column 229.

節税手段として住み替えを選ぶメリット

2018.11.26

節税

2015年の相続税法改正によって、相続税の基礎控除がそれまでより40%も低くなりました。その結果、節税対策をしないと相続税の課税対象になってしまう人が増えています。

相続税の最高税率は55%。何も対策をしなければ、ただ財産を相続しただけで資産が大幅に減ってしまうのです。そこでおすすめしたいのが、相続税の節税対策。今回は、節税手段として「住み替え」を選ぶメリットをご紹介します。

「マイホームの住み替え」が相続税の節税対策になる

まずは、どうしてマイホームの住み替えが相続税の節税になるのかを見ていきましょう。

●広い家を相続すると莫大な課税がかかる

相続税は、

・3,000万円+相続人の人数×600万円

という計算式で求める「基礎控除」よりも、遺産の総額が大きい場合にかかる税金です。

仮に一家の父親が亡くなり、相続人が妻と子どもの2人だった場合、財産が4,200万円以上あると相続税を納めることになります。

ただ、不動産などの現金換算しづらい資産は、具体的にいくらだと考えれば良いのでしょうか。不動産は時間経過で価値が減少していきます。20年前に3,000万円で購入した家を3,000万円の資産としてカウントしてしまうと、多くの人に高額な税金がかかってしまうため、公平ではありません。

そのため、不動産に関しては、

  • 土地:路線価(道路に面する土地1メートルあたりの価格)や固定資産税評価額
  • 家屋:固定資産税評価額

を使って「現金換算でいくらになのか」を計算します。ここで問題になるのが、土地の価格です。相続税額の計算において、土地は「面積×路線価」という式で金額が決まります。つまり、豪邸や田舎の広々とした持ち家のような、土地の面積が広い家を相続すると莫大な相続税がかかってしまうのです。

●広い家から小さな家やマンションへの住み替えが節税対策になる

相続税額に計算において、土地は広ければ広いほど高額な資産として評価されます。そこで役立つのが、一戸建てからマンションへの住み替えです。

分譲マンションの場合、敷地の中に「自分が購入した部屋=専有部分」と「住民全員で使う廊下など=共有部分」があります。この内、共有部分に関しては、自分のものではないため相続税の課税対象にはなりません。

大雑把にいうと、マンションの場合は「自分が購入した部屋」の面積分だけが土地の金額としてカウントされるのです。2,000万円の一戸建てと2,000万円のマンションだと、マンションは土地面積が狭い分、相続税額が安くなります。

●住み替えには駅近のマンションがおすすめ

一般的に、一戸建ては郊外にあることが多く、価格も高いため売却しづらいです。しかし、駅からほど近いマンションは、立地条件の良さから常に人気があります。住んでいる人が高齢者施設等に入る際に売却したり、家を相続した後に売却したりするとき、駅近のマンションだと処分しやすいのです。

「郊外にある、土地面積の広い古くて大きな一戸建て」は売るのがとても大変ですし、相続税額も高くなりがちなので、相続人に負担をかけてしまいます。相続をする家族のことを考えて、駅チカマンションへの住み替えを選びましょう。

●マンションへの住み替えは老後の利便性確保にもつながる

ちなみに、マイホームからマンションへ住み替えると、生活の利便性が良くなります。単純に駅から近いと買い物が楽ですし、エレベーターがあるため階段の上り下りも必要ありません。

また、利便性の良い場所にあるマンションであれば、子どもたちとの同居も可能です。

財産は現金よりも売却しやすい不動産として残したほうがお得

マイホームの住み替えをおすすめする理由として、「遺産として現金を残すのは不利だから」という理由もあります。相続税のことを考えると、手持ちの現金を不動産に換えておくのがおすすめです。

●現金を不動産に換えるだけで課税価格が約3割も安くなる

相続税額を計算する際、1,000万円の預貯金はそのまま1,000万円の資産としてカウントされます。冒頭の例でいうと、父親が亡くなって相続人が2人という状態で、マイホームが2,500万円分、預金が2,000万円あれば、基礎控除の4,200万円を越えているため相続税がかかるのです。

しかし、この2,000万円で不動産(とくにマンション)を購入すると、課税価格を約3割も抑えられます。なぜかというと、家屋の部分に関しては固定資産税評価額で金額を計算するため。

一般的に、固定資産税評価額は時価の7割ほどになります。賃貸用のマンションやアパートを2,000万円で買った場合、相続税額を計算するときは「1,400万円の資産」としてカウントされるのです。

この場合、遺産の総額は3,900万円となり、基礎控除の4,200万円を下回るため相続税はかかりません。

まとめ

広い持ち家をマンションへと住み替えすると、相続税の課税額が安くなります。また、手持ちの現金を不動産にかえておくと、相続の際に有利です。ただし、不動産を使った節税対策には、不動産の知識だけでなく税の知識も求められます。不動産を売りたい、住み替えたいと思ったら、細かい部分まで相談できる地元密着の不動産業者を頼りましょう。

一覧に戻る

売る

スタッフ紹介

サポート 相続 任意売却 住み替え