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住宅ローンの金利タイプはどれを選べばいい?金利の種類ごとの特徴・選び方まとめ

2016.06.29

不動産を購入するとき、大半の人が住宅ローンを利用します。

ただし、マイカーローンや消費者金融と同様に、住宅ローンも1種類ではありません。
金利のタイプや借入先の選択肢、ローンの借り入れ方によっても返済や審査の難易度が変わってくるので、それぞれの違いを知っておきましょう。

今回は、自分に合った住宅ローンを選ぶ際に役立つローンの基礎知識として、

  • 金利タイプ
  • 借入先
  • 借入方法

の違いを解説します。

住宅ローンの金利タイプにはどんなタイプがあるのか?

●住宅ローンの金利タイプは3種類

住宅ローンにおける金利のタイプは、

  • 全期間固定型
  • 変動金利型
  • 固定期間選択型

の3種類です。

同じ融資額のローンでも、金利のタイプによって完済までに支払う利息の総額が変わってきます。

●住宅ローンの金利タイプ:全期間固定型

借入期間中、基本的に同じ金利のまま返済を続けるのが、全期間固定型の金利タイプです。
20年ローンでも35年ローンでも、全期間固定型ローンを選択した場合は、ローンを完済するまで金利は変わりません。

そんな全期間固定型住宅ローンのメリットは、返済プランの見通しを立てやすいこと。
返済中金利が変わらず、月々の住宅ローン返済額もずっと同額なので、「収入○万円の中から○万円住宅ローンの返済に当てよう」といった返済プランを比較的簡単に立てられます。

また、住宅ローンの金利は、基本的に景気の状況に合わせて上下するものです。
景気があまり良くない時期、金利が安い時期に全期間固定型の住宅ローンを契約すれば、借入後に景気が上向いても高い金利を支払う必要がありません。

ただし、固定金利型は、変動金利型に比べて金利の設定が高めです。
また、もし契約後に景気が低迷して金利が下がった場合、全期間固定型だと相場より高い金利を負担することになってしまいます。
場合によっては、最終的に支払うローン金利の総額が膨らんでしまうという点が、全期間固定型金利のデメリットです。

●住宅ローンの金利タイプ:変動金利型

景気の状況に合わせて、利率が変わる金利タイプのことを変動金利型と呼びます。
変動金利型の特徴は、5年に一度金利の見直しが実施されること。
住宅ローンの借入をした時点よりも金利が下がっていれば、見直し後の5年間は安い金利で返済できます。

また、変動金利型は、固定金利型よりも低金利のケースが多いです。
たいていの場合、固定金利型を選ぶよりも変動金利を選んだ方が金利を安く抑えられるので、見直しが行われるまでの数年間は返済が楽になるでしょう。

ただし、当然のことながら、変動金利型を選んだ結果、見直しによって金利が高くなる場合もあります。
変動金利型の場合、見直しによる金利アップにも制限はありますが、実際に金利を節約できるかどうかは将来の景気次第なので、リスクやデメリットを理解したうえで利用することが大切です。

●住宅ローンの金利タイプ:固定期間選択型

固定期間選択型は、契約時に決めた固定期間が満了したときに、再度金利タイプを選べる契約のこと。
固定期間は金融機関やローンのプランによって違い、1年程度の短いものもあれば、10年を越える長期のものもあります。
ただし、最初に決める固定期間中、固定金利で返済を進める点はどの借入先の住宅ローンでも同じです。
期間の満了時にその時点の固定金利を選ぶか、変動金利に切り替えるかを自分で決めることになります。

金融機関によっては、通常の固定金利型よりも金利が低く設定されているケースもあるので、うまく使いこなせれば住宅ローン金利を節約できるでしょう。

それぞれの金利タイプはどんな人に向いている?

●リスクを避けたい人は全期間固定型がおすすめ

住宅ローンを利用する際に、できるだけ将来的な返済リスクを抑えたい場合は、全期間固定型の金利タイプを選びましょう。

全期間固定型の金利タイプは、将来に渡って返済金額が一定です。
「返済金額が変わる」といった不確定要素が限りなく少ないので、計画的に貯蓄を進めたい人、子どもの教育費などにお金を回したい人に向いています。

●多少リスクを取っても金利の安さを求める人は変動金利型がお得

できるだけ安い金利で住宅ローンを利用したい人には、変動金利型の住宅ローンを利用しましょう。
ただし、金利の見直しタイミングで金利が高くなることもあるというリスクは、理解しておく必要があります。
また、金利が変わる度に月々の住宅ローン返済額が変わるので、住宅ローンを固定費にして資金計画を立てたいという人には不向きです。

●状況に合わせて金利を見直したい人は固定期間選択型が最適

住宅ローンの金利は、その時々の景気によって左右されます。
将来の金利が上がるか下がるかはわからないので、

  • 固定金利を選んだ結果金利が下がった
  • 変動金利を選んだら金利が上がってしまった

といった状況を避けたいと考える人は、一定期間経過後に自分で金利のタイプを選び直せる、固定期間選択型がおすすめです。

とはいえ、固定期間選択型にも、「再選択時に金利が大幅に上がっていると、固定金利にしても変動金利にしても月々の返済額が増えてしまう」というリスクが存在します。

条件によって適切な金利タイプは違うので、ローン契約時の好みやライフプラン、収入の計画等に合わせて、できるだけメリットの多い金利タイプを選びましょう。

住宅ローンの借入先の選択肢

●住宅ローンの借入先:民間の金融機関

民間の金融機関、主に銀行では、メガバンク以外にも地方銀行やネット銀行で住宅ローンを取り扱っています。
取り扱い機関の数が多い分、選択肢が豊富で、借りられる金額や金利、返済プランに金利タイプなど、さまざまな住宅ローンの中から好みの住宅ローンを選択可能です。
一部の金融機関では、「住宅ローン利用者は常に提携店舗での買い物にポイントが付く」といった付帯サービスも利用できます。

普段給与の受け取り等に使っているメインバンクが一番お得な人もいれば、金利や付帯サービスを考えてあまり使っていない銀行でローンを組んだ方が良い場合もあるため、ある程度、好みや利益を重視して選ぶと良いでしょう。

ただ、民間の金融機関が実施している住宅ローンは、選択肢が豊富過ぎて比較・検討に時間がかかるというデメリットも持っています。
ローンの種類どころか、ローン審査の難易度も金融機関ごとに違うので、審査を受ける金融機関は慎重に決めましょう。

●住宅ローンの借入先:フラット35

「住宅金融支援機構」という政府の機関と、民間の金融機関がタッグを組んで用意している政府系ローンの代表格が、フラット35です。
基本的に、選べるのは全期間固定型の金利タイプだけ。
しかし、大まかに説明すると、ローンの保証を住宅金融支援機構が担っており、融資を行う金融機関の滞納リスクが小さいので、その分、金利が低めです。

月々の返済とは別に、元金だけを減らせる「繰り上げ返済」の手数料も無料で、省エネ性能の高い住宅等を購入する場合はより金利の低いプランを選択できます。
保証人なしでも利用できるという強みもあるため、転職したばかりの人や正社員ではない人も利用しやすいでしょう。

ただし、フラット35も、「どの窓口から申し込むか」によって若干金利や手数料が変わってきます。
固定金利型の中では金利が安めとはいえ、変動金利型の住宅ローンに比べると金利は割高なので、借入先の厳選は必須です。

●住宅ローンの借入先:財形住宅融資

財形住宅融資とは、サラリーマンとして会社で財形貯蓄をしている場合に、「これまでに積み立てた金額×10倍の90%」までお金を貸してもらえるローンのことを指します。

基本的に、財形貯蓄を実施している企業に所属している人を対象にしたローンなので、

  • 正社員でも勤めている会社で財形貯蓄をしていない
  • 非正規雇用や自営業者で財形貯蓄をしていない

といった人は財形住宅融資を利用できません。

また、

  • 勤続年数1年以上
  • 財形貯蓄の残高が50万円以上
  • 借入可能額は最大4,000万円まで
  • 融資額は貯蓄額×10倍の90%(簡単にいうと最大で9倍)まで

などの利用条件もあります。

ただし、公的な融資の一種ということもあり、財形住宅融資のローンは銀行系の住宅ローンよりも低金利です。
お子さんがいるなど、一部条件を満たせばさらに金利を下げられるので、家族構成や返済プランに合わせて利用を考えましょう。

それぞれの借入先はどんな人に向いている?

●付帯サービスを重視する場合は民間の銀行ローンがおすすめ

  • 新居の近くに提携スーパーがあって割引を受けられる
  • クレジットカードのポイント還元率が高くなる
  • 各種割引・クーポンを利用可能

など、生活に密着したお得なサービスがある場合は、民間の金融機関で住宅ローンを組むことを検討してみましょう。

付帯サービスの充実度でいえば、民間の金融機関から提供されている住宅ローンの方が便利です。
また、銀行系のローンなら、変動金利型のローンを選べます。

●融資の受けやすさを大切にしたいならフラット35が便利

「低金利で固定金利のローンに興味がある」
「非正規雇用で信用が低い」
「就職・転職したばかりで勤続年数が短い」
「訳あって連帯保証人を立てられない」
という人におすすめなのは、フラット35です。

保証人なしでも融資を受けられるほか、金利も固定なので返済プランを計算しやすいという強みも持っています。

●サラリーマンやお子さんのいる世帯は財形住宅融資を選ぶとお得

もし、サラリーマンとして正社員で会社勤めをしており、在籍している企業で財形貯蓄をしている場合は、財形住宅融資から住宅購入資金を借りましょう。

財形住宅融資は、公的なローンの一つなので金利が安くてお得です。
一定年齢以下の子どもがいるなど、世帯の属性によっては、さらに金利を下げられるというメリットもあります。

住宅ローンの借り入れ方法の種類と注意点

●住宅ローンの借り入れ方法:ペアローン

ペアローンとは、
「3,000万円の物件を買うために、夫が2,500万円・妻が500万円を借りる」
といった借り入れ方法のことです。

住宅ローン契約を2人分結ぶのが特徴で、夫婦は互いにお互いの連帯保証人となります。
夫一人、または妻一人でローンを組むよりも大きな金額を借りられるほか、夫婦で金利タイプを分けて、借入額の少ない方を短期間で返済するといった工夫も可能です。

夫婦がそれぞれ住宅ローンを組むので、二人とも住宅ローン控除を利用できるというメリットもあります。

ただし、ペアローンは通常の住宅ローンに比べて、各種手数料が2倍必要です。
妊娠・出産などで妻が働けなくなったら収入がなくなるため、住宅ローン控除も利用できません。

世帯としての返済負担とリスクが高くなりがちなので、利用する場合はメリットとデメリットを慎重に比較しましょう。

●住宅ローンの借り入れ方法:連帯債務

連帯債務型の住宅ローンは、
「3,000万円の新居を買うためのローンを2人で契約する」
という借り入れ方法です。

夫または妻のどちらかがメインの契約者となり、もう一方が連帯債務者となります。
2人で一つの契約を結ぶので、ペアローンと同様、一人で組む住宅ローンよりも多くのローンを利用可能です。

ローンの返済義務を2人で背負っていることから、夫婦の両方が住宅ローン控除を利用できます。

ただし、連帯債務者が団体信用生命保険(契約者が亡くなったときにローン残債を肩代わりしてくれる生命保険)の対象になるのは、フラット35のみ。
民間の住宅ローンは、たいていの場合団体信用生命保険の対象になりません。
また、そもそもペアローンや連帯保証型のローンに比べて、取り扱っている借入先が少ないというデメリットもあります。

●住宅ローンの借り入れ方法:連帯保証

「3,000万円のローンを夫または妻が契約し、もう一方がその連帯保証人になる」
のが、連帯保証型の住宅ローンです。

連帯保証人は、契約者がローンの返済を滞納したときにすべての責任を負う存在であり、ローンの契約者ではないので、住宅ローン減税や団体信用生命保険を利用できません。

ただ、万が一契約者が事故や病気で亡くなった場合は、契約者の団体信用生命保険でローンを完済した不動産を残せます。
ローン契約時の手数料も1人分で済むため、無理に収入を合算してローンを組む必要がないなら、連帯保証型を選ぶと良いでしょう。

まとめ

住宅ローンと一口にいっても、金利タイプ・借入先・借り入れ方法などが細かく違います。

「メインバンクで住宅ローンの案内を受けたから」
「ネットでおすすめされているから」
「金利が安かったから」

と安易に住宅ローンを決めると、10年後・20年後に後悔する可能性もあるため、適切な知識を習得して、自分に合ったローンを選びましょう。

とはいえ、大量に存在する住宅ローンの中から、自分たちに合うものを見つけ出すのは大変です。
ローン選びについてのアドバイスがほしくなったら、ぜひ一度、当店へご相談ください。

 

 

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