」によってある程度の売り出し価格を決めてしまいます。これが、いわゆる相場です。

ただし、相場はあくまでも過去に売買された物件価格の平均に過ぎません。
同程度の立地条件や広さを持つ家でも、時期や買い主との交渉次第で相場1,000万円の物件が1,200万円で売れたり、1,500万円で売れたりする場合もあります。

家を売るとき、「相場だとこれくらいだから」と売り出し価格や売却価格を妥協してしまう人は多いですが、物件に相場以上の価値があると認めさせられれば、高額売却も夢ではありません。

そのため、高額売却を狙うためには、いかに買い主の納得感やお得感を引き出せるかが重要になってきます。

不動産の高額売却を勝ち取るための交渉術

●売り出し価格は無理のない範囲で高めに設定する

地域の不動産売却相場が800~1,200万円前後だった場合、売り出し価格をいくらに設定すべきでしょうか?

答えは考え方によってまちまちですが、高額売却を狙う場合におすすめの戦略は、「できるだけ1,200万円か1,200万円に近い価格にする」ことです。

金額の高いものと低いものを比べたとき、人間は「高ければ良いものだ」と感じてしまいます。身近なところでいえば、精肉売り場に並んでいる100gで2,000円の国産牛肉と100gで1,500円の国産牛肉なら、高い方を良い肉だと考えるでしょう。

売り出し価格をある程度強気な値段に設定するのは、「周辺の物件よりも自信がある」「良いものである」とアピールするテクニックでもあるのです。

逆に、理由もなく安いものは疑われます。相場より安くする場合は、「早く売りたい」「現状渡し」など、「なぜ安いのか」を買い主に納得させられる理由をつけて売りましょう。

●「端数価格」でお得感を演出

1,000円の商品と998円の商品が並んでいたら、ほとんどの人は実際の価格差である2円以上に998円のほうをお得だと感じます。日本では、端数に「8」が入るとお得に見えるとされているため、1,200万円の物件は、1,180万円で売り出した方が買い主を集めやすいといえます。

ポイントは、「~80万円」にすること。1,198万円など、1桁台に8を入れると価格計算が面倒くさそうに見えてしまいます。「面倒くさそう」という感情は、人間の購買意欲を大きく減退させる要因のひとつです。

●「松竹梅の法則」で近隣のライバル物件を引き立て役に

人間には、「極端な選択肢を避けたい」という心理があります。
高いものと安いもの、中くらいの値段のものが並んだとき、人間は真ん中の価格のものを選びやすいです。これが、松竹梅の法則と呼ばれています。

近隣で売り出されている同じくらいの物件情報を調べ、一番高くもない、かといって一番安くもないほどほどの値段に売り出し価格を設定して、内覧や問い合わせの申し込みを増やしましょう。

●事前に決めたルール以外では値引きしない

「3ヵ月間、お問い合わせがなかったら5%値下げする」「現金一括払いなら諸経費を売り主側で持つ」など、事前に値引きのルールを決めておくのも有効です。

問い合わせがあったりなかったり、価格交渉を持ちかけられたりしていると、「早く売りたい」という焦りから、本来なら必要のなかった値引きをしてしまう場合もあります。

物件価格を値引きしても、手元に残るお金が減るだけです。事前にルールを決めておけば、無理な値引き交渉があっても悩むことなく断れます。

●あえて値引きを持ちかけることで買い主の決断を促す

真剣に家を買うか悩んでいる買い主を見つけたら、あえて値引きを持ちかけるのも交渉のテクニックです。

「今なら」「あなただけ」といったキーワードは、世代や年齢を問わず多くの人の心に刺さります。

ただ、段階的にずるずる値下げをすると足元を見られてしまうので、「買ってくれそうだ」「この人に買ってほしい」と思ったら、「今日契約してくれたら○万円安くします」といったかたちで、一度だけ値引きを宣言するのが有効です。

まとめ

不動産売却では、売り出し価格より大幅に売却価格が上がることはありません。
また、値引きをすればするほど売り主側の利益が減ってしまいます。大切なのは、「この金額を出しても損をしない物件だ」と買い主側へ適切にアピールすること。高額売却を勝ち取る交渉術について詳しく知りたい人は、ぜひ一度当店へご相談ください。

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