column 114. 買う&売る

頭金はいくら必要なのか?頭金の目安からメリット・デメリット

2016.05.15

頭金って、実際いくらぐらいいるの?

家を買うとき、多くの人を悩ませる問題の一つが「頭金」の扱いです。

世の中には、頭金なしで購入できると広告中の物件もあります。
頭金を用意すると、当然手持ちのお金が減ってしまうので、できれば頭金を出したくないと考えている人もいるでしょう。

ただし、住宅購入時は、基本的に頭金を用意するメリットの方が多いです。
住宅購入という人生の中でも一番高い買い物で損をしないように、今回は頭金の必要性や頭金の目安額、仮に頭金を多目に用意した場合のメリットなどを解説していきます。

頭金とは?

●マイホーム購入時に用意する自己資金のこと

頭金とは、マイホームを購入する際に、住宅ローンとは別に支払う前払費用のことです。
3,000万円の物件を買うとき、300万円を頭金として預貯金から出し、住宅ローンの借入額を2,700万円に減らすといった使い方をします。

極端な話、2,800万円の現金を持っていれば、住宅ローンの借り入れを200万円まで圧縮できるわけです。

そんな頭金には、

  • 借入額が減って金利負担も小さくなる
  • 融資の審査に通りやすくなる
  • 住宅ローンに頭金を上乗せすることで手の届かない物件を購入できる

といったメリットがあります。

●自分たちの預貯金だけでなく親族からの援助も頭金になる

頭金について考えるうえで、ぜひ知っておいて欲しいのが頭金の原資です。

マイホームの購入時に用意する頭金は、基本的に現金で支払う必要があります。
そのため、頭金の原資は主に購入者の預貯金です。

ただ、不動産会社や物件のオーナーからすれば、金額が合っていれば誰のお金でも関係はないので、

  • 親からの金銭援助
  • 親族からの援助

といったかたちでお金を集めても構いません。

特に、親からの金銭援助に関しては、親や祖父母からの贈与をほぼ非課税にできるお得な控除を利用できます。

本来なら贈与税の納税が必要なところ、非課税で援助してもらえるのは大きな強みです。
それだけでなく、将来的に相続や贈与で親の財産を受け継ぐよりも、マイホーム資金を援助してもらった方が税の負担を抑えられます。
親から援助を受けられる場合は、積極的に援助してもらいましょう。

●家を買うときに用意しておきたい頭金の目安とは

頭金を用意する場合、「物件価格の20%」を目安にするのが良いとされています。

ただし、3,000万円する物件の20%は、600万円です。
決して簡単に用意できる額ではありません。

そこでおすすめしたいのが、最低でも物件価格の10%を目標にすること。
多くの住宅ローンは、ローンの審査を行う際に「融資率」という数値も気にしています。
融資率とは、簡単にいうと「物件の購入価格の何%をローンでまかなっているのか」を示す数値のこと。
頭金ゼロで全額ローン払いをする場合、融資率は100%です。

融資率が高いローンの契約者は、大雑把にいうと「住宅購入前にまとまった現金を用意する余裕がない」可能性が高く、滞納のリスクを抱えていると見なされてしまいます。
そのため、ローンの金利も高くなりがちです。
しかし、融資率が90%以下であれば、低金利でローンを組めます。

わずかな金利の違いでも、10年・20年と返済が続くことを考えると、最終的に支払う利息の差額は無視できません。
金利を抑えてより有利な条件で住宅ローンを利用するために、家を買うときは物件価格の10~20%の頭金を用意しましょう。

頭金を多く用意するメリット

●住宅ローンの借入額を減らせるので返済が楽になる

頭金を多めに用意するメリットは、何といっても住宅ローンの返済が楽になることです。

住宅ローンの金利は、「元金×利率」という計算で金額が決まります。
金利が同じでも、元金が少なければ少ないほど利息が少なくなるため、長い目で見ると頭金を用意して借入額を減らす方がお得です。

また、頭金を多めに積んでローンの借入額を減らしておくと、精神的な負担も楽になります。
住宅ローンは、融資の中でもトップクラスに金利が低く、税制の優遇も充実しているローンですが、あくまでも借金です。
借りた以上は返済する必要があるため、「家を買ってローンを組んだ」という状態に対してストレスを感じてしまう人も少なくありません。

3,000万円の借金を抱えている状態で生活を続けるよりも、頭金を500万円用意してローン残額を2,500万円に抑えた方が、ローンに対して気楽に向き合えるでしょう。

●借入額が減る分、融資の難易度が下がる

当たり前ですが、住宅ローンを実施している金融機関は、慈善団体ではありません。

融資したお金に対して一定の金利を取ることで利益を出しているので、「返済が滞る可能性の高い人」や「収入を考えると到底返済できない人」を落とすために厳しく審査しています。

100万円借りるよりも、1,000万円借りたときの方が、間違いなく返済は大変です。
借入額が増えれば増えるほど金融機関側のリスクが高くなり、審査も厳しくなっていきますが、頭金を積んで借入額を減らせば、その分、審査の難易度が下がります。

なお、住宅ローンの審査は、事前審査と本審査の二段階方式です。
住宅ローン審査を無事通過するためにも、無理のあるローンを組むのではなく、頭金を多めに用意して借入額を減らしましょう。

●頭金を上乗せすれば購入できない物件にも手が出せる

誰しも、「毎月無理なく返済できる住宅ローンの金額」には限りがあります。

どれだけ理想的な物件と出会ったとしても、自分たちの用意できる住宅ローン金額より高い物件は購入できません。

しかし、できる限りの住宅ローンを組んだうえで頭金を上乗せすれば、本来の年収で手を出せない物件も購入できるようになります。

頭金を用意する場合の注意点

●手持ちの資金をすべて頭金に注ぎ込むと生活できなくなる

基本的に、不動産購入時は頭金を用意した方が有利です。

しかし、「頭金を最大限用意する」ことにこだわった結果、預貯金をすべて頭金に回したり、定期預金や保険を解約して頭金に注ぎ込んだりするのはおすすめできません。

なぜなら、家を買うときは、家や土地の代金以外にもさまざまな出費が必要になるからです。

  • 新居で使う家具・家電
  • 引越し費用
  • 通勤・通学距離が増える場合は毎日の交通費
  • 冠婚葬祭の費用
  • 子どもが生まれたら、その教育費

といった出費を支払うためには、ある程度の蓄えが必要不可欠。

事故や病気で一時的に働けなくなっても生活やローンの返済に困らないように、最低3ヵ月から1年程度の生活費は残しておきましょう。

●不動産購入時は諸費用の支払いが必要

不動産手続き自体にも、以下のような各種手数料がかかります。

  • 手付金
  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 不動産取得税
  • 住宅ローンの保証料・手数料
  • 団体信用生命保険・火災保険の保険料
  • 登記手続きの手数料

無事に支払いを済ませるためには、物件の代金とは別にお金が必要なので、頭金以外のお金も確保しておきましょう。

リフォームとリノベーションの費用の目安は?

●リフォーム費用の目安

リフォーム費用の目安は、100~300万円ほどです。
壁紙や床の貼り直しなど、内装関連の工事なら1平方メートルあたり数万円、総額でも数十万円でリフォームしてもらえます。

しかし、リフォーム工事の中でも高額なキッチンのリフォームや外壁の再塗装だと、予算はそれぞれ150万円前後です。

一戸建てもマンションも、不動産は築10~15年周期で外壁塗装や水回りの整備が必要になるため、リフォームの予定がなくても、家を維持するためには上記の費用がかかると考えておきましょう。

●リノベーション費用の目安

一方、リノベーション費用の目安は500万円以上です。

一部分のリノベーションなら100万円前後で済む場合もありますが、一戸建てのフルリノベーションなどになると、1,000万円を越えてしまうケースも少なくありません。

まとめ

家を買うときは、無理のない範囲で多めに頭金を用意しましょう。

現代では、頭金なしのフルローンで住宅購入するという手もありますが、融資率が100%の状態だと、金利も高いですしローン審査も厳しいです。

ただ、ローンの元金を減らそうと、手持ちのお金をすべて頭金に注ぎ込んでしまうと、今度は住宅購入時の諸費用や、新生活で必要なお金がなくなってしまいます。

住宅ローンと頭金の最適なバランスは、年収・貯金額・援助の有無等によっても変わってくるため、絶対的な答えがありません。

不動産購入時は、ローンの返済と新生活で困らないように、不動産会社と相談して頭金の額を決めましょう。

 

 

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