column 219.

住宅ローンの残債があっても、不動産の個人間売買は可能?

2018.11.22

住宅ローンの残債

住宅ローン残債がある不動産も、手続き次第で個人間売買できます。ただ、住宅ローンの残債がある家を売るなら、ローンの完済と抵当権の抹消が必要。そして、物件の売却額やローンの残債等によって、適切な売り方は変わってきます。

今回は、残債がある住宅を個人間売買する方法や、銀行に確認すべき項目をまとめました。

残債があっても個人間売買は可能?

●住宅ローン残債を完済できるなら個人間売買できる

住宅ローンが残っている家を売却する場合、「ローンの完済」が前提条件になります。なぜなら、ローンを組んで買った不動産には、金融機関(銀行など)の抵当権が設定されているからです。

抵当権とは、「万が一住宅ローンの支払いが滞ったとき、お金を貸している銀行が家を差し押さえ、売却できる権利」のこと。住宅ローンを組んで家を購入した場合、ローンを完済して抵当権を抹消するまで、家を売却できません。

逆にいうと、住宅ローン残債があっても、ローンをきれいに完済できれば問題なく売却できるわけです。

●貯金などの手持ち資金で完済できる場合は話が簡単

もし、手持ちの預貯金などに余裕があって、事前にローンを完済できる場合は話がとても簡単に進みます。個人間売買をする前にローンを完済し、抵当権を外していれば、売買の方法は自由です。

●家を売った代金でローンを完済できれば問題ない

手持ち資金でローンを完済できなくても、不動産の売却代金でローンを完済できる見込みがあれば、銀行は家の売却を認めてくれます。問題は、家を売ったお金でローンを完済できないケースがあること。

個人間売買では、不動産会社等のプロを利用せず、お互いの合意だけで売買を進めることも少なくありません。どちらかが不動産関係の会社で働いていたり、資格を持っていたりするならともかくとして、不動産取引の素人同士がやり取りすると思わぬミスが出やすいです。

たとえば、売り主が正確な住宅ローン残債を知らず、「これくらい払ってもらえば完済できるだろう」と思っていたところ、想定より残債が高くて完済できなかったといったトラブルも考えられます。

個人間売買は、多くの場合相手が顔見知りや家族なので、相場より安い金額で不動産を売却しようと考える人が多いです。相手から値引きを要求され、仕方なく安値で売る人もいるでしょう。しかし、いくらお互いに売買の意思があっても、ローンを完済できなければ銀行は個人間売買を認めてくれません。

●「家を売っても完済できない」場合は任意売却手続きが必要

「家を売ったお金を全部返済に当てても、ローンの残債を完済できない」場合は、任意売却という手続きで個人間売買が可能です。

売り主がローンの返済をできない、もしくはできなくなりそうな場合、銀行は家を競売にかけて少しでもお金を回収します。ただ、競売では家を買い叩かれてしまうため、結局、ローンを全額回収できない場合も少なくありません。

どうせ損をするのであれば、競売になる前に特例で売却を認め、1円でも多くのお金を回収して残ったローンを引き続き売り主に負担してもらおう、というのが任意売却という手続きです。任意売却できれば、ローンを完済できなくても個人間売買できます。

●「個人間売買は不動産会社・銀行と協力して進めよう

貯金でローンを完済してから売る場合はともかく、売却代金での完済や任意売却を進めるためには、銀行の承諾や協力が不可欠です。個人間売買をするに当たり、契約書の内容にミスがあったり、ローン完済の見通しが甘かったりすれば売却はできません。

また、買い主側が現金を用意できない場合、住宅ローンを利用する必要があります。基本的に、不動産会社を通さずに個人で住宅ローンに申し込んでも審査には通りません。手続きに必要な正式な書類の準備や銀行との交渉などを考えると、個人間売買でも仲介手数料を払って不動産会社に協力を求めた方が確実です。

銀行に確認すべき事項とは

●「正確な住宅ローン残高」

不動産の売却額でローンの完済が可能かを調べるために、正確なローン残高を教えてもらいましょう。

●抵当権の抹消に何日かかるのか

売却代金の支払いと完済手続き、抵当権の抹消手続きのタイミングがずれると、スムーズに不動産を引き渡せません。 段取り良く個人間売買を終えるためには、銀行と話し合って日程調整をしておく必要があります。

●任意売却や住宅ローンは利用できるのか

個人間売買で、任意売却や住宅ローンを利用できるかどうかは銀行の判断次第です。「できるはず」と考えて話を進めてしまうと利用できなかったときの軌道修正が大変になるので、不動産会社経由で銀行と相談することをおすすめします。

まとめ

住宅ローンの残債があっても、ローンの完済や任意売却といった手続きを利用すれば、不動産の個人売却は可能です。ただ、取引をスムーズに進めるためには銀行との調整が必要不可欠。個人で銀行と交渉するのは簡単ではありません。不動産売買でお悩みの際は、ぜひ当店にご相談ください。

 

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